アカアシオオアオカミキリ Chloridolum (Parachloridolum) japonicum (Harold, 1879)

先ほど、久しぶりに、樹液に集まる虫達の写真を撮るために、車で5分ぐらいのところにある近所の公園に車を走らせた。

運の良いことに、出会いたかったカミキリと遭遇することが出来た。

大きさは、体長25ミリぐらい。

種名は、アカアシオオアオカミキリ。

ちょうど4年前の今時分にも今回と同じ場所で、見かけて捕まえた事がある。そして、家に持ち帰って落ち着いて写真に撮ろうとしたのだが、その時の持ち帰るためのプラケースに、同じく捕まえたウスバカミキリも入れた。しかし、これが失敗で、家に着く頃には、ウスバカミキリが、アカアシオオアオカミキリの脚をほぼ全部噛み切ってしまっていたのだった。アカアシオオアオカミキリには可哀想なことをしたが、写真にも撮れるような姿ではなくなってしまったのを覚えている。

さて、このアカアシオオアオカミキリは、幼虫は、クヌギの生木の中で育ち、成虫になっても、樹液を吸いにクヌギにやって来るようである、

生息分布の方は、国内は、本州、四国、九州。海外は、韓国、中国の一部地域から生息報告が上がっているようである。

ちなみに、このカミキリは、都道府県が独自に定めるレッドリストでは、絶滅危惧I類に指定しているのが、千葉県、東京都、神奈川県。準絶滅危惧種に指定しているのが、埼玉県、長野県、兵庫県、香川県、宮崎県、鹿児島県。他に、山梨県と大分県も動向を注視している種に捉えている。

フタスジヒメハムシ Medythia nigrobilineata(Motschulsky 1860)

昨晩、我家の外灯下に来ていた極小の甲虫である。

大きさは、昨晩の事ながら記憶が定かでは無いのだが、一般的には、体長4ミリ前後の甲虫らしい。

触角が長めの気がするが、大きさと雰囲気は、ハムシの仲間の気がした。調べたところ、ハムシ科ヒゲナガハムシ亜科のフタスジヒメハムシと判明。

このフタスジヒメハムシは、マメ科の植物を好むようであるが、農業関係者達からは、ダイズの害虫として注視されているハムシのようである。ちなみに、我家の庭のマメ科の植物といえば、クズかヤブマメであろうが、ヤブマメなんかは知らないうちに庭に結構生えて来てしまう。しかし、このハムシを見かけたのは、今回が初めてである。

さて、このフタスジヒメハムシの生息分布は、国内は、正確には分からなかったが、海外は、朝鮮半島、中国北東部、ロシアのシベリアに生息しているようである。この海外の生息分布を眺めると、少し寒い地域寄りのハムシなのかなと思いたくもなる。

イネクビボソハムシ(イネドロオイムシ)?Oulema oryzae (Kuwayama, 1929)

最近、ある場所で、この極小のハムシをよく見かける。

大きさは、体長3-4ミリといったところであろうか。

そして、このハムシが見つかるところに必ずと言って良いほどあるのが、葉の表裏についた泥の滴みたいなものである。最初は、何かの糞ぐらいにしか気にしていなかったが、それらをよく観察していると、ティアドロップを横にした感じで、下膨れの方がお尻で、細い方が頭部で、昆虫の幼虫にも見えなくはない。ただ、肉眼で認識できるような動きは感じられないし、拭うと一瞬で拭き取れてしまい、やはり泥か何かの糞かとの結論に至っていた。

しかし、成虫は上の写真の個体のような色彩ではないが、同じような外観のイネクビボソハムシの幼虫が、まさに、その泥の滴みたいな幼虫である事に辿り着いたのである。

という事で、今度は、その泥の滴を、ちょっと根気よく観察してみようと思った。以下が、その泥の滴である。

なんとなく右下の方に顔があり、短い脚のようなものも見える。そして、明らかに葉が齧られた痕が見える。

そして、かなり大きめの泥の滴があったので、優しく拭うと、幼虫本体が現れたのである。

ちなみに、表面を纏っていた物体は、自らの糞を分泌物と混ぜて作ったものらしい。

ここまで来てイネクビボソハムシの幼虫であることは分かったが、成体の紋様である。ネット上のイネクビボソハムシの成体の画像はどれも、上翅は藍色一色なのである。

そして、現場には、上翅が藍色一色のタイプも半々ぐらいでいた。二つのタイプが同種であるのは、それらが交尾していた事から間違いないと思う。現段階では、それらの二つのタイプが雌雄の違いなのか、成長のステージの違いなのか、その辺の真相は分からない。

さて、このイネクビボソハムシの生息分布はと言うと、寒冷地のハムシのようである。元々、北海道や東北や北陸で稲の害虫として知られていたようである。海外にも生息しているらしいが、自分で調べた限り、海外の生息のソースを見つけることが出来なかった。

ちなみに、私が見ているイネクビボソハムシの個体群は、イネ科のメヒシバに特化している気がする。近くにイネ科のエノコログサがあっても、そちらには全く付いていない気がする。

最後に、クビボソハムシ属には13種が属しているようだが、外観上の紛らわしい種類に、キオビクビボソハムシやアカクビボソハムシがいるようだが、どちらも上の写真の個体とは違うような気がする。この両種が好むのは、ツユクサとのことだが、本種が好んでいるのはメヒシバである。

タイトルでは、イネクビボソハムシ?としたが、一体、何というクビボソハムシなんだろう?