オオハガタナミシャク 成虫

昨晩、我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

家の外灯下で出会う蛾も、もはや既知種ばかりになってきたが、この蛾は初めて出会う種の気がして、少し胸が高鳴った。

大きさは、前翅長16ミリぐらいあり、その日に外灯下に来ていた蛾達の中では小さい方ではなかった。

種名は、直ぐにオオハガタナミシャクと分かった。

幼虫の食草は、ブドウ科のノブドウ、エビヅル、サンカクヅル、ヤブガラシ等である。近隣、近所にノブドウやヤブガラシは沢山生えている。 それにしては、初めて見た蛾であった。

分布は、国内は、南西諸島や伊豆諸島含めて、ほぼ全域にいるらしい。海外にも、ロシア、朝鮮半島、中国の一部にいるらしい。この分布域から考えたいのは、私は、蛾の進化の初期段階から存在していた蛾と思いたい。

また、上の写真でも若干片鱗を見て取れるが、尾の先を持ち上げて止まる習性があるらしい。蛾の中には科を超えて、同じ習性を持つ蛾が沢山居るが、この共通性が意味するものは何なのかが気になる今日この頃である。

シロオビクロナミシャク 成虫 福島県 標高800メートル

最近、気が付いた事だが、昆虫の分布状況を把握する際に、地図を上から眺めながら横方向の繋がりを模索するよりも、どの標高をメインに棲息しているかを掴んだ方が、昆虫の食草や種の進化の過程に繋がる情報を絞りやすいという事が分かって来た。

という事で、私が暮らす標高5〜25メートルぐらいのエリアの生物相の特徴を掴むためには、標高800メートルの辺り(気温が重要)のエリアとでも、違いがあるのか否かの比較は、少なからず色々なヒントをもたらしてくれる気がする。

では、この蛾はどうなのであろう。

大きさは、開帳で25ミリいかないぐらいだったと思う。名前を知らない植物と、その周辺に多数群れていた。そして、その活動は隠れて休んでいるというよりは、昼間から移動する気満々といった感じで昼行性の蛾の気がした。

種名は、シロオビクロナミシャク。北海道には、亜種が存在するようである。

幼虫の食草は、ユキノシタ科のツルアジサイとイワカガミとの事である。どちらの植物も、馴染みがないが、北方系の植物のようである。

こうなって来ると、このシロオビクロナミシャクが山地の気温の高い場所にいる意味が繋がってくる。そして、我家の周りの自然環境下には、居ない可能性が大きいとも思えて来る。

フタモンクロナミシャク 成虫

昨晩、我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

サイズ感と止まり方の雰囲気から、シャクガ科ナミシャク亜科を当たるが、なかなか種に辿り着けなかった。

ただ、偶然、ネット上の画像から瓜二つの画像を見つけることができた。そして、名前は、フタモンクロナミシャクと紹介されていた。

当然、フタモンクロナミシャクを検索してみると、個体変異が多いらしく色合いは様々だが、紋様のパターンはほぼ同じ蛾が、フタモンクロナミシャクとして紹介されていることを確認した。

大きさは、開張で35ミリぐらいあったと思うが、この蛾の標準平均サイズからすると、実際はもう少し小さかったのかと考えられる。

さて、このフタモンクロナミシャクに行き着けなかった理由のひとつに、その名前がある。昆虫の名前は、大概が、その特徴を言い当てて、納得させられる事が殆どだが、このフタモンクロナミシャクの名前は、私を納得させるだけの説得力がないかもしれない。

フタモン(二紋)ってどれ?で、クロ(黒)って何処?といった具合である。でも、何事にも、こうした疑問を持ち、探究することって、人間にとって大切な事だと思う。

さて、この探求に責任が持てる時間が作れないのが残念であるが、幼虫の食草は知られていないとのことである。