タイワンウスキノメイガ?  Botyodes diniasalis (Walker, 1859)

先週の半ばに近隣で見かけて写真に撮っていた蛾である。

大きさは、前翅長20ミリぐらいで、ノメイガの仲間としては、サイズの大きいノメイガが集まる属に属している。

種名は、タイワンウスキノメイガとオオキノメイガで迷ったが、中心に白い部分がある褐色で縁取られた小紋が、ハッキリあるのは、タイワンウスキノメイガという紹介が多かったので、タイワンウスキノメイガにクエスチョンマークをつける形のタイトルで投稿した次第である。

ちなみに、タイワンウスキノメイガも、オオキノメイガも、幼虫の食草は、ヤナギ科のヤマナラシ属のポプラやヤマナラシ等との事である。近隣では、そんなに多く植えられている樹木でもない気がする。

また、どちらも、夏の終わりから秋にかけて、見かける蛾の気がする。3年前に、近隣で見かけたオオキノメイガと思われる蛾の投稿も、同じような季節にしているのを覚えている。

ちなみに、上の個体をタイワンウスキノメイガとして生息分布を眺めると、国内は、北海道から九州を経て、屋久島辺りまでいるようである。海外の生息分布は、朝鮮半島からロシア沿海州南部、台湾、中国南東部、インドシナ半島、ガンジス川流域(言い換えるなら、ヒマラヤ山脈に沿って)。あと、珍しいところでは、アフリカ西岸大西洋沖のポルトガル領マデイラ諸島やスペイン領カナリア諸島からの生息報告も上がっている。

一方、オオキノメイガの生息分布は、国内は、本州以南……九州を経て、沖縄本島辺りまでのようである。海外の生息分布は、朝鮮半島と台湾からの報告が多く、中国の広範囲からの生息報告も上がっているようである。

ちなみにタイワンウスキノメイガの方は、先日、群馬県の万座温泉(標高1800メートル)でも見かけたが、この高地での幼虫の食草が気になった。敢えて、ポプラやヤマナラシを植える必要のなさそうな場所である。そんな折、ヤナギ科のネコヤナギなんかも食草にしているとの記事をたまたま目にして繋がった。その標高1800メートル付近の湿原や透明度の高い沼の周辺には、種名は特定出来ないがヤナギの中低木が普通に生えていた。また、この投稿の写真の個体がいた場所(近隣の平地)の近くも、ポプラやヤマナラシよりは、断然、小川沿いにヤナギの類が沢山生えている場所である。

おそらく、タイワンウスキノメイガもオオキノメイガの幼虫も、身近な低木のヤナギ類を食べていると思われる。

ホソバソトグロキノメイガ 成虫 Analthes sp. of Sasaki & Yamanaka, 2013

最近、近隣で見かけて写真に撮っていた蛾の一つである。

大きさは、前翅長12ミリぐらいだった。

一目見た時に、気になったのは、触角をピンと前に突き出しているところだった。というのも、ツトガ科のノメイガ亜科の蛾の気はしたが、ツトガ科の蛾達は、触角を背負ってる姿が一般的だからであった。

調べたところ、タイワンキノメイガやハラナガキマダラノメイガといった類似種もあったが、ホソバソトグロキノメイガという種であろうとの結論に至った。

そして、言及がされていることはなかったが、ホソバトグロキノメイガの紹介のサイトを見ると、私の写真のように、触角を前にピンと突き出している個体の写真が多かった気がする。

このホソバソトグロキノメイガの幼虫の食草は、突き止められていないようである。

生息分布の方は、国内は、本州での生息が確認されているようである。海外の情報には辿り着けなかった。

ちなみに、本種は学名に小種名が記載されていないが、今の所、学名未記載種ということなのであろうか。

シナチクノメイガ 成虫 Eumorphobotys eumorphalis (Caradja, 1925)

数日前に、我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

大きさが、分かりそうな写真を、もう一枚。

上の二つの写真に写っている個体は、それぞれ別の個体であり、上の写真の個体の方が大きかったのを覚えている。

大きさは、上の写真の個体が、前翅長14ミリぐらいで、下の写真の個体が、12ミリぐらいだったと覚えている。

このシルエットで似た雰囲気の蛾と言えば、キムジノメイガであるが、1番の大きな違いは、上翅後端の色が変わる縁毛であろうか。当然、キムジノメイガの雌雄の差とかも視野に調べてみたのだが、最近、見られるようになった外来のシナチクノメイガという種の写真と一致するのである。

もちろん、キムジノメイガの雌雄の差とかの路線は頭の片隅に、シナチクノメイガEumorphobotys eumorphalis (Caradja, 1925)なる蛾が本当に存在するのかを調べたところ、台湾とかからの生息報告があり、その写真は、上の写真に写る蛾そのものなのである。

こうして考えると、上の写真の蛾を、シナチクノメイガとして紹介しても良いかなとも思った。

では、シナチクノメイガという種名が正式な和名なのかはさておき、この蛾に関して、ネット上で見つけた情報をまとめてみると、初確認は2020年(2017年には既に確認されているとの情報もあり)に愛知県においてであり、2022年には、関東でも確認され始めたようである。

これを聞くと、広まりが速過ぎる気がするが、原因は、この蛾が竹をホストにしている習性が関与していると思われる。中国南部からの竹箒等の輸入製品と共に入って来た可能性があるらしい。他にも、ルートは一緒か分からないが、竹に由来する外来昆虫が、近年日本に侵入しているとの情報も読んだ。

最後に、記憶の域を出ないが、昨年には、我家の外灯下で、このシナチクノメイガを見たような記憶は残っている。