アオハナムグリ Cetonia roelofsi (Harold, 1880)2nd

数日前に近隣で見かけたハナムグリの一種である。

親指の爪の大きさとも比較しながら、体長15ミリぐらいであったであろうか。

その場で、このハナムグリに目が行った理由は、こんなに前胸背の端側や頭部に赤銅色の光沢があるハナムグリって居たであろうかという第一印象からである。

頭部が映る写真をもう一枚。

さてさて種を調べるかとなった時に、浮上して来たのは、アオハナムグリという種である。同時に、アオハナムグリを2年ぐらい前に投稿していたような記憶も持っていた。しかし、その時のアオハナムグリを見かけた場所は福島県の標高800メートル付近で出会ったのも覚えていた。

ということで、山地系(冷地系)と思っていたアオハナムグリが、標高25メートルそこいらの平地にもいたぞという些細な発見の気持ちで、アオハナムグリを再投稿してみようと思う。

このアオハナムグリの生息分布は、国内は、北は北海道(北方領土含む)から、南は九州の屋久島までが知られているようである。また、隠岐諸島や五島列島にいる個体群は、色合いが違うようで、亜種として扱われているみたいな情報を読んだ。

海外の生息分布は、樺太の南部の方から上がっているようである。

ちなみに、近隣の平地で今時分に普通に見られるコアオハナムグリの写真を比較用に以下に貼っておく。

クロハナムグリ Glycyphana fulvistemma (Motschulsky, 1858)

数日前に近隣の野原で見かけたハナムグリである。

こんな黒い艶消しのハナムグリを過去に見たことがあったであろうか、それとも記憶から出てこないだけで、過去に既にブログに投稿していたであろうか、どちらの記憶が正しいのか正直分からなかった。

確認した所、未投稿の種と分かった。故に、投稿してみようと思う。

大きさは、体長で13ミリぐらいであったであろうか。

種名は、クロハナムグリというらしい。

同時期に、近隣でコアオハナムグリには、よく出会えるが、このクロハナムグリに出会ったのは初めてである。ちなみに、昨年は、ヒメトラハナムグリという種と初遭遇できたのも記憶に残っている。

さて、このクロハナムグリだが、大体5月ぐらいから見られるハナムグリで、生殖活動及び産卵活動を終えると寿命を全うする個体が殆どで、おおよそ一年の寿命のサイクルを持つハナムグリらしいが、稀に、翌冬を越冬する個体もいるとのことである。

生息分布の方は、国内は、北海道から九州を経て、沖縄本島含む南西諸島まで。北方領土からの報告もある。海外は、朝鮮半島からロシア沿海州南部にかけて……樺太からの報告もあるようである。他にも、台湾やインドシナ半島にもいるようである。

カナブン

私が住む地区にも、勿論カナブンは生息していると思うけど、取り敢えず先程、近隣の市で仕事の休み時間に見つけたカナブンの写真を投稿しておくことにする。

さて、私が虫の写真を撮っていると、我が子に限らず子供達が、「あそこにも、こんな虫がいるよ!」って教えてくれる事がある。そんな会話の中で、このコガネムシ科の昆虫達は、何故か子供達は、全てカナブンと表現する。きっと、親や先輩達から、この手のコガネムシ科の昆虫は全てカナブンと教え込まれているんだと思う。

実際は、カナブンと言う種類は、コガネムシ科の昆虫達の一部であり、大抵の場合、カナブンと認識されている昆虫達は正式にはカナブンでは無い。

カナブンと似たようなコガネムシ達との相違点を簡単にまとめると、身体的特徴としては、カナブンの方が頭部に特徴があって、動物のバクみたいな長い鼻を持っているように感じさせる。間違えそうなコガネムシ達も、少し同じような頭部は持っているのだが、その鼻みたいな頭部を長く伸ばしている瞬間を中々目にする機会をくれない。頭部の形状の丸みの感じも、カナブンとカナブンに間違われるコガネムシ科の甲虫達とは微妙に違う。また、上翅の付け根の蝶番みたいなイメージの所(小じゅん板)の小さな三角形のパートが、カナブンは大きな二等辺三角形で、一方のコガネムシ達の方は、くっきりしない小さな角の削れた正三角形みたいな形をしている。

また食性も大きく違い、カナブンの成虫が食べるのは、クヌギ等から滲み出て来る樹液。幼虫は、フカフカの腐葉土の中で育ち、腐葉土を食べて分解する。一方、コガネムシ達は。成虫が食べるものは植物の葉等。幼虫が食べるものは、種によって好みがあるようだが、あらゆる植物の根。

確かに、昔は、夏の風物詩のカブトムシやクワガタ探しの小冒険では、昼行性のカナブンには、子供達は出くわし、色とりどりのカナブン達を捕まえたものだった。しかし、雑木林で、樹液が出る木が少なくなってる昨今、カナブン自体の数も少なくなってきているのは否めない事実なのかもしれない。そして、私たちの地域で、人家周辺で普通に見かけるのは、益々カナブンでは無く、コガネムシの類である可能性が強くなってきているのも確か。

もし、緑に輝く虫や、似た形の虫を、一緒くたにカナブンと表現する大人が居たら、時代について行く感覚と正しい知識を身につけて行ってもらおう。そんな私も、コガネムシとカナブンの違いが分かったのは、一昨年からである。

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