ウスフタスジシロエダシャク 成虫 Lomographa subspersata (Wehrli, 1939)

先ほど、我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

大きさは、前翅長16ミリといったところであろうか。

白系のシャクガと言えば、ヒメシャク亜科に多いが、ふっくらした形からヒメシャク亜科の蛾ではなさそうな気はした。

調べてみたところ、エダシャク亜科のウスフタスジシロエダシャクだろうと思う。だろうと思うとの表現を使っているのは、オオウスフタスジシロエダシャクLomographa claripennis Inoue, 1977 という近似種も、一応いるからである。そして、正直、両種とも、そんなに大きな差異はないように感じるのである。

という事で、以下は、ウスフタスジシロエダシャクとして話を進めるが、幼虫の食草は、バラ科の植物(樹木)である。

生息分布の方は、国内は、北海道から九州まで。オオウスフタスジシロエダシャクの方が、関東以西……沖縄までいるようで、南方系なのが分かる。海外の生息分布は、朝鮮半島、ロシア沿海州、そして、おそらくサハリンにもいると思われる。

シャンハイオエダシャク 成虫 Macaria shanghaisaria shanghaisaria (Walker, 1861)2nd

先ほど、我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

大きさは、前翅長13ミリぐらいで、こじんまりとした小さめのエダシャクである。

写真は、完全に開張している一瞬を捉えたが、翅を閉じ気味に止まるタイプの蛾ような気もした。以下に、翅を閉じ気味の状態を横から写した写真を。

種名は、シャンハイオエダシャクだと思われる。一応、2年前の7月にも投稿済みの種であった。

5月6月ぐらいから現れて年2化する蛾のようだが、4月の陽気に誘われて羽化してしまったのかなと推測する。

幼虫の食草は、ヤナギ類のようで、湿地に生えるようなヤナギ類や、大きくなるポプラのようなヤナギ類の葉も食べるようである。今回、我家の外灯下にやって来たが、家の周りの何処にヤナギ類が生えていたか、ちょっと思い出せない。少し離れた小川の土手や谷地の湿地には、ヤナギ類は生えているが、そうしたエリアは、家から500メートルぐらいは離れている気がする。

さて、このシャンハイオエダシャクの生息分布は、国内は北海道から四国までのようである。海外の生息分布は、中央ロシアから極東ロシアにかけてと中国にいるようである。ロシアに広く生息していることから、遠い昔の寒冷期からの生き残りの蛾の気がする。この辺に、国内の九州以南に生息していない理由がありそうだが、現段階では、私には分からない。

トビモンオオエダシャク 成虫 Biston robustus robustus (Butler, 1879)

最近、近隣で見かけて写真に撮っていた蛾である。

大きさは、開張で70ミリぐらいであった。

種名は、トビモンオオエダシャクであろうと思う。まだ早春と言えるこの時期に活動している蛾は多くはないこともあり、その限られた選択肢の中から選べることになるので、この時期は、種名に辿り着きやすい気がする。一般的には、2月-4月の間に見れる蛾のようである。

この蛾は、紋様に関しては、変異が多いようだが、この時期にこんな紋様でこんな雰囲気なのは、トビモンオオエダシャクなのかもしれない。一応、外見的特徴で、私が目安にしたものがあるとすると、後翅の表面に見えるはっきりとした黒い外横線が1箇所、外縁に向かって丸みを持って飛び出す箇所がある事だったであろうか。この特徴は、ネット上の様々なトビモンオオエダシャクの写真を見ても、共通していた特徴のような気がする。

さて、幼虫の食草は、これまた多くの科の樹木の葉が食べれるようである。2年前に、トビモンオオエダシャクの幼虫と思われる投稿をしている事を確認したので、良かったら、そちらもご覧いただきたい。

トビモンオオエダシャクの生息分布の方は、国内は、おそらく北海道から九州近海を経て、沖縄本島含む南西諸島まで。海外の方は、朝鮮半島、台湾、ロシア南東部にもいるようである。

この蛾に関して気になることは、春先に出てきて活動出来ることから、寒い地域に特化した蛾なのかと思いたいのだが、沖縄や南西諸島といった気温が穏やかなエリアにもいることである。その背景にどういう理由があるのであろうか……気になる。