オオツマキヘリカメムシ つくば市北中部

昨日、カメムシのアルバムの整理をしていた時に、未特定のカメムシの写真を発見。再度、種の特定を試みる。

撮影年月日は、昨年の10月23日。

種の特定をしていて、ブチヒゲツノヘリカメムシという種類も候補に挙がったが、ブチヒゲツノヘリカメムシが、環境省のレッドデータで、絶滅危惧Ⅱ類になっていて、栃木県那須高原と長野県の八ヶ岳の山麓にしか生息していないという事実に行き当たり、種の特定を慎重になっていた。

そんな折、昨日投稿したツマキヘリカメムシを調べていた時に、とても似た種のオオツマキヘリカメムシの特徴として、雄のお尻の方に2つの突起があるとの記事を読んでいたのを思い出し、早速写真と照合してみると、確かに小さな二つの突起が見て取れる。

ここから考えて、上の写真は、オオツマキヘリカメムシなのではと思う。確かに、昨日見つけたツマキヘリカメムシよりは、少し大きめの記憶がある。

ネット上で、このオオツマキヘリカメムシの食草を調べると、ノイバラやキイチゴ類やアザミやイタドリ………人によってはウドやゴンズイと書いている人もいるが、発見場所は水田と畑が隣接する直射日光を遮るものの全く無い結構開けた場所であり、上記の植物が有りそうな場所ではなかった。

記憶を辿ると、エノコログサの群落に大量に生息していたような気がする。

ツマキヘリカメムシ

昨日、庭掃除中に、ふとどけた石の下に5匹ぐらいが集団で越冬していた。

それにしても地味なカメムシ。大きさもそれほど大きくない。特徴と言えば、触角の先のオレンジのところが目に留まるぐらい。

小さいという第一印象を持ってしまった為、紆余曲折したが、ツマキヘリカメムシという種に行き着いた。

微妙に大きくなっただけで、殆ど同じ外見をしたオオツマキヘリカメムシという種もいるが、今回写真に撮ったカメムシは、ツマキヘリカメムシという事にしておく……後で、オオツマキヘリカメムシと判明した場合には、訂正させて頂く。

さて、ツマキヘリカメムシやオオツマキヘリカメムシの事を調べていて、食草は、スイバ、ギシギシ、イタドリ、ノイバラ、キイチゴと書かれている記事をよく目にしたが、我が家の庭に、上の植物は無い気がする。

庭で、このツマキヘリカメムシに出会うのは初めてではなく、昨年の6月半ばの写真にこのツマキヘリカメムシを写したものがあった。種が判明するまでに、9ヶ月弱かかってしまったが……

ツマキヘリカメムシのツマキを漢字で書くと爪黄。触角の先のオレンジの特徴を意味しているのが分かる。

我が家の何の植物に寄って来ているのか、今後注目してみたい。

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2020年3月10日追記

昨晩、ふと、ツマキヘリカメムシの出す匂いはどんなものなのかを確認してみたく思い、少し前に越冬していた庭の石の場所に行き、ツマキヘリカメムシを探してみた。

かろうじて、1匹見つけたので、手のひらに乗せて、軽く摘んでみるのだが、全くの無臭であった。無臭の種なのか、匂いを出してくれなかっただけなのか分からないが、ツマキヘリカメムシの匂いに関して、取り敢えず、報告してみた。

ミチタネツケバナ

先週の日曜日、子供達と一緒に庭の草取り。そんな合間に、こんな植物の写真を撮っていた。

ヨーロッパや東アジア原産のミチタネツケバナという外来種である。

そして、このミチタネツケバナの事を調べていて、エッて驚いた事実に、国内での初確認は1992年、意外と最近のことなのである。この時点で宮城県から日本海側にかけてのその辺りで既に繁殖していたらしい。

ゆえに、環境省や農水省等の国の機関も、まだ調査段階(?)なのか生態系被害防止対策外来種には指定していないと思う。因みに、同じように国内で着実に繁殖はしているのは確実なのだが、国が何も対策や調査の言及をしていない種として、私のブログで、マダラコウラナメクジなんかの投稿もしているので、興味があったらご覧になってください。きっと調べれば、未だ被害防止対策種に指定されていないこうした比較的新しい外来生物が、他にも色々居るのかなとは想像できる。

さて、このミチタネツケバナのミチの部分は未知でも意味を成してる気がするが、実際のところは、在来のタネツケバナが、水田周り等の湿った環境に自生しているのに比べて、台地の乾いた土壌にも生息出来ていたり、その辺の住宅地の合間にも生息出来ていたりする点にちなんで、身近で乾いたイメージにも繋がる(?)道が選ばれたのかなと思われる。

個人的印象としては、このミチタネツケバナは、なかなか強敵である。最近では、至る所で見かける。そして、初冬や早春に、「未だ小さい未だ小さい」と除去を怠っていると、いざ抜こうと思った時には熟した種の鞘が破裂して、種を小さな範囲にばらまかれてしまうのである。

言い換えるなら、遅くても、3月の半ばから下旬ぐらいまでには、他の種よりも優先的に除去しておいた方が良い外来雑草の気がする。

ここで、最近思うのは、地域や地区ごとの雑草対策カレンダーみたいなもの(もちろん日向や日陰、土壌成分も加味した)が有り、人々で共有できると、少しづづ外来雑草も減っていくのではと思ったらしている………この先に有るのは、除草剤等を使い、雑草を頑なに進化させてしまうより、人類の緻密さや優しさや共存の姿勢で、雑草と対話の上、減少して行ってもらう考え方である。(笑)

最後に、私のブログで在来のタネツケバナの投稿もしていたと思うので、このミチタネツケバナとの違いのひとつを簡単に書いておくと、種の鞘の付き方があるようである。ミチタネツケバナの種鞘は、花より上に真っすぐに付くみたいで、一方タネツケバナの方は、花より下に斜めに付くようである。

もちろん、他にも色々な違いは有るが、ここでの紹介はやめておく。