ヤマアカガエル 鳴き声 Rana ornativentris Werner, 1903)

今年も我家の庭に、ヤマアカガエルが産卵準備の為に訪れている。

ここ4,5年は、必ずやって来ている気がする。残念ながら、今年は、雄は鳴けども、肝心な雌が現れてくれない。我家のタライからは、毎年100匹近いヤマアカガエルの子供が上陸して行くが、そのうちの雌の1匹も自然下で生き残りが出来なかったということであろうか?

今年は、初めて鳴いてる姿を動画に撮ったので、以下に貼り付けておく事にする。

さて、このヤマアカガエルは、元々、我家の庭に生息していたわけではなく、7、8年前に一回だけ購入して、庭のタライに入れておいた卵から孵化した個体が、歴代繁殖しているのである。ただ、産卵しているのに気が付いたのは、4年前からである。家族から、庭で不思議な鳴き声がするとの報告で気が付いた。それからは、毎年3月の雨の日には、必ず鳴き声が聞けるようになった。

ちなみに、家の近所には、数は多くはないが、探せばニホンアカガエルは自生している。そして、このニホンアカガエルの卵塊も持ち帰っては、家の他の場所の水蓮鉢等に入れたりするのだが、オタマジャクシは上陸してゆくものの、産卵に再び訪れている気はしない。ニホンアカガエルとヤマアカガエルを比べた時に、ヤマアカガエルの方が少し大きく身体つきががっちりしている印象を受けるが、同所では、ニホンアカガエルの方がヤマアカガエルに追いやられてしまう可能性も仮説として頭に入れ、我家での2種の動向は観察している。

生息分布の方は、国内は、北海道から九州近海まではいるのではないだろうか。海外の方は、一応知られていないが、海外の中国の方の写真とかを見ると、ニホンアカガエルRana japonica Boulenger, 1879 と本種を取り違えているのではと思えるような写真もあるので、いまいち確かなことは言えない。

ただ、ヤマアカガエルとニホンアカガエルの国内の生息分布を眺めていると、ニホンアカガエルの方が九州等の南の地域からの報告が目立ち、暖かい気候に適応しているように思いたくなる。ヤマアカガエルの方が、少し標高の高い場所にいる事も、その特性を物語っている気がする。

レッドデータ的には、ニホンアカガエルの方が、断然、絶滅を危惧している種として扱われているが、産卵は、ちょっとした田んぼの水溜りでも行われるので、その後の成体が身を隠せるような湿った森や林の平地での減少の方が影響しているのではと、私は考えている。

クロモンキノメイガ 成虫 Udea testacea (Butler, 1879) 2nd

最近、この蛾の写真を撮っていた。

秋と春先に、よく見かける蛾である。過去にも、投稿済みの種であるが、今回撮った写真の方が紋様の特徴が分かりやすいと思ったので、再投稿している。

大きさは、前翅長で8ミリぐらい。

種名は、クロモンキノメイガ。

この蛾の特徴としては、小さめのノメイガであり、後翅が見えない形で、細めなシルエットで静止するタイプかもしれない。

幼虫の食草は、多岐にわたっていて、野菜類も食べるため、害虫と捉えられている一面もあるようである。最初の方で、秋と春先に目立つ蛾であるとの感想を書いたが、どうしても、緑が減ってくる秋から冬の間に幼虫期間があると、冬野菜や、冬に元気な植物が狙われてしまうのかなとも推測する。

この蛾の生息分布は、国内は、北海道から九州近海を経て、沖縄本島付近までの幾つかの島嶼までで確認されているようである。何となく、寒い地方の蛾を連想してしまい、海外の生息分布も、その傾向で眺めそうになったが、日本以外では、台湾からの生息報告が多数上がっているようである。

スジモンヒトリ 成虫 2化目? 3化目? Spilarctia seriatopunctata seriatopunctata (Motschulsky, [1861]).

数日前に我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

大きさは、前翅長2センチちょっとぐらいであったであろうか。

背側の上の方に一本の黒筋が見えるので、初めて「セスジヒトリ発見!」となりそうだったが、騙されないというか、目の付け所が肥えて来ていた。

前翅の前縁の上の方に、前縁に沿う形で、黒い筋紋様が見て取れる。ネット上のセスジヒトリの画像を見ると、この部分に紋様はないのである。代わりに、黒い背筋の見えるスジモンヒトリがいるとの情報がチラッと目に入った。

そして、上の個体は、その黒い背筋の見えるスジモンヒトリだろうなとの結論に至った。

ところで、このスジモンヒトリに関しては、春から初夏かけて数個体に出会った中で、年何回羽化している蛾なんだろうとの好奇心を抱いていたが、今回、9月に出会えたことで、まぁ秋にも出現している蛾なのは、自分自身の目で確かめる事が出来た。

このスジモンヒトリに関する基本的な情報は、春に投稿したスジモンヒトリの記事に譲ることとする。

最後に、今回のスジモンヒトリの翅裏の方が見て取れる写真を貼り付けておく。(どうしても、光量の少ない場所で写したので、ピンボケになってしまった。)