ギンヤンマ Anax parthenope (julius Brauer, 1865)

最近、近隣で歩道上に、このトンボの亡骸を見つけ、写真に撮っていた。

大きさは、体長7センチぐらい。

凄く大きいというわけではないが、全体的に緑色の胸部が印象に残るトンボであった。

さて、何トンボなのであろうか?

以下に、トンボの顔が分かる写真を載せる。

トンボは、顔が種ごとに少しづつ違うようで、この顔の特徴から、ギンヤンマを確信した。

上の写真の個体は、雌であり、雄の方は、胸部と尾部の境がハッキリと水色になるようである。

ヤンマの仲間としては、普通種とのことである。

生息分布の方は、国内は、北海道から沖縄本島含む南西諸島まで。海外の方は、ロシア沿海州から朝鮮半島。台湾。中国の東岸全般。中国やロシアは、内陸部からの生息報告もあるようである。

ホソミイトトンボ? Aciagrion migratum (Selys, 1876)

最近、近隣で見かけたイトトンボである。

大きさは、所謂、標準サイズのイトトンボであり、体長3センチちょっとといったところであろうか。このトンボを見かけた付近では、少し前まで、オオアオイトトンボを見かけていたが、彼らよりは明らかに小さいサイズである。

このトンボをホソミイトトンボとした理由は、眼後紋の特徴からに依るところが大きい。ホソミイトトンボの特徴として、複眼の間にも紋が繋がって入る特徴があるのである。上の写真は、鮮明とは言えないが、その特徴を表している気がする。

あとは、腹部が細いところが、種名の由来らしいが、イトトンボ達は基本的に腹部が細い気がするので、上の写真の個体の腹部が、他のイトトンボ達と目立って細いとは断定できかねないでいる自分が居る。

さて、このホソミイトトンボは、二つのライフサイクルの型があり、夏に羽化して秋に生命を終える型(夏型)と、夏に羽化して未成熟で冬を越し、翌年の初夏に生命を終える型(越冬型)である。そして、この一種で2型のライフサイクルがあるトンボは、このホソミイトトンボだけとも読んだ気がする。(裏どりはしていないが……)

この6月後半に出会った上の写真の個体が、どちらというと、やはり羽化したばかりの夏型なのかなと思いたい。越冬型が生き残っている可能性もあるが、やはり初夏前には交尾を終えて、一生を終えているようなイメージを持ってはいる。

このトンボの生息分布は、国内では西の地域。(石川県が北限、栃木県が東限との記事もあった。)国外では、韓国南部や台湾、インド西部で目撃されているようである。

また、各都道府県が独自に定めるレッドリストでは、絶滅危惧I類に指定しているのが千葉県と石川県、絶滅危惧II類に指定しているのが長野県、準絶滅危惧種に指定しているのが、福井県、大阪府、徳島県、島根県である。

アオサナエ Nihonogomphus viridis Oguma, 1926. 茨城県 標高60メートル

今週末は、急にちょっと暑くなり過ぎである。6月の後半の気温ではない気がする。

ちょっと涼を求めて、川遊び(ガサガサ)でもしに行ってみた。珍しく、娘も付いて来ると言う。高速道路を使って、40分ぐらいの場所に、初めて行ってみた。

とにかく、障害物や抽水植物が殆どない川であったが、何かはいるであろうと、少ないポイントに網を入れていく。

魚影は濃くないが、魚は泳いでいるのが見える。しかし、流れはそこそこにあり、その魚の種を特定する事は出来ない。

そんな中、魚ではないが、写真を撮ってくればりに、川の定位置から逃げない(必ず戻ってくる)トンボがいた。なんとか網で掬って、石の上に乗せた一瞬を、写真に撮ってみた。

調べたところ、アオサナエの雌だと判明。この雌の緑色ベースの色合いでさへ、十分に惹かれたが、雄は、もっと緑が際立つようである。いつか見てみたいものである。

ところで、このアオサナエ……各都道府県が独自に指定するレッドデータでは、絶滅危惧Ⅰ類に指定している都道府県が四つ、絶滅危惧Ⅱ類に指定している都道府県が、七つ、準絶滅危惧種にしているのが、10都道府県に及んでいる。結構、貴重なトンボである事が分かった。

生息分布は、国内では、本州から九州まで。所謂、清流のトンボのようである。日本固有種とも言われているが、海外にもいるんだと思う。