ヤマブキショウマ Aruncus dioicus (Walter) Fernald var. kamtschaticus (Maxim.)  H.Hara 福島県 標高 800メートル

先週末に、家族が山登りにお友達と行くというので、私は、一行を登山口で下ろし、下山口で拾うという完全な運転手の役を買って出た。

買って出た理由の一つは、登山口も下山口も標高は1000メートルぐらいあり、待ってる間の5時間(結局は7時間)は、自由に自然観察やイワナ釣りが楽しめるからである。登山一行もスタート地点に戻ってこないコースが取れる事を喜んでくれる。お互いの利害が一致した。

想像以上に豊かな生態系であったが、先ずは気になった植物を種名に辿り着ける限り、紹介してゆこうと思う。

この植物は、知っていた。ヤマブキのような葉っぱしてるし、ヤマブキショウマと言うんじゃないかとの予想はしていたが、実際にヤマブキショウマである。

どうも、雌雄異株のようで、上の写真のような細い花序は雄株で、雌株は、もうちょっとふっくらとした花序になるようである。

若芽は、山菜としても食べれるようである。

この植物の分布に関しては、日本には、もちろん分布しているのだが、ロシア極東部のかなり北方にも、生えていたり、ヨーロッパにもほぼ同種がが生息しているようである。

寒冷地域の植物であり、涼しいところが好きな植物と理解した。

イヌザクラ

先週末に、家から徒歩で行ける範囲の里山を歩いていたとき、カラフルな小さな実を付けた里木が目に入った。

この雰囲気の実を付けるのは、近隣だとウワミズザクラかイヌザクラであるが、その時点では、実からウワミズザクラかイヌザクラかを見分ける知識は持ち合わせていなかった。

そして、近隣でよく見かけるウワミズザクラの実だろうとスルーする流れだったはずだが、この実を付けている樹木のツルツルした表面で端が波打った葉には違和感を感じた。葉の色も気になった。近隣で似たような雰囲気の葉を持つ植物と言えば、ヤマフジであるが、明らかにヤマフジではない。

もしかして、イヌザクラって、こんな実と葉だったりするのかと調べたところ、まさにイヌザクラの実と葉と合致する事になった。上の写真からは、イヌザクラの実の特徴である丸め(ウワミズザクラの実は卵型?)のところと実に顎が残っていないところが見て取れる。

さて、ここで気になったのは、その場所に同じような実を付ける樹木は複数沢山あった。しかし、全部がイヌザクラではなかったような気がする。ウワミズザクラも混じっていた…いや、ウワミズザクラの方がメインだったような気がして来た。(近所なので、確認しに行けば良いだけだが。)

とここで、普通の人なら絶対に頭を悩ませないような疑問が頭の中をグルグル巡るようになってしまった。花や実の類似形状から、ウワミズザクラもイヌザクラも、元々は同じルーツの木で遠い太古に枝分かれしたと考えたいが、それならば、その場所場所の環境に合わせて枝分かれして行ったと考えたい。ゆえに、同じ環境に、同じような特徴の近似種が生えていると、どうして?となってしまうのである。

どちらかが、後から移入されたのであろうか?

コモチマンネングサ

近隣の里山環境の中を歩いていると、ちょうど今時分、黄色い小花を咲かせるこの植物に出会う時がある。

花が咲いていなくても、野の雑草には珍しい多肉質の茎をシーズンを通して、好奇心をそそる植物である。

上の写真の植物は、葉の根元にポコっと付いたムカゴが見えるため、マンネングサの中では一番普通種のコモチマンネングサだと思う。

近隣に、そんなに沢山生えているわけではない。