トウネズミモチ Ligustrum lucidum W.T.Aiton

先ほど、ネズミモチの投稿をしたので、続けて、近縁種のトウネズミモチの投稿をしてみようと思う。

トウネズミモチもネズミモチと同じように、植栽によく植えられている常緑の中低木である。

名前は、トウネズミモチ。

違う場所で撮ったトウネズミモチの写真を以下に。

さて、このトウネズミモチの原産地は、中国南部と言われているのだが、世界分布を眺めると、ネズミモチ以上に濃く世界中に進出しているようである。おそらく、各国に植栽で植えられた個体達が、実を鳥に食べられて、鳥の糞と共に少しずつ生息範囲を拡げている結果かと思われる。日本への渡来は、明治初期と言われている。

ネズミモチと同様に、漢方の世界では女貞子と呼ばれ、滋養強壮、月経不順、若白髪、視力の低下等に効能があるらしい。

近隣では、人口的に植えられたものの側から少しづつ増え始めているように見えるが、鳥が実を食べる割には、急速な拡がりは見せていないようにも見える。鳥の糞から芽生えたと思えるエノキやムクノキが、無秩序に近隣の至る所から芽生えてくることと比べたら、圧倒的に、拡がり方は弱い気がする。

ところで、ネズミモチの投稿でも触れたが、少し前までは、各地で植栽されたであろうこのトウネズミモチも現在では、生態系等に関わる被害防止に関する法律の中では、重点対策外来種として、国民に対策に動き出すことが求められている種になっている。私も、この事実を今回初めて知ったが、現状として、社会が、そんな事を気にかけているように見えないのが本当のところである。

私は、今後は、ネズミモチとの間で交雑が出来るのか、またどんな拡がりの特徴を持っているのか等、少し意識を持って、観察していこうと思うようになった。

最後に、トウネズミモチとネズミモチの見分け方を簡単に以下に書いておく。

ネズミモチの実の方が、長く紡錘型であり、トウネズミモチの実の方が少し大きく丸型である。(ただ、全部が丸っぽいとも言えずに、ネズミモチの実のように少し紡錘型のものもあるが、大きさは、ネズミモチの実よりは確実に大きいとは言える。)葉も、トウネズミモチの葉の方が大きく、手っ取り早い見分け方としては、空にかざして葉の葉脈を見てみる方法がある。ネズミモチの葉脈はほとんど見えないのだが、トウネズミモチの葉脈はハッキリ過ぎるぐらい見えるのである。

トウネズミモチの葉の葉脈
ネズミモチの葉の葉脈

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