2022年我家のフタスジナメクジ Meghimatium bilineatum n(Benson, 1842)

昨晩、我家の庭の庭木を這い上がっている個体を見つけて写真に撮っていた。

写真を撮った理由があるとしたら、春先には、1センチにも満たないような大きさなのに、8月に入る頃には、随分と大きくなるんだなと感動したので、その記録の意味合いも込めて写真に撮った次第である。

この個体で、大きさは、体長4センチぐらいある。

チャコウラナメクジと違って、フタスジナメクジ(ナメクジ)は、ずんぐり太く育つ傾向はある。

さて、今回、このフタスジナメクジの投稿をしようと思ったもう一つの理由は、昨年と今年の前半に家の敷地内の半分ぐらいの範囲に、除草剤を撒いてしまったため、こうした地表も徘徊するフタスジナメクジに悪影響が出ているのではないかとの不安を持っていたが、取り敢えず、影響無く成長している個体達もいるという事が知れた安心感からである。

ただ、除草剤の影響なのか、他の要因の影響なのか、昨年に比べると、ガクッと個体数は少ない。

ところで、外来種のチャコウラナメクジと在来種のフタスジナメクジとの関係だが、巷では、よくチャコウラナメクジにフタスジナメクジが取って代わられていると言われているが、我家の庭に関しては当てはまらない。確かに、庭のナメクジを意識し始めた数年前までは、チャコウラナメクジも居たが、年々、我家の庭では減ってきている気がする。そして、常に優占種は、フタスジナメクジ(ナメクジ)である。

理由は、気温なのかなぁ〜。冬の寒い日には、外気温が氷点下10°ぐらいまで下がる日もあると思うが、チャコウラナメクジよりはフタスジナメクジの方が寒さには強い気がする。あとは、フタスジナメクジよりもチャコウラナメクジを好む天敵が存在する可能性……。

それは、さておき、我家のフタスジナメクジは、グレー系が殆どだが、我家から少し離れた谷地に行くと、ベージュ系のフタスジナメクジが生息している。そして、同種と思われるこれらの個体群が、なんで色合いに違い出るのか、答えを見出せていない。

ちなみに、近隣で、グレーとベージュのどちらの色合いの個体群に出会う確率が高いかと尋ねられたら、グレーのフタスジナメクジと答えると思う。

最後に、このフタスジナメクジMeghimatium bilineatum n(Benson, 1842)の生息範囲を、 GBIFのオープンマップを参照にして眺めると、種の取り違えを考慮しても、日本の本州辺りを北限に、東アジアには広く分布しているのが分かる。ただなんとなく眺めていると、稲作文化伝播の道と生息域が被っているような気もする。

こうなってくると、このフタスジナメクジの拡がりは、人間の関与が加速させた可能性も否めない気がする。

フタスジナメクジ 幼体 Meghimatium bilineatum

最近、我家の庭で、フタスジナメクジの幼体を見かけて写真に撮っていた。

ちなみに我家の庭のナメクジ類の優先種は、所謂、在来のナメクジのフタスジナメクジである。チャコウラナメクジも、いるはいるが、昨年2021年の我家でのナメクジ達との遭遇を思い出すと、圧倒的に、フタスジナメクジが多い。割合的には、フタスジナメクジ20匹に対して、チャコウラナメクジ1匹ぐらいの割合であるかもしれない。

さて、今回、フタスジナメクジの幼体の記事を投稿をした理由は、春先から晩秋まで、大きく育ったフタスジナメクジ達に出会う事はあっても、子供…幼体のフタスジナメクジに出会った記憶がなかったのである。一体、どこで、ある程度の大きさになるまで育って来ているんだろうと疑問を持っていた。

そんな矢先に、数日前に夜の庭で、ジョウロの側面を這うフタスジナメクジの幼体を目撃した。サイズは、1センチ。写真から分かるように、伸びて1センチなので、縮まると、かなり小さく感じるサイズのはずである。

今の時点でのサイズから逆算すると、誕生は、本年の1,5ー2ヶ月ぐらい前と推測したい。今年はまだ見てないが、同時期に、大きな成長したフタスジナメクジも目撃出来るので、越冬している個体もいると捉えたい。

フタスジナメクジの成体、幼体と来れば、次は卵である。ちなみに、近隣の大きなヤマナメクジの類の卵は、森林で出会うものも、開けた場所で出会うものも、小さな卵が固まった卵塊の形状で産み落とされるのを知っている。一方、チャコウラナメクジの卵は、パラパラと個別に産み落とされてる現場を見る。

一般的なサイズのフタスジナメクジの卵は、卵塊型なのか、パラパラ個別型なのか、自分の目で確かめてみたい。

ヤマナメクジ 一亜種C群

最近、近隣で、このヤマナメクジの写真を撮っていた。

大きさは、上の写真の状態で、10センチないぐらいだったと思う。一見して、ヤマナメクジと分かる紋様と雰囲気である。

この日は、ナメクジ類が好みそうな雨の日ではなかったが、日中にもかかわらず、ニワウルシの樹皮の地衣類を舐めていたように見えた。このこじんまりとした同じ森では、その日、たまたまキノコの種類を調べようと、傘の後ろのひだの部分を見ようと柄を折ったところ、ヤマナメクジの幼体にも出会うことができた。以下がその写真。一瞬、マダラコウラナメクジの幼体と思いそうだが、ヤマナメクジの幼体である。

そして、この小さな森を去り際に、もう一度、最初のヤマナメクジが居た木をみると、先程のヤマナメクジが移動中であった。ヤマナメクジも移動しようとすると、思った以上に細長くなれて、触角も長くなるんだなと思った。

さてさて、今回の写真の個体群は、明らかにヤマナメクジと分類できるが、近隣には、ヤマナメクジともフタスジナメクジとも言い切れない大型のナメクジが存在する事に気が付き始めている。もちろん、外来で大型のマダラコウラナメクジでもない。棲んでいる環境が、ヤマナメクジとは違う。

今回のヤマナメクジと思われる個体は、周りのこれまでの開墾の歴史の中で少し孤立してしまったと言える小さな森にいた。今まで、近隣で、所謂ヤマナメクジと分類できる個体群に出会う場所は、どれも台地上の森の中であり、それらの台地上は、過去に縄文海進によって海面下には降ったことがないエリアだと推測している。一方で、約6500年前頃をピークに海岸線が後退し始めて出来た近隣の沖積平野に新しく生まれた小さな森に、台地上のヤマナメクジは移動しているのかも調べたいところである。

そして、このヤマナメクジを調べていて気が付いたのは、南西諸島にもヤマナメクジの亜種がいる事である。これは、南西諸島が大陸や本土から孤立し始めた2万年前には、現在の日本の国土にあたるであろう地域には、ヤマナメクジが広くいた事を意味していると思われる。おそらく、森伝いに長い時間をかけて各地域に広がってゆき、もし森が分断された時等には、森毎に独自の進化をゆっくりと始めたんだと推測できる。

言い換えると、現在近隣で、ヤマナメクジを見かける森も、道路や住宅や農地等で分断されているものが殆どである。同時に、それらのヤマナメクジは、おそらく何万年も前からその地で育って来ている系統の可能性が大であり、まさに今、人為的な原因による森の孤立によって独自の進化を遂げている真っ最中なのかもしれない。