ヒゲナガヤチバエ Sepedon aenescens (Wiedemann, 1830)

昨晩、我家の外灯下に来ていたハエ(?)の一種である。複数匹来ていたと記憶している。

大きさは、体長1センチぐらい。

種名は、ヒゲナガヤチバエ。

決して触角が長いようには見えないが、そもそも一般的なハエの触角は短いという前提からの比較なんだと思われる。

さて、このヒゲナガヤチバエの習性として興味深いのは、水辺に居て、幼虫は水辺にいるヒメオカモノアラガイ等を食べているということである。この水辺にいるという習性から、ヤチバエ(谷地蝿)の由来があるのかもしれないと想像したくもなる。

ところで、この時点で、肝蛭(カンテツ……牛の肝臓の胆管に寄生する……人間にも寄生する)の中間寄主であるヒメオカモノアラガイを減らす益虫の側面があるのだが、更に、このヒゲナガヤチバエの幼虫は、高確率で、ズイムシアカタマゴバチに寄生されるとのことである。

そして、このズイムシアカタマゴバチは、稲の害虫であるニカメイガの卵を食べる益虫なのである。

こうして、知らないうちに、絶妙のバランスの生態系が維持されるのが自然下の流れかと思うが、この自然下のバランスを崩す原因の一つに、人間の人間視点での行動や価値観があるのは言うまでもないことである。

このヒゲナガヤチバエの生息分布は、日本以外は、韓国全土や中国の一部から報告されている。

ちなみに、昨晩、複数匹が我家の外灯下に来ていた事を考えると、我家のメダカ鉢とかで発生している可能性もあるが、我家のメダカ鉢には、サカマキガイが常に発生はしている。ヒメオカモノアラガイが好むような乾き気味の湿った場所のような環境は、我家の敷地内には無い気はする。

ハラボソムシヒキ Dioctria (Dioctria) nakanensis Matsumura.

近隣で、最近見かけて写真に撮っていた。

大きさは、体長で1センチ行かないぐらい。

この場所で、このハエの仲間に出会うのは初めてではなくて、1ヶ月前ぐらいにも写真に撮っていた。

その時も、嘴の方に違和感ある物体が見て取れた。その時も、これが違う小昆虫を吸汁している姿なのか、それともこのハエの身体の一部なのか分からないでいた。

でも、やっぱり、小昆虫を捕獲・吸汁している瞬間なのではと思い、ムシヒキの仲間を調べ直すと、ハラボソムシヒキという種だと分かった。

ムシヒキアブの仲間にしては、小さい方だと思う。

分布報告は、あまり多くなく、国外からの報告も見つけられなかった。本州から九州辺りまでに生息している模様。

ミスジヒメヒロクチバエ Rivellia nigricans (Hara 1987)

数日前に、近隣で見かけて写真に撮っていた。

大きさは、体長8ミリぐらいだったと思う。

翅が生えた蟻のような雰囲気であるが、おそらくハエの仲間であろうと、ハエ目を調べると、ヒロクチバエ科に本種がいた。

種名は、ミスジヒメヒロクチバエ。

このハエの紹介記事で、ヨモギに群れていたというのがあったが、確かに、このハエがいた場所には、ヨモギは結構生えていた。