クチブトカメムシ Picromerus lewisi (Scott, 1874)

以下の写真のカメムシは、昨日、家の庭が第一発見場所となるカメムシである。

ちょっと変な表現を使っているのには理由があって、このカメムシは、昨日の朝に近所の散策から戻ってきた際に、車のソファーにいたのである。ゆえに、何処から連れて来てしまったのかが分からないのだが、当日の家の近所の散策場所か、その前の晩のホタル鑑賞スポットのどちらかから連れて来てしまったはずである。

社内のソファーに、このカメムシを見つけた時に、クサギカメムシと思い、手で摘み社外へリリースしようとした時に、指に伝わる触感がフニャッとして平べったく感じた。そこで、?と思い、ちゃんと見た時に、クサギカメムシではない違うカメムシだと気づいた次第である。匂いも、全然酸っぱい系の匂いはしなかった。

種名は、クチブトカメムシかオオクチブトカメムシかで迷ったが、どちらも、区別点は、それほどハッキリと明快なものではなく感じたので、大きさを根拠にした。上の写真の個体を目測した時に、体長で1センチぐらいで思ったより小さいなと感じていたからである。

このカメムシは、肉食のカメムシで、蛾の幼虫等を隠している長い嘴で刺して吸汁するタイプである。近隣では、シロヘリクチブトカメムシという同じ習性のカメムシを知っている。

最後に、このカメムシの生息分布の方は、国内では、北海道から九州までと、国外では韓国、中国の長江沿いで生息報告が上がっているようである。

今まで見たカメムシの中では、一番、肩部側面の棘が鋭い気もした。

ルリクチブトカメムシ 成虫

最近、初めて、このカメムシと出会った。

とにかく、青緑の金属光沢が綺麗で、一瞬見ただけでカメムシの仲間と分かったので、なんとか写真に撮ろうとしゃがんだ瞬間、このカメムシは葉裏に隠れるのと同時に草むらへと消えてしまった。

急いで、芽生え始めの辺りの草を掻き分け見つけ出し、プリンカップに入れて撮ったのが上の写真である。

名前は、直ぐにルリクチブトカメムシと判明。大きさは、とても小さく8ミリぐらいしかない。

そして、このルリクチブトカメムシの習性を調べていて興味を持ったのは、肉食性のカメムシという事で、畑周りの蛾の幼虫等の小昆虫を捕まえ体液を吸汁して生活しているタイプという事である。

この手のカメムシとしては、ルリクチブトカメムシより全然大きいシロヘリクチブトカメムシという種も知っていて、このルリクチブトカメムシを見つけた場所からさほど遠くないエリアで多数見かけることができる。

ただ、このルリクチブトカメムシの方は、見かけたのは初めてだし、ずっと数が少ないのかもしれない。全国都道府県毎のレッドデータでは、千葉県が絶滅危惧Ⅱ類に指定している。

オオクロカメムシ 成虫 イネクロカメムシ改め

本日、午前の近所の谷津田散策の時に発見。木の板の下に居た。

大きさは、1センチぐらい。頭部の後ろの迫り上がったところに白い点が二つ見てとれるのが気になるが、イネクロカメムシに限りなく似ていると思われる。それにしても泥まみれで光沢が無い。

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2021年3月31日追記

上のカメムシがイネクロカメムシではなくオオクロカメムシと気がついたので、以下は、原文のイネクロカメムシの箇所をオオクロカメムシに書き換えて多少の文章の変更と共に訂正したものである。

木の板も泥まみれで、保護色になっていたが、3匹が越冬中であった。

このオオクロカメムシも、稲の害虫であり、こうした越冬成虫による被害も大きいと思われる。

イネクロカメムシよりもオオクロカメムシの方が、側部の出っ張りが顕著であるという事実に気が付いたので、以下に、その特徴が分かりやすく出ている写真を載せてみる。

ところで、比較的、近隣の田んぼでは、イネの害虫と言われてる色々な種類のカメムシ達を見かけるが、こうした昆虫達の生態は色々な角度から研究しといた方が良いのかなと思う。水田周りの植生を含め、生態系の絶妙なバランスがあるんだと思う。

そして、それを一方的に壊してしまうのが、人間でもある。

取り敢えず、田んぼの上を飛び回るツバメ達………水田周りに沢山いる雨蛙達等は、こうした稲の害虫を、何気なく減らしてくれてる大切な仲間なんだと思う。

そう言えば、本日、我が家の軒下を燕が偵察に来ていたな。今年も、沢山巣立っていくと良いな。