アカムシユスリカ? 雌 Tokunagayusurika akamusi (TOKUNAGA)

この写真を撮ったのは、9月19日。場所は、我家の外灯下である。

時々、我家の外灯下で見かける昆虫であったが、種名に辿り着けないでいた。

大きさは、正直思い出せない。

見かける度に、蚊の仲間なんだろうなとの予想は付いたが、先ほど、オオユスリカの雌であろうという事を知った。ただ、オオユスリカと言われているものも、実際には何種類か存在する可能性はあるので、正確には、オオユスリカの仲間の雌なのかもしれないと考えていた矢先に、アカムシユスリカなる種の存在を知ることになった。

ゆえに、上の写真の個体のタイトルは、アカムシユスリカとしてみた。

ちなみに、オオユスリカの投稿は過去にしてなかったかどうか確認したところ、オオユスリカ?の雄(本年4月頭)という投稿はしていた。しかし、そちらが、アカムシユスリカのオスではないかとの不安も芽生えたが、アカムシユスリカは、10月11月の発生が目立つユスリカのようである。

このアカムシユスリカの生息分布は、調べたところ、学名からも推測出来るように、日本にほぼ限られているように思える。

一方、オオユスリカの世界分布は、ヨーロッパの比較的高緯度地域に、北米大陸のアメリカ合衆国の北東部とカナダとの国境付近。それと、テキサス州の辺り。アジアには、日本、朝鮮半島、ロシア沿海州、中国の東部から生息報告があがっているようである。

実際のところ、オオユスリカとアカムシユスリカに、どのような違いがあるのかを詳しく記した文献に果たして出会えるのであろうかと言うのが、私の率直な感想である。

この蚊の幼虫は、淡水の小物釣りの餌に利用される所謂、赤虫である。

オオフタホシヒラタアブ?  Syrphus ribesii
(Linnaeus, 1758)

最近、近隣で見かけて写真に撮っていたヒラタアブの仲間である。

大きさは、案外と大きくて、体長17ミリぐらいあったと思う。

随分と冷え込んできたこの時期に、雑木林の林縁で見れるアブの仲間も激減しているが、このアブは、この秋の冷え込んできた時期に目撃できるヒラタアブの気がする。

候補に上がった種は、オオフタホシヒラタアブとケブカヒラタアブがいたが、ネット上での情報や画像を見る限り、この2種の違いや説明を鵜呑みにするのは、慎重になった方が良いと思い、取り敢えず、タイトルの方は、オオフタホシヒラタアブ?の形にした。

おそらく、成虫越冬して、春先にも見ることが出来るタイプのヒラタアブかと思われる。(ネット上では、ケブカヒラタアブに関しては、成虫越冬すると書かれているサイトに幾つか出くわす。)

さて、上の写真の個体を、オオフタホシヒラタアブSyrphus ribesii
(Linnaeus, 1758)
として、世界の生息分布を眺めると、動物地理学的に旧北区には拡がっていて、スカンジナビア半島の北限の方まで、ヨーロッパには濃く生息しているのが分かる。そして旧北区の極東の日本近辺にも居り、ベーリング海峡を渡ったというか、北極圏をショートカットしたり、グリーンランド経由もありで、新北区のカナダやアメリカ合衆国がある北アメリカ大陸の高緯度地域にも比較的濃く生息しているのが分かった。

ちなみに、このオオフタホシヒラタアブに外見が似ている仲間としては、海外のウキペディアでは、ケブカヒラタアブSyrphus torvus (Osten Sacken, 1875)とコガタノヒラタアブSyrphus vitripennis (Meigen, 1822)が言及されているが、全て、同じような世界分布を見せてくれる。

なお、コガタノヒラタアブSyrphus vitripennis (Meigen, 1822)という種は、この通りの和名では日本ではほとんど認識されておらず、和名が変わったか、別種として扱われている可能性も感じる。

以上のような3種の世界分布を眺めた時に、共通しているのは、南半球には基本的に進出していないのである。幼虫は、アブラムシを食べるらしいが、アブラムシが宿る植物の拡がりと一緒だったのか、その拡がり人間が早める手助けをしたのであろうかとか、どのように、世界へと拡がっていったのか、凄く興味深い昆虫だと感じた。

オオハナアブ Phytomia zonata (Fabricius, 1787)

最近、近隣で見かけて写真に撮っていた昆虫である。

大きさは、体長16ミリぐらい。

丸っこい体型が、マルハナバチの仲間を連想させたが、写真で見ると、蜂特有の長めの触角が見てとれない。こうなると、ハエの仲間のハナアブの一種であろうと調べてみたところ、オオハナアブという種だと判明。

4月から11月ぐらいまで見ることの出来るハナアブのようである。幼虫が、水中生活のため、湿地の近くにいるとの事だが、確かにいた場所は、水田地帯の中の常に水が滲み出ているような休耕田の近くにいた。

生息分布の方は、国内は、殆ど日本全土に生息しているようである。海外の生息分布は、韓国、台湾、中国全土、東南アジアにも生息している模様である。