カブラヤガ 雄 Agrotis segetum ([Denis & Schiffermüller], 1775)

昨晩、我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

大きさは、前翅長20ミリぐらい。

腎状紋と環状紋がハッキリとしていることから、ヤガ科モンヤガ亜科の蛾であることが分かるが、それらにここまでハッキリとした黒いラインが現れるのは限られる。カブラヤガ、オオカブラヤガ、タマナヤガ等であるが、おそらく、上の写真の個体は、カブラヤガだと思う。また、縦の黒いスリットみたいな箇所(楔状紋)も、この3種は目立つ特徴として、持っている。

さて、このカブラヤガの幼虫は、所謂ネキリムシとして知られる野菜を始め様々な植物の根を食べてしまう幼虫である。

生息分布の方は、国内は、北海道から九州を経て、沖縄本島含む南西諸島まで。海外の生息分布は、ヨーロッパ全土に主要産地として生息しており、続いて極東アジア、他には、中央アジア……アフリカ東岸を南アフリカまで到達している……アイスランドや北米大陸の西海岸にもいるようである。

クロクモヤガ 成虫 Hermonassa cecilia (Butler, 1878)

昨晩、我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

晩の冷え込みが増す中、この日は、我家の外灯下で見かけた蛾は、この1匹のみ。

大きさは、前翅長18ミリといったところであろうか。

種名は、クロクモヤガだと思う。黒い腎状紋を筆頭に、他の紋も黒っぽい濃い目の色をしていることから名前の由来が来ているなら、的を得てる気がする。

今の時期に見られた事で、てっきり晩秋に誕生して、成虫越冬するタイプの蛾かと思ったが、普通に春と秋に誕生(活動?)しているタイプの蛾のようである。

幼虫の食草は、キク科のハルジオンやタデ科のギシギシが確認されているようだが、これから考えると、おそらく、それらと同所に生える似たような植物なら、殆ど行ける口なのではと推測したい。

最後に、このクロクモヤガの生息分布は、国内は、北海道から九州近海まで。海外の生息分布に関しては、この蛾の学名では、情報は殆どヒットしなかったが、ロシア南東部沿海州には生息しているのが分かった。おそらく、朝鮮半島やそれに続く中国東北部等にも生息しているのではと思いたい。

ウスチャヤガ 成虫 Xestia dilatata (Butler, 1879) 2nd

この蛾は、秋になると現れる蛾である。同一種と思われるものを、一昨年のの11月の初頭にも投稿している。

今年も出会うことができたし、今シーズン、あと数個体とは出会う事になると思われる。

大きさは、前翅長20ミリぐらい。

同じヤガ科モンヤガ亜科に属し、似たような雰囲気で秋に出現する紛らわしい蛾達は数匹いるが、彼らの環状紋(上の写真の個体だと潰れた白い丸)の形状や色合い的雰囲気は、種の特定の決め手になるような気がして来ている。

この部分が真丸の円に近いものや、色が濃いもの等色々あるが、他の部分の個体変異は多岐に渡っていても、この環状紋の特徴は種を通して、共通性が強く出ているような気がしている。

そして、白っぽく少し横に潰れた環状紋を持つのが、ウスチャヤガの気がする。また、上の写真から、ウスチャヤガのオスは、少し櫛髭状の触角である事が見てとれる。

さて、幼虫の食草は、タデ科のギシギシやスイバということが言われているが、この蛾がいた辺りには、それらの植物は幾らでもある。

この蛾の生息分布の方は、国内は、本州、四国、九州、対馬での確認はされているようである。海外の生息分布は、朝鮮半島では、確実に生息確認されている模様。