アヤナミノメイガ 成虫 Eurrhyparodes accessalis (Walker, 1859) 3

この蛾は、シーズン中、我家の外灯下に時々現れる蛾である。

ちなみに、今回の個体の写真自体を撮ったのも、本年6月1日であり、少し投稿との間に期間がある。

大きさは、前翅長8ミリぐらいの小さな蛾である。

種名は、アヤナミノメイガ。

そもそも、アヤナミ(綾波)って、何だろうと、再確認してみようと調べたところ、そのままズバリの解答に辿り着けなかったが、綾=様々な紋様みたいなニュアンスがある事が分かり、なんとなく納得出来た。

幼虫の食草は、イノコヅチらしい。我家の庭にも生えて来る根張りが最強の多年草である。近隣にも、沢山生えている。

さて、ここで、この蛾の世界的分布を調べようと、GBIFのオープンソースを確認すると、そもそも、アヤナミノメイガEurrhyparodes accessalis (Walker, 1859) は、世界基準では、Eurrhyparodes bracteolalis (Zeller, 1852)という学名で認識されていないかということと、この蛾の分布が興味深かった。

というのは、日本、韓国、台湾からの生息情報は多数上がっているのだが、フィリピン、インド南西部、インドネシア、オーストラリア東部、アフリカ東部という風に、南半球にまで進出しているのである。私には、これは、かなり面白い分布に思えた。この蛾の原点と、どうやって、このような拡がりに至ったかが、凄い知りたくなった。

そこで、そもそも、アヤナミノメイガの幼虫が食草にしているイノコヅチ(ヒカゲイノコヅチヒナタイノコヅチ)の学名を調べて、世界分布を探ろうとしたところ、学名にjaponicaが付くぐらいで、分布は、旧日本領土と言える日本、韓国、台湾に限定されていた。

そうなって来ると、海外のこの蛾のシノニムの幼虫は、何を食べてるんだろうと好奇心が湧く。それらの植物とイノコヅチとの繋がりや共通点は………?

コゲチャヒゲナガキバガ? 成虫 Halolaguna sublaxata Gozmány, 1978

数日前に、近隣で、この蛾の写真を撮っていた。

ちょっと暗いところにいて、鮮明に写せなかった。

大きさは、カクバネヒゲナガキバガといった我家の外灯下によく現れるヒゲナガキバガ達と同じぐらいのサイズである。前翅長で7ミリぐらいだったのではないだろうか。

現場でも見た感じ、初めて見るヒゲナガキバガの気がしたが、調べたら、コゲチャヒゲナガキバガが一番似ているのではと感じた。

コゲチャヒゲナガキバガを選んだ理由としては、前脚の色が単色じゃないことと、この写真では分かりづらいが、触角も単色じゃなく、コントラストになっているところである。

この点から絞ると、コゲチャヒゲナガキバガにしたいなというのが、流れである。ただ、写真も不鮮明だし、自信に根拠が持たせられないのも認める。

一応、コゲチャヒゲナガキバガの幼虫の食草は、枯葉らしい。

生息分布を、GBIFのオープンソースで確認したが、日本と韓国から、少しだけ目撃報告が上がっているだけで、あまり認知されている蛾ではないのかもしれない。

シロシタホタルガ 成虫 Neochalcosia remota (Walker, 1854)

昨晩、我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

大きさは、前翅長25ミリ以上ありそうなサイズである。

ホタルガなのかシロシタホタルガなのか覚えれていないが、両種とも、馴染みのある蛾である。

本種は、シロシタホタルガの方である。 シロシタホタルガのシロシタの意味は、下翅にも白いラインがあるぞという意味だと解釈している。おそらく、ホタルガの方にはないんだと思う。

幼虫の食草は、サワフタギ。時期になると、シロシタホタルガの幼虫が、サワフタギの木に沢山付いているのを目撃することがよくある。サワフタギという木自体は、私が暮らす標高25メートルぐらいの台地上の森から、近隣の山地の標高700メートルぐらいまで、満遍なく生えていることから、氷期も間氷期も生き残ってきた樹木のようなイメージを、個人的には抱いている。

ただ、気になるのは、そのサワフタギが沢山自生した山地で見たのは、写真で確認するとホタルガの方ではある。

ホタルガの方も、近隣の平地でも出会うことが出来て、過去に投稿済みである。

今回、まざまざとシロシタホタルガを見る機会に恵まれて気が付いたのだが、光の当たり方によって、随分と青光りが魅力的な蛾だと思った。まぁ、ミヤマカラスアゲハの青光りには負けるが……。

そして、当然気になるのは、シロシタホタルガとホタルガの関係である。シロシタホタルガの生息分布をGBIFのオープンソースで確認したところ、日本と朝鮮半島(韓国のデータしか反映されないが)と台湾北部に見られた。

一方、ホタルガの生息分布も調べたところ、面白いことに、台湾からの報告が多く、中国南東部からの報告もあり、南の蛾であることが分かった。まぁ、この傾向は、シロシタホタルガが、落葉するサワフタギという木を好み、ホタルガが落葉しないサカキやヒサカキを好んでいることからも、なんとなく結びつく。

こうなって来ると、近所の亜高地に、シロシタホタルガではなく、何故ホタルガが優先的にいたのか突き止めたくなってきた。おそらく、両種ともいて、そのホタルガを見た9月半ばが、ホタルガの季節だった気もするが……。