マツヘリカメムシ 成虫

本日、仕事中に仕事先の施設内で発見。1月とは思えないとても暖かな陽気に誘われて、越冬中の昆虫達も活動し始めたのかと感じながら、種を確かめようとしゃがみ込み観察したが、どうも見たことのないカメムシの仲間のような気がする。そして、既に亡くなられているのにも気が付いた。

その時写した写真は以下に。

このカメムシの写真を撮りながら、気になっていたのは、大きさであった。体長2センチぐらいと、この手のカメムシにしては、大きいサイズ感であった。それと、後脚脛節の鰭(ヒレ)状の膨らみも気になった。

同時に、この大きなサイズ感を手がかりに種に結びつきやすいはずとの直感が働いたが、その直感は当たった。直ぐに、マツヘリカメムシという外来種のカメムシであることが判明した。

さてさて、マツヘリカメムシを調べていて、この北米大陸原産の外来のカメムシが、日本で発見されてから、比較的間もないことを知った。2008年に東京で初確認のようである。それから13年、日本全土とまでは言わないまでも、各県に拡がりを見せているのが報告されている。

各種、紹介ページでは、マツを好むと書いてあったが、所謂マツ科のマツ亜科の樹木だけを好むのか、それともマツ科のトウヒ亜科やモミ亜科の樹木達も好むのかは、短時間ではちょっと分からなかった。

本日、このマツヘリカメムシなる外来のカメムシに出会った敷地内には、確かにアカマツが疎らに生えている。他には、ヒマラヤスギなんかも人工的に植えられている。

因みに、この敷地内には、10年以上通っているが、敷地内のアカマツの方は、毎年、少しづつ一瞬で枯れ木になって行くのは常に目にして来た気がする。ただ、7、8年前に一斉にかなりの本数が枯れてしまい、敷地内のアカマツが全滅してしまうのではと危惧した事があったが、ここ最近の枯れ具合の進行度は目立たない程に緩やかな気がする。

このマツが枯れる原因は、これまた北米からの外来のマツノザイセンチュウという線虫とマツノマダラカミキリというカミキリムシの組み合わせで引き起こると言われているが、この7、8年前のアカマツの大量枯死と、今回のマツヘリカメムシの伝播と関係してるような時代背景だが、このマツヘリカメムシは、カミキリムシではなく、カメムシなので、松を枯死させるほどの影響力は持たないのではとも思う。

ところで、知ってました?昔の近隣の景色って、アカマツなのかクロマツなのかは分からないですが、大部分は松林だった事を。明治14年作成のフランス式迅速測量図なるもので、関東一円の田園風景が緻密に計測され、利用状況も克明に描かれているのだが、それを見ると松林の多さに、ハッとさせられる。

ホソハリカメムシ 成虫

このカメムシは、1ヶ月前ぐらいから、我家の庭でも見かけるカメムシである。

名前は、ホソハリカメムシだと思う。

写真は近隣の自然下で見つけたものを写したものだが、このカメムシ名前の由来は、横に張り出したとんがった部位の特徴から来ていると思われる。

また、ホソ(細)とも名前に付いているが、ただのハリカメムシという種類もいる。ハリカメムシに関しては、昨年秋に、私のブログに投稿済みである(このカメムシも、今となっては、正直ホソハリカメムシなのではと思い始めている)が、最近よく目にするこのカメムシが、仮にハリカメムシだとしたら、ホソハリカメムシというのは、ゴクボソハリカメムシという表現を使った方がしっくりくるのではと思えるようなほっそりとしたイメージを、今回の投稿の主役のカメムシは持っている。

おそらく、色々なカメムシを見てきている身からすると、上の写真のカメムシは、ほっそりとしたカメムシに見えてしまうのである。

他の特徴としては、私がこのカメムシに出会った限りでは、サイズは体長で12〜15ミリぐらいの間の個体が殆どだったと思う。

ところで、あともう一つこのカメムシの習性・生態で、もしやと思い始めているのは、家の庭には居るのは確実だが、家の灯火の下であまり(全然)見ない気がする。今年に入り、ツヤアオカメムシに始まり、クサギカメムシ、チャバネアオカメムシと、家の外灯下に押し寄せている日があったが、このホソハリカメムシが来ていた記憶はない。因みに、似た色合いのホシハラビロカメムシは、外灯に来ているのか分からないが、灯りの近くで多少見かける気がする。

最後に、このホソハリカメムシの出す匂いであるが、家で捕まえた時は無臭かと思ったが、今回は、強烈な匂いを残してくれた。

一般的なカメムシ臭とは違い、ハラビロヘリカメムシと同じ、酸っぱい系である。生汗や靴下臭に通じる感じで、私は好きではない。嗅ぎ続けて、少しでも長所を見出してあげようと試みた時に、かなりお世辞で言って、プラムとかって、こんな匂いではなかったかという気がした。

それと、臭いの方は長く指から消えない。これは、揮発性が高いと私が踏んでいる一般的なカメムシ臭とは、明らかに違う成分なのかなと思う。

ハラビロヘリカメムシ

数日前に、近隣の林縁で見つけた。

私が見たことあるカメムシの中では、キマダラカメムシクサギカメムシに次ぐ、3番目の大きさにランクインさせようと思う。

写真が、ボケた写真しか無く恐縮だが、再度出会えて、鮮明な写真が撮れたら、差し替えようと思う。

体長15ミリをちょっと超えるぐらいのサイズだったと思うが、腹部が幅も厚みもでっぷりとしていて、重量感のある外観であった。

似ていると言われているホシハラビロヘリカメムシと比べると、この写真の個体をスタンダードにして良いなら、個人的には見分けは容易な気がした。腹部の横幅と全体的なサイズが全然違う気がする。

さて、このハラビロヘリカメムシも、ホシハラビロヘリカメムシと同様に、マメ科の植物に集まり、葛なんかによくいるようであるが、我が家の庭の厄介な葛に住み着いているのは、ホシハラビロカメムシの方である。

そうだ……このハラビロヘリカメムシの投稿を、ボケた写真を使ってまで、今投稿したかった理由があったのだが、それは、このカメムシの匂いを鮮明に覚えているうちに、投稿しておきたいという目論見があったからだ。

そして、匂いは、所謂、一般的なカメムシ臭ではなかったのである。

大きいだけあって、多少、鼻腔の奥につんと香りが残る感じで、肝心(?)の匂いは、駄菓子屋レベルの安っぽい梅風味といったところであった。強烈に酸っぱい匂いである。

初めて、一般的なカメムシ臭と違う匂いのカメムシに出会えたという個人的に小さな幸せを味わえた日となった。