ハジマヨトウ 成虫 Bambusiphila vulgaris (Butler, 1886)

一昨日、我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

大きさは、前翅長で22ミリぐらいあった。

パッと見た時に、遠目の肉眼では、チャオビヨトウかなとも思ったが、もしチャオビヨトウなら少し大きいなとも感じていた。

そして、写真を見返してみて、確実にチャオビヨトウではないと確信したのだが、ここから迷宮を彷徨い始めた。

しかし、とうとうハジマヨトウという蛾であろうとの結論に至ることが出来た。決めては、やはり、前翅の後端の両端(左右前縁側)に見える大きな黒い斑である。細部の特徴を照合していた時には、種に辿り着けなかったが、遠目に全体として眺めた時に、その左右両端の濃い色の斑の存在でハジマヨトウだと気が付くことが出来た。

さて、このハジマヨトウの幼虫は、マダケ、ハチク、モウソウチクといったいった所謂タケを食すらしい。ただ、もっと細い筍も食べるようで、メダケやヤダケからも幼虫が見つかるらしい。

確かに、我家の一帯には、モウソウチクにマダケにメダケを筆頭に、他にも数種の竹が生えている。

最後に、このハジマヨトウの生息分布は、国内は、本州以南…九州を経て、沖縄本島を含む南西諸島まで。海外の分布は、ちょっと分からなかった。

キノコヨトウ亜科の蛾の幼虫の一種 B ryophilinae sp.

最近、近隣で、この蛾の幼虫の写真を撮っていた。

見つけたシチュエーション的には、雑木林内の倒木をひっくり返したら、居た感じである。

大きさは、案外大きく育っており、体長35-40ミリぐらいあったと思う。

外見的に蛾の幼虫であろうというのは分かったが、所謂、蛾の幼虫の特徴である毛虫の毛が見えない。そして、一般的な蛾の幼虫が好む植物を寄主に選んでいる感じはなく、倒木の裏に居たので、これは地衣類を食べるコケガの仲間の幼虫かと思い調べるが、ちょっと該当種には辿り着けなかった。コゲガの仲間の幼虫達は、形状は千差万別だが、毛は生えていることがほとんどの気がする。

そして、写真をよく見ると、写真に写っているキノコのようなものを食べている瞬間に見える。もしかして、ヤガ科のキノコヨトウ亜科の蛾達って、どんな姿なんだろうと調べてみたところ、上の写真の幼虫に似ているものが多い事を突き止めた。

しかしながら、どのキノコヨトウが、どの幼虫になるのかは、あまり突き止められていない亜科である事も知ることになった。上の写真の幼虫も、ネット上には同じ姿の写真を見つけれるが、種名を特定しているサイトには出くわせなかった。ゆえに、タイトルが、キノコヨトウ亜科の蛾の幼虫の一種となった次第である。

今、思えば、どの蛾になるのか、捕まえて飼育してみれば良かったと思うのだが、もはや後の祭りである。次回、また出会える日が来るかも分からない。 

オニベニシタバ 成虫 Catocala dula (Bremer, 1861)2

最近、近隣の雑木林で見かけて写真に撮っていた蛾である。

大きさは、前翅長で3センチちょっとぐらいあったと思う。

下翅に鮮やかな色の紋様が見えているのと、このサイズと形状から、ヤガ科シタバガ(下翅蛾)亜科の蛾なのは分かるが、今年出会って来ている下翅がオレンジ色のキシタバ達とは違う色合いを持っているのが一目で分かった。

この下翅の色を形容するには黄色ではなく、なんて表現するであろうと考えながら調べたところ、ベニ(紅)という表現があるのに気が付くのと同時に、種名もオニベニシタバと判明した。

幼虫の食草は、ブナ科のコナラ、クヌギ、アベマキ、カシワ、常緑だけどアラカシなんかが、確認されているようである。取り敢えず、この写真を撮った雑木林には、アラカシをシラカシに置き換えるなら、アベマキとカシワ以外は生えている。もちろん、アベマキとクヌギ、カシワとコナラは、かなりの近縁なのは、周知の事実である。

この蛾の生息分布としては、国内は北海道から九州近海まで。一応、各都道府県が独自に定めるレッドデータでは、高知県と熊本県が、準絶滅危惧種に、長崎県が絶滅危惧Ⅱ類に、福岡県と大分県が、注視種?みたいなカテゴリーに入れている。

ただ、海外の生息範囲は、大雑把に、朝鮮半島と一部のロシアと中国の地域という事なので、寒い地域にも順応している蛾のようなので、形状的生息環境が奪われたというよりは、地球温暖化傾向といった感覚的環境が失われ始めていることにも原因があるはずである。一応、日本国内には、他にも近似のベニシタバの仲間は、ベニシタバとエゾベニシタバという種がいるらしいが、どちらも国内では北海道のみの生息のようである。