ヒカリギセル  Zaptychopsis buschi (Pfeiffer, 1846)

近隣にいるキセルガイの一種である。

このキセルガイは生体ではないが、生体を捕まえて飼育していたものが、死んだものである。

自然下で見かける限り、大きさは、この2センチ前後の殻高がマックスサイズになると思う。

確か1年前ぐらいに死んでしまったと思うのだが、生体の時は、もう少し殻は赤みがかっていた。(多分、写真があると思うので、ただ今、過去の写真を確認中)

さて、種名はと言うと、殻口の突起の形や大きさから、ヒカリギセルという種だと推測する。

ちなみに、このキセルガイがいる場所の近くでは、もっと大きいナミギセルという種も見つけたが、このヒカリギセルの方が、断然出会える確率が高い気がする。

さて、少し前から知っていて、本当?と思っていたことに、福島県の郡山地方では、このヒカリギセルかナミコギセルを乾燥させたものを粉砕して粉にしたものを飲むという民間療法があるということである。そして、最近知ったことに、本当に肝臓の障害に効果があると言われていて、当地では、薬の材料にするために養殖も行われているとのことである。

また養殖には、生石灰を混ぜる事が効果(効率)があると研究されているのだが、私が、このヒカリギセルを大量に見つけれる森は、小さなセメント(生コン)工場の隣りなのである。近くの少し離れた森とかでも倒木下に見つけられなくはないが、セメント工場の隣りの森は圧倒的に多産している気がする。

さて、このヒカリギセルの生息分布は、東北から静岡県や長野県辺りまでと言われている。こうして国内の限られた地域で独自進化してるわけなので、海外にはいない筈と思いたいが、どうなのであろう。

ナミギセル Phaedusa japonica

最近、近隣の短いトンネルを歩いていた時に見つけてた。拾い上げて写真に撮ったものが以下である。

大きさは、殻高2センチは行かないが、近隣で見かけるキセルガイの仲間としては、大きい方だと感じた。

おまけに、生体でないので、殻口から内部右側に見える歯のような突起(黒いのはゴミである)の形状がよく見える。文一総合出版のカタツムリ・ハンドブックで照合すると、ナミギセルという種に一致する。

ちなみに、キセルガイの仲間は、地域地域に少しづつ個体変異しており、似てるようで、かなり細かく分類され独自種として扱われている世界である。

ただ、ナミギセルという種は、本州でも四国でも九州でも見られる種で、ここが腑に落ちないところなのである。全部のキセルガイが同時に地域毎に進化し始めたなら、このナミギセルも、もっと地域毎に、他のキセルガイ同様に進化の結果を見せてくれている気がするのである。こうなってくると、ナミギセルは、比較的新しく日本各地へと散らばって行った種と仮説を立てたくなるのだが、どうなのであろう?

ところで、近隣では、キセルガイは、簡単には出会えないカタツムリかもしれない。たまたま、私が、ここに行けばキセルガイ達に濃く出会えるという場所を年々開拓しているから見つけれるのであって、意識なく普通に歩いていたら、中々気が付けないで素通りしてしまうはずである。

最後に、今回の場所から徒歩圏内に、キセルガイの林みたいな狭い一角がある。そこのキセルガイ達は、もっと赤くって、小さい気がする。自宅に、いっぱい殻を持っていた気がするので、先ほどのカタツムリ・ハンドブックを頼りに、何者か調べてみようと思う。