このカメムシは、近隣で時々見かけるカメムシである。
この個体で、大きさは体長12ミリぐらいだったのではないだろうか。
種名は、イネカメムシ。5年前の9月17日にも投稿している種である。
稲を嗜好するカメムシらしく,稲を吸汁することによって、斑点米の原因になるカメムシの一つとして知られているが、太平洋戦争後に全国に拡がり,その被害を軽視しなかった農業関係者達の努力によって、ほぼ絶滅みたいな状況になっていたカメムシである。
しかし,近年、再び,田んぼに増え始めているカメムシとのことである。イネを吸汁するカメムシ達の中では、稲への嗜好性が高いカメムシと言われている記事というか情報を見かけたが、一時ほぼ絶滅状態みたいになっていた状況を考えると,田んぼ周りの他のイネ科雑草ではなく、稲に集まる習性が仇となりピンポイントの農薬散布等で死滅していった可能性も考えてみたくなってしまう。田んぼの周りのイネ科雑草に分散していれば、そんなに絶滅みたいにはならないのではということである。
そして、最近,何故増え始めたかというと,強力な農薬を使わなくなった田んぼも現れ始めたのではないかなーとも勝手に想像してみたい。
さて、生息分布の方は、国内は本州以南……南西諸島まで。昔は、北限は、どこまでいたのか情報がなかったが、現在は,まだ東北地方とかには、少ないのではと推測したい。根拠は、昨年2023年に、福島県が、「いわき市でとうとうイネカメムシ発見」みたいな記事を紹介しているので……。一方,海外の生息分布は,Niphe elongataとLagynotomus elongatusの両学名で調べるたところ、両方とも海外での生息情報が、簡単には分からなかった。ただ、海外にはいないはずがないと思うので、学名違い等も視野に、時間がある時に、もうちょっと深く調べてみようとも思う。
ところで、イネカメムシに結構似ているシロヘリカメムシAenaria lewisi (Scott, 1874)という種が属は違うが、カメムシ科カメムシ亜科には存在して、シロヘリカメムシの食草は、イネ科のササ類とのことである。ただ、このカメムシも、海外での生息分布の情報を容易く見つける事が出来なかった。両種とも,ちょっと起源が、どこにあるのか好奇心を唆るカメムシ達かもしれない。