ダイミョウキマダラハナバチ

先日、小川沿いの土手を散歩した時に、ハルジオンの花に集まる数種の昆虫達を見かけた。

そのうちの一つが、このダイミョウキマダラハナバチである。

随分典型的なハチっぽい紋様をしたハナバチだと感じたが、この蜂を調べていて知った幾つかの興味深い事実を紹介したく思う。

先ずは、托卵というか、このダイミョウキマダラハナバチは、ヒゲナガハバチの仲間の巣を探し、そこに托卵する形で、幼虫は、ヒゲナガハバチ達が我が子のために持ち帰ってきた餌を横取りする形で食べて成長するみたいである。この辺の習性から、偉い人みたいなイメージのダイミョウ(大名)が名前に組み込まれたのかなとも想像したい。

あとは、雌しかいなくて単為生殖をしているという事である。こちらは、その事実より、その事実を突き止めた人達の情熱に心打たれる。

また一つ、昆虫の名前を覚える事ができた1日であった。

コアオハナムグリ

小川沿いの土手を歩いている時に目に留まった。

名前は、コアオハナムグリ。コアオハナムグリのコは、小を意味していると思われるが、夏以降に現れるシロテンハナムグリと比べると、二回りぐらい小さい印象。

そのシロテンハナムグリが、ハナムグリという割には、花に寄っている姿にあまり出会わず樹液に集まってたりしてたので、その点では、このコアオハナムグリは、花に集まり、まさに乱立する花の中に潜るみたいに映る行動をとっている。子供達に、ハナムグリの名前の意味を説明しやすいハナムグリだと思った。

現場では、緑に見える個体と茶色っぽく見える個体と様々で、一瞬別種とも考えたが、どれもコアオハナムグリで良いみたいである。

以下に茶色っぽく見える個体の写真を載せておく。

このコアオハナムグリを見つけた日には、小川沿いを1キロぐらいは歩いたが、このコアオハナムグリが活動していたのは、とても狭い一画で、小川沿いの全てのハルジオンに寄っていたわけではない。

余談だが、このハルジオンという白い(時々ピンク)の花を咲かせる雑草……我家の庭の手強い敵であり、その庭での除草時の手強さから個人的に日本から一掃されてしまえば良いのにと思う帰化植物(要注意外来生物に指定され、日本における侵略的外来種ワースト100にも選ばれている)であるが、こうやって小さな昆虫達の拠り所になっている現場を見ると、ちょっと考えさせられる。

人間の世界でも、そうだが排除より共存なのかな。

ビロウドサシガメ

近隣の水田地帯で見つける。石を退けたら、居た。

拡がった翅のせいで、一瞬、ケバエの仲間かサシガメの仲間か迷ったが、名前はビロウドサシガメらしい。

高速で逃げ惑うのでピンボケの写真しか撮れなかったが、以下に翅を閉じた際の写真も載せておく。

さて、このサシガメとの短い出会いの中で、このビロウドサシガメ……いや全てのサシガメ類に関して疑問が一つ湧いてきた。

果たして、飛翔できるのか?という疑問。

この時も、おそらく飛んで逃げようと翅を拡げたが、終始飛ぶ事はせず、地表を逃げ回っていた。

翅がそもそも短翅型の種や成長過程で翅が短い間は、飛べない可能性もあるが、今回のビロウドサシガメは、使えそうな翅は持っていたが、機能はしなかった。

じゃあ、サシガメ類って飛べないのと思いたくもなるが、先日、庭で赤色が鮮やかなアカシマサシガメアカサシガメと思われる昆虫を発見し、写真を撮ろうと近寄った時には、この時は見事に飛んで逃げられたのを覚えている。