クロホシカメムシ Pyrrhocoris sinuaticollis Reuter, 1885

最近、近隣で見かけて写真に撮っていたカメムシである。

大きさは、体長9ミリぐらい。

種名は、ホシカメムシ科のクロホシカメムシだと思うのだが、どうなのであろう?

類似種にフタモンホシカメムシという種が居て、過去に投稿済みであったので、フタモンホシカメムシの可能性も視野に入れたが、フタモンホシカメムシの腹部を見た時に、脚の付け根辺りが広く白いらしい。一方、クロホシカメムシの腹部を見ると、脚の基部のみが褐色のようである。

この情報を掴んだので、上の写真の個体を実際に捕まえて、腹部の方から写真を撮ったものが以下である。

どうみても、脚の付け根の腹部の辺りに、白い部分は見て取れない。この事から、上の写真の個体は、クロホシカメムシであろうと思う。

このクロホシカメムシは、イネやダイズを吸汁することも知られている。

生息分布の方は、国内は、本州以南…‥九州に生息しているようである。海外は、朝鮮半島にはいるようである。また中国の長江沿線の内陸部からの報告も一部あるようである。

フタモンホシカメムシ 成虫 Pyrrhocoris sibiricus (Kuschakewitsch, 1866)

少し時間が開いてしまったが、11月22日に写真に撮っていたカメムシである。

指との比較で大きさを想像すると、体長8-9ミリといったところであっただろうか。

この晩秋の小春日和の日中に、地面を移動しているのを見かけて、あまりのすばしっこさに、カメラのピントを合わせれず、最終的には、摘み上げて写真に撮ったのが上の写真である。

初めて見るカメムシだと感じていたが、過去の投稿を確認したら、昨年の4月12日に、投稿済みの種と分かった。

種名は、フタモンホシカメムシ。

近似種に、クロホシカメムシという種が居るらしくて、簡単な見分け方は、腹部を見た時の脚の付け根の紋様パターンらしいが、クロホシカメムシは、その部分が薄褐色で、フタモンホシカメムシは、その部分が白黒の斑紋様になっているらしい。

そして、神様の悪戯なのか、そんな絶対に普段は敢えて写真に撮らないであろう腹部の写真を、今回は偶然に撮っていたのである。この個体を指で摘み上げる際に、偶然にひくっり返ったのだが、その時に、意外とメリハリのある腹部に興味を惹かれて、写真を撮っていたのである。

その写真が以下である。

上の写真を見る限り、フタモンホシカメムシの腹部の特徴を、しっかりと見てとれる。

さて、このフタモンホシカメムシの生息分布は、生息報告から推測すると、韓国と日本に集中しているようである。実際は、シベリア東部や中国東北地方にも生息しているようである。一応、国内の生息分布は、北海道から、九州近海の島嶼までとのことである。

稲を始めとした野菜を吸汁するようで、他の幾つかのカメムシと同様に、害虫としても認識されているようである。