アカガネアオゴミムシ

最近、近隣で、このゴミムシを見かけた。この辺りで見かけるゴミムシの中では、随分と赤味のかかり方が強いなと感じたので、なんとか捕まえて写真撮影を試みた。

大きさは、体長13ミリぐらいなのではないだろうか。同所的に見かける一番近いアオゴミムシの仲間は、サイズ的にヒメキベリアオゴミムシだと思うが、ヒメキベリアオゴミムシは、緑光沢の強いアオゴミムシである。おまけに上翅外縁に縁取りもあると言えばある。

他には、同所的には、コキベリアオゴミムシなんかも見た事があるが、こちらは、明らかに上翅外縁に太めの縁取りが見て取れる。

この場所で、アオゴミムシは見た事がないが、今回のアオゴミムシの仲間は、顕著に赤っぽい光沢が強い気がする。

この時点で、上の写真のアオゴミムシの仲間は暗礁に乗り上げていた。ネット上の図鑑的ページを当たる限り、なかなか同じ雰囲気のアオゴミムシに辿り着けないでいた。

という事で、一か八か、自分の感性で感じた通りに、「アカガネ色のゴミムシ」というワードで検索をかけてみると、ズバリ、上の写真の個体と同じ雰囲気のアオゴミムシの写真が多数ヒットして来た。

そして、種名は、見た目通りに、アカガネアオゴミムシという事が分かった。湿地性というよりは、草原性というような紹介がされていたが、この情報は、個人的には興味を持った。今回のアカガネアオゴミムシが居た場所は、小川沿いの田んぼに隣接する水のない側溝の中であったからである。今でこそ、田んぼのイメージであるが、遠い過去はどんな風景をしていたんだろうと思いを巡らせ始めた自分が居た。

さて、このアカガネアオゴミムシ……それほどレアなアオゴミムシではないようだが、都道府県が独自に定めるレッドデータでは、群馬県が絶滅危惧Ⅱ類に、東京都が絶滅危惧Ⅰ類に、神奈川県が準絶滅危惧種に指定している。

トウキョウヒメハンミョウ

先ほど、我家の外灯下に来ていた甲虫である。

大きさは、体長9ミリぐらいだったと思う。確か、この面構えは、ハンミョウの仲間のはずだと思い、ハンミョウ科を当たると、トウキョウヒメハンミョウという種が浮上してきた。日本にいるハンミョウの仲間では、最小種との事である。

さて、このトウキョウヒメハンミョウ……トウキョウと種名に付いているが、元々は、台湾や中国大陸南部に生息していたものが、昭和初期に日本に持ち込まれ定着して現在に至る外来甲虫のようである。

ゆえに、拡がりも局地的であり、関東と北九州や山口県で主に見られるようである。また、北九州と山口県に生息しているという事実は、その中心にあるかつての主要貿易港である門司港に着岸した船から拡がっていった事を推理できる。また、関東の拡がりは、別ルートで、横浜や東京の港から拡がって行ったんだと思われる。

私的には、ハンミョウの仲間の写真を初めて撮る事が出来た。近隣の自然下で、ハンミョウの仲間には、それほど出会えない気がする。今年の春に、近所の小川沿いの土手道で、今回のハンミョウよりずっと大きい種を見つけて写真撮影を試みたが、逃げられてしまった。本当は、指で捕まえて写真に撮りたかったのだが、確かハンミョウの仲間には、カンタリジンみたいな毒成分を出す種がいるのを思い出して慎重に行動したのを覚えている。

マイマイカブリ 幼虫

数日前に近隣で、この幼虫がコハクオナジマイマイもしくはオナジマイマイといった小さなカタツムリの殻に頭を突っ込み捕食している現場に出くわした。

大きさは、35ミリぐらい。何の幼虫であろうと観察しようと近付いたところ、この幼虫の特徴として、薄らと青みがかった金属光沢が見て取れた。

ここで、自分の中では、アイツだと繋がった。カタツムリを捕食していて、青い金属光沢があるのは、近隣ではマイマイカブリである。

ところで、家の近所で、炎天下のアスファルトの上で、ウスカワマイマイというカタツムリの殻口に頭を突っ込んでいる似たような幼虫を見たことがある。その幼虫は、我家の庭でも、ごくたまに出くわすが、そちらは艶ありの漆黒で青い光沢感はない。こちらは、クロナガオサムシの幼虫だと思うのだが、正しいであろうか?

クロナガオサムシも、マイマイカブリ程ではないが、少し細っそりと長めの首を持っており、カタツムリの殻の中に顔を突っ込むのには適している形状の気がするが、そのせいか、クロナガオサムシの事をマイマイカブリと思い込んでいる人達も多いのではと思う。そんな、私も、我家の敷地で初めてクロナガオサムシを見たときに、マイマイカブリではないと見抜けたが、似ているな〜とは感じていた。

同じオサムシ亜科の中で考えた時に、クロナガオサムシは、マイマイカブリへの進化の途中なのか、マイマイカブリの独立性を感じるとマイマカブリは突然変異が固定されたのか、人類の歴史なんか及ぼない遠い過去の世界で、何が起きていったのか興味が湧くところである。

ちなみに、マイマカブリは飛べない(中心に線はあるものの翅もくっ付いている)と言われている。クロナガオサムシも飛べないのではと思う。

ここで、仮説を立てたいのは、所謂樹上性のカタツムリは、この天敵のマイマイカブリ等を避けるために、木の上で暮らすようになったのではというところだが、如何なのであろう?