ハサミツノカメムシ Acanthosoma labiduroides (Jakovlev)福島県 標高1100メートル

先週末に、家族が山登りにお友達と行くというので、私は、一行を登山口で下ろし、下山口で拾うという完全な運転手の役を買って出た。

買って出た理由の一つは、登山口も下山口も標高は1000メートルぐらいあり、待ってる間の5時間(結局は7時間)は、自由に自然観察やイワナ釣りが楽しめるからである。登山一行もスタート地点に戻ってこないコースが取れる事を喜んでくれる。お互いの利害が一致した。

想像以上に豊かな生態系であったが、先ずはこんなのもいた。

このカメムシは、大きかった。近隣の平地で見かけるキマダラカメムシの大きさのカメムシが、山にも居るとの第一印象だったが、実際は、体長20ミリ弱ぐらいだったのではと思う。あと、上の写真だと解りづらいが、とにかく背むし的な肩の傾斜であった。

このカメムシは、ミズキやヤマウルシや、サンショウやヤナギの類に集まるとの事であるが、このカメムシを見た現場付近は、ヤマウルシの実生が至る所にあった。種名は分からないが、ヤナギもポツポツあり、ミズキは、私が見分けられないので、分からなかった。

上の写真の個体はメスのようで、オスには尾部にハサミのように例えられる二つの突起が存在するようである。

そんなオスに出会って見たかったものだが、その機会は、また今度で全然構わない。

忘れかけたが、最後に、このカメムシの匂いだが、摘むと一瞬普通のカメムシ臭を感じるのだが、直ぐに爽快な爽やかな匂いに変わる。本当に、気持ちがフレッシュになる心地よい香りである。そして、それが数分は指に残るのである。

ハナダカカメムシ Dybowskyia reticulata (Dallas, 1851)

最近、近隣で、この小さなカメムシの写真を撮っていた。

大きさは、体長で5ミリなかったと思う。

近隣では、とても小さくて白い小点が対にあるカメムシは、白点の大きさが全然違うが、マルシラホシカメムシムラサキシラホシカメムシトゲシラホシカメムシなんかがいるが、大きさは近いけど、こちらのカメムシは、ゴツゴツしている印象である。

調べてみると、ハナダカカメムシと判明。

セリ科の植物(ヤブジラミの実が成虫も幼虫も好物との事である)に寄生するカメムシのようである。

このカメムシの小ささのイメージが湧きそうな写真を選んだが、確かにこのカメムシが吸汁しているのは、セリ科のヤブジラミの実ではある。

ツノアオカメムシ 福島県 標高1200メートル

この蛾は、近隣近所で見たカメムシではないが、敢えて、近隣近所( 標高5〜標高25メートル)の身近なカメムシ達の比較も込めて投稿してみようと思う。

大きさは、体長18ミリぐらいだったと思う。見つけたのは死骸であったが、こんな標高の高い原生林にもカメムシは居るんだというのが、第一の感想であった。

写真は撮って帰宅したので、早速、種を調べたところ、ツノアオカメムシという種と分かった。山地性のカメムシという情報や、かなり高い山でしか見られないとの情報と、私が見つけた場所の条件とが合致していて、安心した。

このカメムシの食草は、高山に生える樹木は大概行けそうと学んだが、カバノキ科のシラカンバやダケカンバと限定している紹介もあった。

さて、この山地性のツノアオカメムシも、私の持論だと、氷河期で陸地が多く、北海道から九州まで陸続きであった時代には各地に生息しており、その後気温が上昇するに連れて、気温の低いままの山地に取り残されたのかなと想像したい。

ただ、陸続きという点では、現在のアジア大陸とも陸続きの時代があった筈なので、このカメムシの学名にjaponica が付いて、日本にしか居ない日本固有種みたいな存在になった経緯が腑に落ちないので、その辺の経緯も素人推理してみたくも思うようになった。(笑)