ノウタケ?  Calvatia craniiformis (Schw.) Fr.

だいぶ時間が過ぎてしまったが、9月の半ばに近隣の雑木林内で見かけたキノコである。

大きさは、案外と大きく、傘径で12-3ミリあったと思う。

同じ森で見かけるホコリタケの仲間と同じ系統のキノコの気がしたが、違うのは大きさである。こちらの方が随分と大きい。

調べてみると、ノウタケという名のキノコが臭いかなと思った。ノウタケの名の由来は、傘が成長と共に、表面に皺が目立つようになり、その姿が脳に似ているかららしい。確かに、上の写真の左の方の個体には、少し皺が現れ始めている気はする。

似ているキノコに、イロガワリホコリタケというキノコがあるらしいが、正直、どっちがどっちという正式な判別法が、インターネット上にしっかりと共有されているわけではないように感じた。

一応、若くて身が詰まっている時は、食用になるらしい。ゆくゆくは、スカスカになっていき、外側が崩れて中から胞子の塊が現れてくるとのことである。

さて、このキノコの生息分布は、世界的に眺めると、北半球では、北米大陸の東海岸から内陸部にかけて生息報告が集中しているようである。西海岸の森林地帯からも報告が上がっており、南北アメリカ大陸を繋ぐ中米の国々にも生息しているようで、この流れが南アメリカ大陸へと疎に散らばって行っている。一方、アジアはと言うと、日本からの生息報告が多く、南西諸島を南下して台湾へと続く。そして、東南アジアの主要湾岸都市に散らばっているように見える。そして、北半球ほどでは無いが、南半球においても、オーストラリアやニュージーランドやアフリカ大陸の沿岸部に存在しているようである。

興味深かったのは、ヨーロッパから殆ど報告がないのと、日本領の小笠原諸島の最南端あたりの島から報告が上がっていることである。小笠原諸島に、このキノコがある事を考えると、やはり、このキノコは、意図的ではないにせよ、人間の手で急速に移動して行った時代があるのかなと想像してみたくなる。

ニトベエダシャク 成虫 Wilemania nitobei (Nitobe, 1907)

2週間ぐらい前の写真になってしまうが、我家の外灯下に来ていた蛾の投稿をしようと思う。

大きさは、前翅長18ミリぐらいだったと思う。

なんとなく初めて見る蛾のような気がしたのだが、調べてみたところ、ニトベエダシャクと判明。晩秋に現れる蛾とのことなので、時期もピッタリと合う。

ちなみに幼虫の方は、たまに見かける気がするが、成虫は、初めて見かけた。

幼虫の食草は、広食性で多岐に渡るようである。

生息分布の方は、国内は、北海道から九州近海まで。海外の生息分布は、ロシア沿海州、朝鮮半島、中国の一部、台湾で確認されている。

フタモンホシカメムシ 成虫 Pyrrhocoris sibiricus (Kuschakewitsch, 1866)

少し時間が開いてしまったが、11月22日に写真に撮っていたカメムシである。

指との比較で大きさを想像すると、体長8-9ミリといったところであっただろうか。

この晩秋の小春日和の日中に、地面を移動しているのを見かけて、あまりのすばしっこさに、カメラのピントを合わせれず、最終的には、摘み上げて写真に撮ったのが上の写真である。

初めて見るカメムシだと感じていたが、過去の投稿を確認したら、昨年の4月12日に、投稿済みの種と分かった。

種名は、フタモンホシカメムシ。

近似種に、クロホシカメムシという種が居るらしくて、簡単な見分け方は、腹部を見た時の脚の付け根の紋様パターンらしいが、クロホシカメムシは、その部分が薄褐色で、フタモンホシカメムシは、その部分が白黒の斑紋様になっているらしい。

そして、神様の悪戯なのか、そんな絶対に普段は敢えて写真に撮らないであろう腹部の写真を、今回は偶然に撮っていたのである。この個体を指で摘み上げる際に、偶然にひくっり返ったのだが、その時に、意外とメリハリのある腹部に興味を惹かれて、写真を撮っていたのである。

その写真が以下である。

上の写真を見る限り、フタモンホシカメムシの腹部の特徴を、しっかりと見てとれる。

さて、このフタモンホシカメムシの生息分布は、生息報告から推測すると、韓国と日本に集中しているようである。実際は、シベリア東部や中国東北地方にも生息しているようである。一応、国内の生息分布は、北海道から、九州近海の島嶼までとのことである。

稲を始めとした野菜を吸汁するようで、他の幾つかのカメムシと同様に、害虫としても認識されているようである。