プラタナスグンバイ

このとても小さなグンバイムシとの遭遇までの経緯を簡単に説明すると、先ず最初に似たような形のアワダチソウグンバイとのフィールドでの出会いが先にある。

このアワダチソウグンバイの事を調べていた際に、とても似た雰囲気のプラタナスグンバイという種も存在する事を偶然知ったのであった。そして、仕事場の近くにプラタナスが植っているのを思い出し、当時、直ぐに見に行ってみたのだが、案の定、葉の裏に見つける事ができた。

今の時期、プラタナスの葉は全て落葉していることもあり、もしかして簡単にバリバリと剥がれる幹肌の隙間に潜り込んで越冬してないだろうかの予測とともに少し剥がして見たところ、やはり居た。ただ、全く動く気配はない。

このプラタナスグンバイも、アワダチソウグンバイ同様に北米原産の外来昆虫であり、日本での初確認は、2001年の名古屋との事である。それから、かれこれ20年、私の暮らす茨城県南部にも確実に生息している。ただ、そもそも飛べるのかも分からないこんな小さな昆虫が、どうやって拡がって行くんだろうと、とても不思議に思えた。しかも、このプラタナスの小並木から一番近いプラタナスの他の並木群は、差し当たって思いつかない。このプラタナスグンバイが、どのように遠く離れた他の場所のプラタナスに移動して行けるのか不思議でたまらない。

ところで、このプラタナスグンバイ……ネット上では、プラタナスの害虫としての投稿が殆どであった。

目下、冬場でプラタナスの葉が落葉してしまい、プラタナスグンバイの影響により葉がどのようになっていたかを確認出来ないが、葉が凄く変色してしまったりまではなっていなかった気がする。むしろ、それほどプラタナスグンバイの吸汁の痕が出てないなと感じたような記憶がある。

暖かくなって葉が出たら、しっかり再度確認してみようと思う。

マダラチビコメツキ

3週間ぐらい前だったと思う。1月にしては比較的暖かい日だったと記憶するが、よく散歩する近隣の田園地帯で、何か生き物でもいるかなぁ〜と、畔に置き捨てられている木の板を、ひっくり返してみたことがあった。

すると、この極小の昆虫が1匹だけ動いているのが目に入った。

真冬でも暖かい日には、昆虫が僅かながら活動しているのは目にしてていた。ただ、暖かい季節と違い、ダメ元になる事が殆どだが、この日は運が良かったのかもしれない。

ところで、この極小の甲虫を眺め返しているうちに、異常に小さい(5ミリぐらいしかない)が、コメツキムシの仲間に似ているなとは気が付いていた。

そこで、コメツキの仲間を調べ始めたものの、なかなか種には辿り着けなかったのだが、とうとうネット検索を繰り返すうちに、マダラチビコメツキという種に行き着く事が出来た。

このマダラチビコメツキなる極小のコメツキは、畑なんかでよく見られ、1年を通して見る事が出来るとの事である。確かに、1月の終わりに活動しているのを見ると、1年を通して見る事が出来るという情報は信憑性があるのかなと思った。

クロダハゼ

数週間前のことだが、近所の小川でガサガサをした際に、ヨシノボリの仲間が数匹入った。

今回は、捕まえた数匹を確実に家に持ち帰り、じっくり観察してみた。理由は、近所の幾つかの水系に、どんだけの種類のヨシノボリの仲間が生息しているんだろうと、本格的に調べてみようと思い始めたからである。

その時、捕まえたヨシノボリの仲間の写真は以下である。

この水系(小川)には、明らかに少しサイズが大きくて、シーズンを通して黒っぽいヨシノボリが生息している。こちらは、少し前に、クロヨシノボリというタイトルで投稿済みである。

しかし、今回捕まえた個体群は、小さめで少し詰まった感じの雰囲気である。調べてみたところ、一番特徴が似ているのは、旧名トウヨシノボリ……最近の名前でクロダハゼであった。

トウヨシノボリという名前が最近クロダハゼに変わった経緯は、ここでは触れない事にする(ちゃんとした説明をするとなると、しっかりとヨシノボリ属の勉強をしなければならなくなりそうだが……目下その時間が持てない)が、とにかく、このクロダハゼの特徴としては、大きくても6センチぐらいまでとの事である。

そして、私が住むエリア全般で見かけるヨシノボリは、このクロダハゼがほとんどなのではないかと想像している。

因みに、この小川には、明らかに数センチ大きいクロヨシノボリや、ヨシノボリの仲間ではないが同じハゼ科のヌマチチブなんかも生息しており、今回のクロダハゼとクロヨシノボリは、同所で捕まえることが出来るスポットもある。このため、今までは、婚姻色が出た体色が濃くって大きいのが雄で、顔が長く無くサイズも小さくって色が付いてない個体が、雌だと思おうとしていた。

ただ、今回の投稿の背景には、それらは別種で、クロヨシノボリとクロダハゼの2種に分けれるとの確信が少し持て始めたからである。

ただ、一方で、じゃあ、産卵期に婚姻色が鮮やかに出たクロヨシノボリの雌はどれ?とかクロダハゼの雄は確実にどれ?とか、もう少し両種の雌雄の見分け方や現地でのデータを増やして更に裏を固めて行く必要があるとも当然思っている。

まぁ、家からすぐ側の小川だし、このヨシノボリの仲間は、ウジャウジャ居るので、データは嫌でも増えていくと思われる。