カルガモ Anas zonorhyncha (Swinhoe, 1866)

最近、田んぼ周りで見かけるカモみたいな鳥が、全部同じ種類である事に気がつき始めた。

どんな鳥かと言うと、こんな鳥である。

同じ種と気が付いた理由は、逃げようと羽を広げた時に見える青い光沢のある部分の存在である。後で知ったことだが、嘴の先端が黄色いのも、本種の特徴のようである。

この特徴からなら、直ぐに種に辿り着けると思い調べたところ、あっさりとカルガモと判明。

そして、色々なことが繋がった。

このカルガモ達は、基本的に、中型以上の鳥にしては、警戒心が薄く、5メートルぐらいまで近付いても逃げようとしないのである。しかも、ちょっと遠くに行くだけで、本気で逃げない。

この理由は、人間を恐れない遺伝子が入っているからだと思いたい。元々のカルガモは、中国、ロシア東部、朝鮮半島に分布しているカモ科マガモ属の鳥だが、アヒルやマガモとも交配出来る(元々、マガモを家禽化して大きくしたのがアヒルである)ようで、この家禽のアヒルと交雑している個体群が、自然下には結構居ると思われる。

このカルガモの食性は、基本的に植物性らしく、植物の芽や種子を食べるようであるが、タニシ等の貝類や小魚を食べる事もあるようである。という事で、田んぼの稲は大丈夫なのかと言うと、植え付けるぐらいに育ったイネ苗は食べないのではと思いたい。もし、稲苗への害になるなら、農家の人達が、躍起になって駆除しているはずである。

そして、この留鳥も、田植えが始まった今時分から、田んぼで目に付き始めた感じだが、それまで何処に居たのであろうとの疑問が生まれる。何となく、草に覆われる小川を泳いでいて、人間が近付くと飛び立っていた鳥が、カルガモ達ではなかったかと思い始めている。バッチリとカルガモの形態的特徴を掴んだ現在であるので、今後は、しっかりと小川から飛び立つ鳥がカルガモでないか見極めてみようと思う。

さて、カルガモの生息分布はと言うと、東アジアの温帯地域に濃く生息しているカモ類であり、現在では、南はインドシナ半島の辺りまで、北はロシアと中国やモンゴルの国境地帯まで広く生息しているようである。

味は、そんなに悪くはないようで、日本においても、毎年、相当な数(20万羽以上)が狩猟されているとのことである。

カガリビコモリグモ Arctosa depectinata (Bösenberg & Strand, 1906)

だいぶ時が経ってしまったが、3月の終わりに自宅庭で写真に撮っていた小さなクモの名前が判明したので、投稿してみる事にする。

種名は、カガリビコモリグモ。

種名の由来は、腹部上面に赤い縦条(ライン)が見えることから来ているのだが、上の写真の個体も、目を凝らして見ると、薄っすらと濃い赤い色合いを見てとれる。

上の個体の雌雄が、私には分からないのだが、大きさは、どちらにせよ、体長5ミリぐらいのクモである。

生息分布の方は、国内は、北海道から九州を経て、沖縄本島含む南西諸島まで。海外の生息分布は、ちょっと調べただけでは、分からなかった。

ただ、このカガリビコモリグモの情報は、ネット上には、思いの外少なかった気がする。そんな蜘蛛に、自宅の庭で出会えるのは、幸せなことかもしれない。

マダラフクログモ? 雌 Clubiona deletrix O. Pickard-Cambridge, 1885

かなり時が過ぎてしまったが、本年の4月の頭に写真に撮っていたクモの名前が分かったかなと思うので、投稿してみる。

大きさは、正直覚えていないのだが、この色合いがメスのもので、マダラフクログモの雌の平均サイズが7ミリ弱ぐらいだとすると、そんなもんだったのであろうと、無責任な言い方になるのをお許し頂きたい。

フクログモというだけあって、巣が袋みたいになっているんだと思われる。

さて、このマダラフクログモの生息分布は、本州と九州に生息しているようである。海外の生息報告は、中国の東南部の広州の沿岸部と、北の長江河口の蘇州(上海)の辺りから上がっている。