ヤマトエダシャク 成虫

昨晩、我家の外灯下に来ていたシャクガの仲間である。

大きさは、開張で35ミリぐらいだった。一見した雰囲気とサイズからエダシャク亜科に属する蛾の気がしたので、エダシャク亜科の蛾を当たると、このヤマトエダシャクが辛うじて視界に入って来た。

但し、ツマキエダシャクという同じような箇所に薄い部分が出来る同サイズの蛾も居て、数年前の私なら安直にツマキエダシャクと同定していた可能性も無きにしも非ずかも知れない。

しかし、上の写真の蛾の前翅の端がカギ状になっているのと、後翅の後端中央(よく蛾の世界では、この場所が尖っている蛾にはツバメの形容が充てられる)が微妙に尖っている特徴は、ツマキエダシャクの個体変異の枠を出ていると確信出来るだけの経験値が、自分には備わったようである。

さて、このヤマトエダシャクの幼虫の食草は、ブナ科のシラカシやウラジロガシやクヌギ他と言った感じで、ブナ科の樹木なら結構行けるのではと推測する。

コガムシ

昨晩、ふと、近所の徒歩でも簡単に行ける大きめの駐車場に立っている水銀(?)灯を訪れてみた。

昨年は、繁く訪れ、多くの灯りに集まる昆虫達を見かけて写真にも撮った。この場所を訪れる理由のひとつに、我家の外灯下に集まる昆虫達が少ない時に、近くの他の場所はどうなのであろうとの比較の目的もある。概して、我家の外灯下に集まりが悪い時は、どの場所にも、あまり多くの昆虫達は集まっていない気がする。

そして、少ない獲物の中で、以下の甲虫が駐車場のアスファルトの上を歩いているのを見かけた。 

大きさは、25ミリぐらいかな。こんなツルツルの表面のコガネムシは見たことないと、用意周到に持っていたプラケースに入れて持ち帰ることにした。

ただ、帰宅後に一応、コガネムシの仲間の写真を、片っ端から当たるが、ヒットして来るわけはない。おまけに、コガネムシの仲間特有の触角の先のふさ髭みたいな物が見て取れない。

この時点で、ピンと来た!この顔は見覚えがあると。

そうだ、谷地の田んぼの端っこに溜まる藁クズのゴミをガサっと網で掬うと入ってくる水生昆虫のガムシだと……。

上の写真の個体は、ガムシだと思う。ガムシやゲンゴロウが灯火にやって来るのは知っていたが、本当にそれを確認出来た。この灯火のある場所から一番近い水田や旧耕田まで、6〜700メーターといったところであろうか。

最後に、このガムシを調べていて愕然とする情報に出会った。環境省のレッドデータで、準絶滅危惧種に指定されているではないか。という事は、多くの都道府県が独自のレッドデータでレッドリストに入れている事を意味するが、案の定、23もの都道府県が、準絶滅危惧種以上の指定をしている。

そんな扱いを受ける昆虫が、身近に当たり前にいる環境……大切にしたいね。

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2021年7月8日追記

上の投稿の翌日に、ガムシと言っても、ガムシ、コガムシ、ヒメガムシと3種類ぐらいに分かれている事を知った。

そうすると、私が見た上の写真の個体は、体長35ミリ以上とかはなかったので、コガムシなのかなと思う。

ヒメガムシというのは更に小さいようである。15ミリ前後。

ただ、コガムシも、ガムシ程ではないが、少なくなって来ている甲虫のようで、環境省のレッドデータには登録されていないが、20もの都道府県が準絶滅危惧種以上の扱いをしていることを知った。

それにしても、ガムシの平均サイズ35ミリ以上とかって、どんだけ大きい水生昆虫だと感じた。余裕で小さめなカブトムシのメスぐらいはある。

モンシロナガカメムシ

昨晩、我家の外灯下に来ていたカメムシの仲間である。

大きさは、8ミリぐらいだった。胸部の撫で肩感からナガカメムシの仲間であろうと個人的に踏んだが、それは正解であった。似た種が数種いるが、モンシロナガカメムシという種であると思われる。

さて、このモンシロナガカメムシは、翅が小さいため飛べないと書いてある情報があった。確かに、このカメムシを地面で見かけた時に、決して飛翔しようとはせずに、歩いて逃げようとするばかりであった。同じ日に、ツマキヘリカメムシと思しきカメムシも、同じ行動パターンを取っていた。

最近、気がついて来たのは、昆虫の飛べるか飛べないかの能力のチェックは、重要かということである。飛べないと、自ずと行動範囲が狭くなり、地域毎の固有種的特徴が形成されやすいのではと考えている。

そして、この個体群毎の形質的差異を作ったであろう過去の地形的特徴を読み解く鍵のひとつに、昆虫の個体群毎の微妙な形質的差異を調べることが繋がると、私は最近思うようになった。

虫観察が、楽しくなって来た。