ホシボシゴミムシ?  Aniasodactylus punctatipennis (Morawitz, 1862)

最近、近隣で見かけたゴミムシの仲間である。

大きさは、体長13ミリぐらいだった。

一目見た時に、明らかにマルガタゴミムシやゴモクムシとは違い、ナガゴミムシ亜科のゴミムシの雰囲気がした。ただ、実際のところは、ナガゴミムシ亜科に属するゴミムシではなく、ゴモクムシ亜科に属する事を知ったが、その辺りが、このゴミムシの食性の特徴を表しているのかもしれない。

ちなみに、このゴミムシは、私がゴミムシに抱いていた印象を大きく覆してくれる事になった。

私のゴミムシの仲間への印象と言うと、昼間は、石や倒木の下に隠れていて、夜にメインに活動しているイメージがあった。だが、このゴミムシ達は、昼間から、堂々とミドリハコベの花を突いていた(食べていた)のである。

そして、もう一つイメージを覆されたのは、近付いて写真に撮ろうとした時に、飛翔して逃げたのである。しかも、かなりシッカリとした飛翔能力なのである。追いかけると、余裕で10メートルぐらいの高さへと急上昇するのである。ゴミムシの仲間って、地表徘徊性のイメージがあり、こんなに見事に飛びまくれるのかと、驚くことになったのである。勿論、このゴミムシは、危険を感じると、地面にポトっと落下し、土の中に紛れ込むという逃避方法も知っていた。

こうして、明らかに、ハコベの花に集まっていたことから、“ハコベ“と“ゴミムシ“のワードで検索すると、ホシボシゴミムシという種で、植物性の餌を好むゴミムシであるとの情報がヒットしてきたのである。

そして、ここで繋がってきたのは、我家の庭にいるマルガタゴミムシの一種との共通性である。我家の庭のマルガタゴミムシ達が、オランダミミナグサやハコベの地際に沢山生息しているのを、今まで、単に隠れ家として適しているからだと思っていたが、それだけでなく、彼らの餌の供給場所でもあったのかという事と結びついたのである。

ちなみに、今回のホシボシゴミムシと思いたいゴミムシがいた同じエリアには、二回りぐらい小さいマルガタゴミムシの一種ももいる。そして、興味深いのは、この種も、逃げる時に飛ぼうと翅を広げるのである。残念ながら、翅を広げるものの、そんなに上手くは飛べなくて、地表を這って逃げた方が効果的なのではと感じてはしまうが………。

さて、この同所にいるマルガタゴミムシの一種の翅は退化中なのか進化中なのか、私にはどっちなのか分からないが、興味深い。

最後に、このホシボシゴミムシの生息分布は、国内は、北海道から沖縄本島ぐらいまでいるようである。利尻島や礼文島、他には佐渡島といった島嶼にも生息している模様。海外の生息分布は、朝鮮半島とロシア沿海州南部。

ケウスゴモクムシ Harpalus griseus (Panzer, 1797)

昨晩、我家の外灯下に来ていた甲虫の一つである。

大きさは、体長12ミリぐらいだったのかなぁ。

直ぐにゴモクムシの一種である事は分かったが、写真に撮ってみて初めて、毛が結構生えていることが分かった。

調べていくと、ケウスゴモクムシという種が浮上してきたが、このケウスゴモクムシの特徴として、頭楯の端に一本づつ長毛が生えているとの特徴があった。写真を見ると、確かになんか生えている気がする。この場所の毛が、近似種のヒメケウスゴモクムシの場合は、数本らしい。

ということで、上の写真の個体を、私はケウスゴモクムシと同定したのだが、果たして合っているのであろうか。

ところで、このゴモクムシの学名の登録年が古いが、このケースは、当時ヨーロッパで普通種として認識されている昆虫の場合が多いが、案の定、このケウスゴモクムシは、ほぼヨーロッパ全土で確認されているゴモクムシである。ポルトガル沖のカナリア諸島でも生息確認。他にも中央アジアの国々でも確認。そして、極東アジアでは、日本と韓国で確認されている。生息確認が上がっていない地域には生息していないという事でもないのは当たり前のことだが、大概の先進国は自国の生息生物の把握はある程度しているはずである。

そんな状況下で、このケウスゴモクムシの世界分布は、私にとっては興味深いものに感じられた。

ちなみに、国内の生息分布は、ほぼ日本全土に生息しているようである。

イツホシマメゴモクムシ Stenolophus (Egadroma) quinquepustulatus (Wiedemann, 1823)

昨晩、我家の外灯下に来ていた小さな甲虫のの一つである。

大きさは、体長6ミリぐらいだったと思う。

上翅に星(斑)があるゴミムシの仲間は多いが、写真を見ていて気が付いたことがあった。頭部が横に幅広めということである。こうなって来ると、ゴミムシの仲間でも、ゴモクムシ亜科の甲虫であろうとの予測が付いた。

そして、ゴモクムシ亜科を当たると、イツホシマメゴモクムシという種だと分かった。

イツホシは、漢字で書くと五つ星であろうことが推測でき、左右の上翅の会合部にまたがる斑らが、五つ目の星に数えられているようである。上の写真でも翅の後端の方の左右の星は小さめであるが、これが消えて三つ星の個体もいるようである。

上翅に星(小点?)紋様があるゴモクムシは、各種ゴミムシ亜科の甲虫達と違って珍しい気がするので、そういう意味でも、愛おしいゴミムシの一種に見えて来る。

そこで気になり始めたのは、この紋様は進化の過程上、どこから引き継がれて来たんだろうということである。ゴモクムシ亜科と各種ゴミムシ亜科の関係性が学びたくなって来た。

さて、このイツホシマメゴモクムシの生息分布は、国内は、北海道から沖縄含む南西諸島にまでいるようである。そして、海外が面白くて、GBIF のオープンマップを眺めると、日本領の小笠原を経て、その南方のグアム島辺りで報告が上がっているのである。あとは、オーストラリアの西部奥地である。まぁ、当たり前だが、何かしらの理由と結びつくんだとは思う。