オオアトボシアオゴミムシ chlaenius micans

本日、庭の草むしりをしている時に遭遇。庭や近所でよく出会う上翅の後端に二つの対になる斑紋のあるゴミムシかとスルーしそうになったが、一応、写真に撮っておいた。

大きさは、16ミリぐらいだったのではと思う。

写真を見ての感想は、「あれ、想像していたより、光沢感が出なかったな。」というものだった。ちょっとスマホのカメラのレンズが曇ったかと不安になったが、このゴミムシの特徴を調べる中で、光沢感が出ない理由は、このゴミムシの産毛の生え具合にも原因があるのではと思うようになった。また、現場でも、いまいち光沢感がないなと感じ、きっと土の中に潜っていて汚れてたのかなとの印象を持ったのを思い出したが、実際は、産毛のせいで、光沢感が薄れていたと思いたい。

このゴミムシを、現場で手に摘んで、少し観察した際に、上翅後端の二つの斑紋に付随するように、黄色い産毛のラインが繋がっているなという特徴は掴んでいた。この特徴こそが、このオオアトボシアオゴミムシの特徴なのである。紛らわしい種に、アトワアオゴミムシという種がいるが、種名にアトワ(後輪)と付いているぐらいで、この黄色い産毛のラインが、産毛ではなく途切れのない紋様で形成され不完全な輪っか状に見える種なのである。色のついた産毛が紋様へと固定化されていく進化を、素人考え的に予想したいが、とにかく、この2種は、進化の過程で、かなり近い関係に思えてしまう。

さて、今回の投稿の主役であるオオアトボシアオゴミムシの生息域は、国内では、北海道から南西諸島。一方、アトボシアオゴミムシの生息域は、北海道から屋久島辺りまでである。学名によって、海外での生息域を調べようとしたのだが、ネット上では、簡単には、出てこなかった。

ところで、このオオアトボシアオゴミムシの登場で、我家の庭では、上翅後端に対になる斑紋があるゴミムシは3種目になった。ちなみに、その2種は、私の種の同定が正しいかは疑わしいが、アトワアオゴミムシキボシアオゴミムシである。

アカガネアオゴミムシ

最近、近隣で、このゴミムシを見かけた。この辺りで見かけるゴミムシの中では、随分と赤味のかかり方が強いなと感じたので、なんとか捕まえて写真撮影を試みた。

大きさは、体長13ミリぐらいなのではないだろうか。同所的に見かける一番近いアオゴミムシの仲間は、サイズ的にヒメキベリアオゴミムシだと思うが、ヒメキベリアオゴミムシは、緑光沢の強いアオゴミムシである。おまけに上翅外縁に縁取りもあると言えばある。

他には、同所的には、コキベリアオゴミムシなんかも見た事があるが、こちらは、明らかに上翅外縁に太めの縁取りが見て取れる。

この場所で、アオゴミムシは見た事がないが、今回のアオゴミムシの仲間は、顕著に赤っぽい光沢が強い気がする。

この時点で、上の写真のアオゴミムシの仲間は暗礁に乗り上げていた。ネット上の図鑑的ページを当たる限り、なかなか同じ雰囲気のアオゴミムシに辿り着けないでいた。

という事で、一か八か、自分の感性で感じた通りに、「アカガネ色のゴミムシ」というワードで検索をかけてみると、ズバリ、上の写真の個体と同じ雰囲気のアオゴミムシの写真が多数ヒットして来た。

そして、種名は、見た目通りに、アカガネアオゴミムシという事が分かった。湿地性というよりは、草原性というような紹介がされていたが、この情報は、個人的には興味を持った。今回のアカガネアオゴミムシが居た場所は、小川沿いの田んぼに隣接する水のない側溝の中であったからである。今でこそ、田んぼのイメージであるが、遠い過去はどんな風景をしていたんだろうと思いを巡らせ始めた自分が居た。

さて、このアカガネアオゴミムシ……それほどレアなアオゴミムシではないようだが、都道府県が独自に定めるレッドデータでは、群馬県が絶滅危惧Ⅱ類に、東京都が絶滅危惧Ⅰ類に、神奈川県が準絶滅危惧種に指定している。

アトワアオゴミムシ

このゴミムシは、我家の庭には沢山生息していると思われる。落ち葉を退ければ出て来るみたいな感じである。

写真は拡大してあるが、大きさは、体長15ミリ弱といったところである。写真だと伝わり難いと思うが、私はこの甲虫に対して小さいなという印象を持った。

名前を調べたところ、アトワアオゴミムシが浮上して来た。ただ、アオゴミムシと名前に付いているが、頭部も胸部も赤銅色であって、青っぽかったり緑色っぽかったりしているようには、私の目には見えない。

そして、過去に我家の庭で見かけ、キボシアオゴミムシとして投稿している種が本種であったのではと思い、過去の投稿を確認してみたのだが、どうもキボシ(黄星)の黄斑は独立したものであり、本種のように後端で繋がる事は無いようである。また、キボシアオゴミムシの胸部や頭部には、赤銅色に混じり緑っぽい光沢も見えたのを覚えている。

どうも、我家の庭には、アトワアオゴミムシとキボシアオゴミムシの2種が生息しているようである。