ワスレナグモ 雄 Calommata signata
(Karsch, 1879)

最近、近隣で、違う場所で続け様に、このクモを見かけた。

大きさは、尾端から上顎(触手か?)の先までで10ミリぐらいだったであろうか。

2回とも、垂直の壁を高速で移動している瞬間に遭遇したわけだが、一瞬、アリグモ類の雄と思いそうになる。ただ、アリグモにしては、手脚がグニャグニャして少し長い気がする。

2回違う場所で見かけたことから、絶対に種名に辿り着けると信じ、調べ続けたところ、ジグモ科のワスレナグモの雄だと判明した。

ジグモというだけあって、地面を徘徊しているクモだが、今回は、ハエトリグモのように壁面を走り回っていた。このクモは、秋に、メスに出会うために、色々な場所を彷徨っているとのことだが、雌は、雄とは雰囲気が全然違い、大きさは3倍以上大きく、身体も、もっとプックリとしている。

雌が一年中いるのに対して、雄の寿命は、秋の9月〜10月の短い一時しかないようである。

このワスレナグモの生息分布は、国内は、本州、四国、九州。海外の分布は、済州島含む韓国からの報告があるようである。

ちなみに、意外だったのが、かなり珍しいクモなのか、準絶滅危惧種に指定している都道府県が、14都道府県。絶滅危惧Ⅱ類に指定しているのが、8都道府県、絶滅危惧I類に指定しているのが、3都道府県、他にも調査中の都道府県が4県もあった。こうなると、環境省のレッドデータに引っかかりそうだが、案の定、環境省も、準絶滅危惧種に、このワスレナグモを指定している。

トノサマガエル Rana nigromaculata (Hallowell, 1861 “1860”.)

最近、利根川を渡り、対岸の香取市にウナギ釣りに出かけた時に、近くに寄ってきた蛙である。

大きさは、体長3センチぐらいであった。

先ずは、近隣でこの手のカエルを見かけたら、元々居たであろうトウキョウダルマガエルか、後から入ってきたと思われるトノサマガエルかのどっちだろうとの比較検証が必要である。

そして、このカエルは、どっちであろうとの検証をすると、後ろ足の長い指が鼓膜の端まで届いていることから、トノサマガエルだと判断出来る。(ちなみに、このトノサマガエルだったという結果は、私にとっては意外で、もしかしたら、家の近所で見かけて、トウキョウダルマガエルとして投稿しているものは、トノサマガエルの可能性もあるなとの再検証の余地をもたらしてしまった感がある。)

それは、さておき、このトノサマガエルとトウキョウダルマガエルの詳しいことは、今年投稿したトウキョウダルマガエルの項を読んで頂ければと思うが……今回は、このカエルに出会った時に、ふと感じた率直な疑問を綴ってみたいと思う。

昼間に、このカエルにあっても、こんなに接近して写真を撮らせてもらえることなんか絶対無い……近づこうものなら、結構な遠くからでも異変を察知するとジャンプして逃げてしまうのに、夜は、どうしてこんなに警戒心なく緩慢な動きになるんだろうとの疑問である。トノサマガエル以外にも、ヌマガエルやアマガエルも同じ雰囲気で近くにいた。

天敵のサギ等が夜は活動していなくて油断している。夜は、スタミナが切れている。その場で夜釣りをしていたので、自分達の持って行ったランタン等に物凄い量の虫が飛来していたが、その虫を食べたい方が、身を晒す危険より優った。

まぁ、とにかく、理由は分からないが、なんとなく答えとしては、その場の蛙たちは、臨機応変の状況判断力が弱いというか遅いんじゃないかなと感じた。夜は危険が少ないという前提の方が、目先に迫る危険要素よりも優ってしまうほどに、このの蛙たちにとっての夜の帷は、楽園なのかなと思ってしまった。

ちなみに、このトノサマガエルも、トウキョウダルマガエル同様に、環境省のレッドデータで、準絶滅危惧種に指定されている。

モノアラガイ

最近、たまに遊びに出かける北の方角に隣の隣に位置する自治体内の小川に居るのは知っている。近隣近所では、見かけない(反陸棲?)の小さな巻貝である。

また、この貝の特徴として、殻が薄く内部の軟体部の紋様が透けて見えているという特徴も、個体差が殆どない特徴の一つの気がする。

大きさは、殻高で2センチあるかなぁといった感じである。近所でよく見るサカマキガイは、もう少し小さいので、これが、最近見かけなくなってきている(環境省準絶滅危惧種の)モノアラガイかと予想はしていたが、実際にそうであった。

さて、このモノアラガイを観察していると、ずーっと水中生活をしている貝というわけではなく、近くの抽水植物の茎なんかに登っている光景を、現場では目にしている。ただ、ジャンボタニシはともかく、在来のタニシの類が抽水植物の茎を高く登っている光景は見た記憶がない。ちなみに、在来のタニシは、コンクリートの壁は、登っている光景には出くわす。

さて、このモノアラガイが減ってしまった原因は、やっぱり農薬等で汚染された水や汚れすぎた水が原因なのであろうか。近所で見かけた事が無いが、近所でほぼ絶滅が確認出来たら、近所に再リリースするのもありかと思う。理由は、水質を知る環境指標的生物として使えると思ったからである。

ちなみに、このモノアラガイが居た小川には、少し陸の方(ところどころ被りながら)には、オカモノアラガイも生息していた。私の勘では、オカモノアラガイ(この投稿の主役はモノアラガイだが)は、暑さが苦手で、北へ北へ移動しているカタツムリの気がするが、我家から少しだけ北の地域には、まだ生息していることも知れた。

さて、このモノアラガイは、環境省のレッドデータで準絶滅危惧種、茨城県独自のレッドデータで、ワンランク上の絶滅危惧Ⅱ類に指定されている淡水小型巻貝である。