ニワコウラナメクジ? Milax Gagates

近隣の里山の主に田んぼと隣接する道路までの斜めのちょっとした土手にふと置かれた木材やブロックの下で見かけることが出来るナメクジである。

一瞬、日本で一般的に見られるチャコウラナメクジ系のナメクジが、このような保水力のある黒い土で育つと変色してしまうのかなと思いたくもなるが、どうも別種のようである。ただ、場所によっては目と鼻の先にチャコウラナメクジ系のナメクジがほぼ同所的に生息しているケースも稀にあり、確実な棲み分けが出来てないときもあり、別種か同種か、本当に自信が持てなくなる時がある。

そして、このナメクジを検索すると、ノナメクジとかノハラナメクジとヒットして来て、意図せぬ外来種としての紹介と共に学名が付されている事が多い。

しかし、では、海外の文献を当たろうと、その学名で検索すると海外の記事では、ちょっと雰囲気の違う写真が出てきてしまう。

そこで、海外のナメクジの画像から、近隣の里山の水辺環境(主に水田)にいる薄黒いナメクジと同じ雰囲気のものを抽出すると、学名でMilax Gagatesという種が浮上してくる。

一旦、ここで、私が近隣で見かけるMilax Gagatesと思うナメクジの写真を以下にアップしてみる。撮影場所と日時は、今年の7月4日、利根川の河川敷の運動公園の利根川本流が数十メートルのところの遊歩道上である。

大きさは、5センチぐらいだったと思う。普段、近隣の里山の田んぼの直ぐ傍とかで見かける個体達は、ひっくり返した石の下とかにいる為、丸まっていることが多く小さい印象を受けるが、移動しようと伸びれば、これぐらいの5センチぐらいには伸びるのではと推測する。

ここからは、この近隣の自然豊かな環境下で特に水と切っても切れない環境で見かけれる上のナメクジを、Milax Gagatesとして、話を進めると、本来のこのナメクジの生息地は、北アフリカ西部のチュニジアからモロッコにかけて、その対岸のスペイン、ポルトガル、大西洋に面したフランスの海岸線にかけての辺りだったとの事である。

しかし、今では輸送物資に混じって、世界中の国に生息しているようである。

ただ、海外のウキペディアで、私が着目したのは水環境の近くに生息しているという紹介である。ここは、近隣でのこのナメクジの生息環境と、大いに合致している。

また、このナメクジの別名が、Green House Slug(温室ナメクジ)というのだが、ここは、世界的に、本当にそのような環境に居るナメクジなのか再調査の必要があるのではと考える。

元々の生息分布を見ると、暖かい地域の生物の気がするので、移入場所では、暖かい温室とかでしか生き残れなかった偶然を、命名に拾われていないかなとも考えたい。

あとは、日本では水田周りの水辺等に辿り着いた経緯も知りたいところである。ダイレクトなのか、時間をかけた大移動なのか等である。

ニガナ

花期の旬を等に越してしまっているが、6月頃に趣ある風情で黄色い小花を咲かせるサラサラっとした植物の投稿をしてみる。

名前は、ニガナ。

既に、近似種のイワニガナ(ジシバリ)とオオジシバリの投稿をしているが、その過程で、このニガナなる植物の存在を知ったわけだが、ジバシリもオオジバシリもお気に入りの花と感じている身としては、前々からこのニガナという花に出会ってみたいという気持ちがあった。

そんな折、春から初夏へと季節が移り変わる頃に、直射日光を避けれるような雑木林で、時々ポツリポツリとだが、膝丈ぐらいの高さの細茎に黄色いサッパリとした小花を咲かせる植物を見かけていた。

花色と花の形から、これがニガナでしょといった予感はしたが、予感通り、その植物がニガナであった。

近隣で出会ったニガナの印象としては、あんまり生えていないというのがある。他の方の紹介の投稿では、道端、草地に普通に見られると書いてあるものも多かったが、私が見かける限り、コナラやクヌギ混じりの少し木漏れ日が入るような明るめの雑木林内でしか出会ったことがない。しかも、ポツリ、ポツリと、ひっそりとしか咲いていない。

上のニガナの写真は、結構レアなケースで、かなり群生している方だと思う。

このニガナ……私は、好みの植物である。まだ夏真っ盛りとなる前で、暑さを気にすることなく余裕を持って自然を眺めれる季節に、あの長めの細茎の頂部の方に黄色いシンプルな小花を遠慮がちに咲き散らす姿はには、風情を感じる。

ただ、欲を言えば、無秩序な他の植物との混成の中でではなく、家の庭で良いので、半日陰となるような場所の木陰に少しニガナだけを群生させて見てみたいとの願望がある。

どんな景色になるんだろうか……悪くないと思うのだが……。

オカトラノオ

6月の半ば辺りから7月の頭にかけて、この白い花帆を垂れ下げる中大型の植物を目にしていた。

と言っても、身近な自然を根気よく注意深く観察していないと、この白い大きな花穂を持つ植物には気が付かないはずである。

見過ごされてしまう理由は、近隣ではそもそも個体数が多くないのと、この植物が好む環境に生えるセイタカアワダチソウやクズといったいった大型の多年草の影に埋もれて、殆どその全形を人目に晒してくれている事がない事があると思う。

ただ、もしこの植物の群落みたいなものに遭遇したら、それなりの感慨をもたらしてくれて、毎年見てみたいとの気持ちを人に起こさせるのにと想像する。

名前は、オカトラノオ。

桜の園芸種にも、虎の尾(トラノオ)と名付けられたものは幾つかあるが、昔の人が虎を名前に使っている辺りで、昔は、もっと敬意を持って、愛でられていた植物なのかなと思いたくなる。

荒れ果てたクズやセイタカアワダチソウの草原から、救い出してあげたい日本の里山の景色や雰囲気にマッチしそうな植物の一つである。