コセンダングサ

目下、シーズン的に近隣で咲き誇っているそれなりの草丈のある外来雑草である。

似た種類というか、このコセンダングサの変種と位置づけされている幾つかの種も、近隣の里山では容易に目に出来るので、確実に花が咲き揃うまでは、これがコセンダングサと言い切る事は難しいのではないであろうか。

ただ、花が咲いた時に、舌状花(花びら)がなく、茎が緑色であったら、このコセンダングサと思って良いのではと思う。

この場所のコセンダングサの群落は、3×10メートルぐらいの大きさだった。そして、ぱ〜っと見渡す限り、白い舌状花が見て取れる個体は混じっていなかった気がする。

何が言いたいかと言うと、姿形が殆ど同じで、ただ微妙に中途半端な白い舌状花が見て取れるアイノコセンダングサという種も近隣で見かけるが、それらは混じっていなかったという事実である。もちろん、はっきりとした白い舌状花を持つコシロノセンダングサも混じっていなかった。ちなみに、この3種は、同一種という見解もある。

とにかく、近隣の里山には、アメリカセンダングサを始め、外来のセンダングサの仲間が沢山生えており、時に無秩序な混生をしているように見受けられるが、案外、棲み分けの不文律みたいなものが存在するのかなとも感じ始めている自分も居る。

ちなみに、このコセンダングサは、少し前までは、特定外来生物法におけるなんらかの指定種に入れられていたはずであり、その時点の情報がネット上に数多く出回っているが、2018年に生態系被害防止対策外来種という用語が使われるようになってからは、指定からは外されているのを、先ほど確認した。

ちなみに、現在、生態系被害防止対策外来種の指定(緊急対策外来種、重点対策外来種に続く3段階目のその他の総合的対策外来種に当たる)を受けているセンダングサの仲間は、アメリカセンダングサと沖縄地方に拡がっているタチアワユキセンダングサの2種である。

実際のところ、現在のところ、茨城・栃木県より北部には、あまり生息域が伸びていないという環境省のデータがあったり、近隣の自然下で一面がコセンダングサみたいなスポットを見たことがなく猛威を振るっている印象は感じない。ただ、あの所謂ひっつき虫のタイプの種は、人が遠距離の移動を短時間で出来てしまう現代においては、要注意の原因にはなりうると思う。また、真実は分からないが強いアレロパシー効果を持っていると言われている事実が、日本の自然下ではどう働いているのであろうと、こちらも、今後、自分の目で確かめてみたいと思っている。

ただ、この日も、コセンダングサの群落には、キタテハの成虫が何匹も押し寄せ、幸せそうに蜜を吸っては、上空で乱舞している光景も目に入った。

人間の視点からの厄介者が、動物の視点からは天国みたいになってる事は、案外多い。

ミツカドコオロギ

先ほど、ツヅレサセコオロギの投稿をしたので、コオロギ繋がりで、もう一種、コオロギの投稿をしようと思う。

このコオロギの写真を撮ったのは、一週間ぐらい前だったと思う。場所は、近隣の田んぼの畔だった。畔にあったブロックか石をひっくり返したら、このコオロギが動かず、ジッとしてくれていたので、写真に撮った次第である。

名前は、ミツカドコオロギ。写真を見ても分かるように、頭部の両サイドに結構な張り出した部分が存在する。これは、ミツカドコオロギの特徴と言って良い。写真では分かりにくいが、実際のところ、頭部の上にもう一つ角みたいなものがあり、ここからミツカドコオロギの名が付いていると思われる。

大きさは、15〜20ミリぐらいの間だったと思う。

比較的乾燥した草原とか畑とかに生息しているとの事だが、この個体が居た場所は、田んぼと田んぼの間の畔であり、決して乾燥したイメージの場所では無かった。このことから、種を間違ってる可能性も鑑みて、同じオカメコオロギ属のタンボオカメコオロギを調べてみたが、タンボオカメコオロギは、もっと全身黒っぽく、サイズも一回り小さいようである。

さて、このミツカドコオロギの鳴き声であるが、ツヅレサセコオロギ同様に、ちょっと現時点の自分には、自然下で泣き声を聞き分けれるまでには至っていない。ワンシーズンに一種みたいな感じで、家の中で小さなケースで飼育して、鳴き声を聴き続ければ、身体がコオロギ達の鳴き声を覚える可能性はあるので、来年からは実践してみようかなとも考える。

まぁ、現実的に実践する余裕は無さそうだが……。

最後に、ツヅレサセコオロギの投稿で触れたが、同一種のコオロギの泣き声に、幾つかのバリエーションがある点への疑問が解決した。少なくとも、コオロギの仲間達には、ひとり鳴き、口説き鳴き、脅し鳴きといった状況によって鳴き声が変わる種が多く存在するようである。また、音を出すための翅を動かす筋肉に影響が出るのか、気温によっても鳴き声のテンポが変わったりするようである。

ツヅレサセコオロギ

数日前に、ちょっと人工的な環境下にあったブロックをひっくり返したら、このコオロギが1匹だけ鎮座していたので、写真に撮っていた。

写真は随分拡大してしまったが、実際の大きさは、1,5〜2センチ弱ぐらいではなかったであろうか。

調べたところ、ツヅレサセコオロギなのではとの結論に至った。

さて、このツヅレサセコオロギのツヅレサセの意味が、ネット上にヒットしてくる色々な人の紹介記事を読むだけでは、なかなか書いてあることに「あぁ〜」といったいった具合に頷けるまでは至れなかった。

ただ、最終的に、皆の書いてあることを、自分なりに統合して納得が行くものに統合してみると、そもそもツヅレ(綴れ)サセ(刺せ)の意味は、綴れがボロの着物の意味で解釈して、刺せの部分は、裁縫で補修しろみたいな意味に取った。

そして、ここからは少し飛躍するが、要は、秋の夜長にこれから来る冬の到来に向けて、昔の人が着物の補修をしている時に、おそらく土間かなんかで鳴いているコオロギのイメージから、このツヅレサセコオロギの名前が付いたのかなと納得してみた。

さて、このツヅレサセコオロギの鳴き声ってどんなものであろうと、ネット上で色々聞いてみたが、どうも鳴き方が一つではないようである。ちょっと、現時点の自分には、自然下で、ツヅレサセコオロギの鳴き声を聞き分けることには自信が無いというか、ハッキリと出来ないと思うと言っておく。

と、同時に、この鳴き方の違いが、どんな条件下で起きるのかを突き止める事が重要というか、凄く興味が湧いて来た。