Bipalium Adventitium (つくば市中部)

今週の火曜に撮った写真であるが、また新たなコウガイビルと出会ってしまった。

この場所(森)は、オオミスジコウガイビルの生息場所と被っている。

今回は、タイトルに世界共通の学名を使っているが、理由は、ネット上で、海外のサイトに全く同じくコウガイビルが多数紹介されているからである。ただ、この学名に行き着いたのは、日本のとある方のウェブサイトで、この学名で紹介されている記事を読んでの事であり、私が独自で行き着いたわけではないことを告白しておく。

この写真の状態の時の大きさは7センチぐらいであった。まだ10センチぐらいまでは伸びれそうな雰囲気はあった。

ざっと、アメリカの方が書いたと思われる英語のウキペディアを読んだところ、アジア原産だと思われ、ミミズが食い物にされている事への危惧が書かれている。他には、アメリカ北部の州には殆ど定着していて、2019年には、カナダのケベック州のモントリオールでも発見となっている。

そして、アメリカのウキペディアの記事で興味深かったのは、Bipalium Kewense(オオミスジコウガイビル)の分裂増殖とは違って、雄雌(?)が居て、卵で増殖していると書いてある事である。あとは、元々アメリカにいたコウガイビルのBipalium Pennsylvanicumという種やオオミスジコウガイビルと見間違えることはないと書いてある。理由は頭部の形で、この2種の頭部は、ハーフムーン(半月型)だが、この投稿の主役のBipalium Adventitiumの頭部は、ファン・シェイプ(団扇型)だと書いてある。

この頭部の形は、確かに私も同意で、今回見つけたコウガイビルは、とにかく頭部が小さく団扇型の特徴があるのは、今回の情報を得た海外のウキペディアを見る前から、このコウガイビルの大きな特徴の一つであると感じていた。

さて、このBipalium Adventitiumは、何処から来たのであろうか?ウキペディアにはアジアとだけ書いてあったが、日本にいるものも移入種なのであろうか?もし、移入種だとしたら、まだまだ人目に付きにくい種なのかもしれない。

ただ、アメリカの拡がりが、北部に偏っているところも気になる。自由に車で移動が出来るアメリカ……南にも西にも拡がって良い気がするのだが……

クロスジコウガイビル つくば市南部

休憩先に選んだ場所の近くをお昼時にウォーキングしている時に、草むらに無造作に放置されている比較的新しめの段ボールが目に留まった。

好奇心からひっくり返してみたところ、思いの外、小さな生物の住処になっていた。放置されてから10日ぐらいと思われる段ボール、昨日の雪でへなった感のある比較的新しい段ボールの下にも、沢山の生物が集まってくるのかという発見もあった瞬間だった。

そして、一番目を引いたのは以下の生物である。

一瞬、また水田まわりというシチュエーション的に、ノハラナメクジかと思ったのだが、どうも違う感じがした。おそらく、コウガイビルの仲間であろうとの予想が付く。

次に、もうちょっとコウガイビルっぽさ見せる個体も居たので、そちらの写真もアップしてみる。

ただ、私が黒いコウガイビルとして知っていて、そして我が家の庭にも生息しているコウガイビル(クロイロコウガイビル)とは、明らかに違う気がする。

違う点を列挙してみると……

✳️ 頭部の形が、昔の髪飾りの笄(コウガイ)の形には似ていない。そして、少し丸っこく厚みがある気がする。

✳️  頭部と胴部の色合いが同じである。因みに、クロイロコウガイビルは、頭部と胴部の色が違う事が多く、その色合いも変異に富んでいる。

✳️ クロイロコウガイビルと比べるとズングリし過ぎているのと、ヌメリ感も強い気がする。

✳️ 逃げようと伸びている時の体長も短めな方(7センチぐらい)な気がする。以下に、写真を貼り付けておく。伸びて長くなった時には、少し頭部の形は、いくらか笄(コウガイ)の形になるようである。

以上のような特徴を考慮して、色々な方々のネット上の写真と照合すると、クロスジコウガイビルという種が形状的にドンピシャな気がした。ただ、クロスジコウガイビルのクロスジの部分は、黒筋であると思われ、どの写真も頭部から尾部までを貫く黒い線が見て取れる写真が殆どであった。

ただ、私が写した個体には、背中の線は見てとれない。ただ1匹、庭に放すために持ち帰ろうと透明なプリンカップに入れたのだが、偶然にも腹部側を見るチャンスにも恵まれることになった。腹部の色はフタスジナメクジのようなグレーで、腹部側からは頭部の方から尾部まの方まで続く黒いラインが透けて見てとれたのである。

現時点では、クロスジコウガイビルとして紹介させてもらう事にする。

オオミスジコウガイビル(茨城県つくば市中部)

今年は、冷夏で長雨続きという事も有ってなのか、仕事で出入りする国の施設の敷地で、この生物に(偶に)出くわす。

この写真の個体で、ざっと測って80センチ超え、伸びれば、優に1メートル20センチは超えそうな長さ。正直、気色悪い。

半月状の頭部を写した写真が以下のもの。

ほぼ同じ場所で、この生物に出くわしたのは、なんと10年ぶりぐらいかもしれない。その間、その同じ国の施設には、私は、月曜から金曜までは、ほぼ毎週ずっと出入りして、雨の日などに地面を見ている瞬間は数え切れないほどあったが、このオオミスジコウガイビルが這っていたり、とぐろを巻いているのには出会わなかった気がする。

この理由は、この生物が、乾燥や直射日光から身を守る本能の為か、人目につく明るい時間帯に乾燥しそうな開けた場所に出てこない性質が強くあるからだと思う。ミミズは、年中、よく見切り発車で、地表を這い、途中で干からびてしまっている個体に出くわす事がよくあるが……。また、その年の気候に、大きく個体数が左右されている可能性もある。

しかし、今年の長雨と冷夏が、このオオミスジコウガイビルの感覚を鈍らせているのか、朝の9時ごろに、一斉に森の中へ這って逃げ込もうとしている瞬間に、今年は出会う。

長さが、エゲツなく気持ち悪いが、一応、このオオミスジコウガイビルも、ナメクジ等を捕食してくれる点では、益虫なのではないかな。雌雄同体で、自ら分裂する事で増えていくみたいだけど、小さな個体の写真を以下に載せておく。

上の写真のもので、20センチぐらいだが、楊枝が少し太くなった程度の太さの割には、全長が長めなのが、このオオミスジコウガイビルの特徴の気もする。

そして、このオオミスジコウガイビルは、元々は東南アジアの生物で、1960年代頃には、東京で生息の報告例が有り、今に至っているようである。ただ、そんなにあちこちで見かける生き物ではない事と、私がこのオオミスジコウガイビルを見かける国の施設の敷地内でも、局所的にしか出くわさない事を考えると、日本の天候や風土が大きく変わらなければ、爆発的には増えない生き物のような気はする。

このコウガイビル(陸棲プラナリア)を調べていて分かったのは、日本には、このコウガイビルの種類の陸生プラナリアは、3科6属20種も居るのかという事だった。今回のオオミスジコウガイビルが、その20種に含まれているのかは、私には判断出来ないが、一応、我家の庭に居る在来のクロイロコウガイビル(詳しい種までは分からない)の記事も少し前に、ブログにアップしているので、良かったら、そちらも読んでくださればなと思う。