ツルウメモドキ

近隣の野山にツルウメモドキがあったよなという記憶は持っていたが、あのツルウメモドキの黄色の皮と赤い実のコントラストが絶妙な趣きある実を見たのも10年ぐらい前で、あれは幻だったのかなと自分の記憶を疑い始めていた矢先の遭遇であった。

また、昨年、小学校の娘が学校でリース作りをするというので、近所の野山から赤や青の実を付けた蔦類(確か…トキリマメにノイバラサルトリイバラに、カラスウリにアオツヅラフジとかも取ったかな)を集めてきた事があった。

その時に、どうしてもツルウメモドキも揃えたいと思ったのだが、近所で生えている処を思い浮かべる事が出来なかったのであった。

しかし、今回、バッチリとツルウメモドキの生えている場所を見つけることが出来た。これからは、何時でも取りに行ける。

今回、このオレンジの実をたわわに付ける個体に出会えたが、この場所は、シーズンを通して何回も訪れる場所なので、実が付いていない時には、その存在に気が付いていなかった事になる。

そして、このツルウメモドキは、雌雄異株との事である。実がなったという事は、雄株も近くにあるのであろうか、それとも、雄株はなくとも実は出来るのであろうか?

その辺の知識は現在の私には無いが、とにかく、冬枯れが始まりつつある野山に、ハッと目を惹く彩りを添えてくれるとても日本人好みの風情のある実を付けてくれる植物だと思う。

自然下でも生け花等の人工下でも、私の心を洗ってくれる美しい実姿だと思う。

ホシササキリ

数日前に近隣で見かけて写真に撮っていたバッタの仲間である。

最近は、バッタの仲間は見かけても写真にも撮らなかったが、このバッタは、写真に撮っておこうとの気にさせるバッタであった。

その理由は、そのサイズというか小ささであった。この手のバッタにしては、小型に感じたからであった。頭の先から翅端まで25ミリぐらいだったと思う。

このバッタがアスファルトの上に居た理由は、少し前に隣接する芝をベースにした草原の草が綺麗に刈られて、身を隠す場所を失ってしまったからと思われる。草刈りのお陰で、私はこのバッタと遭遇するチャンスを得たが、このバッタにしてみてはとんだ災難だったと思われる。

さて、凄く小さくて上の写真のような形態で、明るい草原に棲んでいるといった条件を考慮に入れると、ホシササキリという種が浮上してきた。

ホシササキリのホシの部分は、翅の基部下方に星というか小点が横に並び連なっているからである。段々紋様に見えるとの紹介記事もあった。上の写真を見てみると確かに、そんな感じの物が見て取れるような気はする。

ホシササキリ……今回の場所は、ほぼ毎日滞在する場所であるが、存在に気が付けなかったバッタの仲間であった。

クロナガオサムシ

先週の金曜日に、仕事で入った建物の中で発見。すかさず、屈んで写真に撮るが、自然光の入らない屋内で、然も光量が弱まる床面近く、ピントが合う写真が撮れない。

こうなれば、摘み上げて撮るしかないと、摘みあげて写真に撮ってみた。

先ず、この昆虫の第一印象だが、発見時の床に居た時の印象は、正直マイマイカブリだと思った。そして、しゃがんで写真に撮ろうとした時に、オサムシの仲間かとも思った。黒い大きめのゴミムシの類よりも、更に二回りぐらい大きかった。

摘みあげて、マジマジと見てみたところ、オサムシの仲間特有の上翅上の顆粒状の点列が見て取れなかった。こうなってくると、やはりゴミムシの仲間なのかなぁとも思った。

帰宅後に、写真を見返していて一番印象的に感じていた触覚の色が途中から変化している特徴からクロナガオサムシ、オオクロナガオサムシ、コクロナガオサムシのどれかであるというところまでは辿り着けた。

ただ、この3種はDNA的に殆ど差異がなく、形態的差異も、私には微妙に映ってしまう。

ということで、高地や寒冷地に多いコクロナガオサムシは取り敢えず候補から外して、しかし、クロナガオサムシかオオクロナガオサムシかは断定出来ないので、タイトルにはクロナガオサムシを選ばせて頂いた次第である。

大きさは、35mmぐらいで、小さめのマイマイカブリといった印象であった。

と同時に、8年前に今の土地に新居を構えた時に、このオサムシを庭木も生え揃わない殺風景な庭で見かけていた記憶が蘇ってきた。子供の頃に慣れ親しんでいたマイマカブリを久しぶりに発見と思ったが、当時どうもちょっと首が太短くて違うと認識していた昆虫である。ただ、その後、1,2年でパタっと、その昆虫は我家の敷地から姿を消して、その後遭遇はしていない。どういう環境変化を与えてしまったのであろうか。

さて、最後に、今回のクロナガオサムシの種分科のような例は、結構狭い地域毎にシッカリとDNA的な違いを分析する時代が来ている気がする。そして、そこから日本の地域の地形的誕生の変遷を読み取る材料に活かしてって欲しいなと感じる。

追伸: 期待していた結果だが、このクロナガオサムシと思われる昆虫を摘んだ結果、指には、多少の液体と共に、臭いが付いてしまった。この臭いは、多くの綺麗なゴミムシ達の発する決して悪臭とは言えない臭いとは違い、明らかに腐敗臭みたいな不快な臭いであった。この臭いが、危険時に出す臭いなのか、偶然に排出された糞臭みたいなものか分からないが、かなり不快な臭いであった。