リンゴドクガ

昨夜、久し振りに懐中電灯を片手に、我家の庭の夜間パトロールをしてみた。

最近、我家の庭の生態系のバランスが取れているのか、何かが異常繁殖してる?とかは、感じないし、小さな昆虫達にとっては、捕食者達の数が増えているのか、あまり出くわさなくなってきている気がするが、昨夜のパトロールでは、数種類の昆虫や小さな生き物を見つける事ができた。

雨上がりのモミジの木に1匹だけくっ付いていたのが、この蛾の幼虫。

リンゴドクガの幼虫。我家の庭では、ごくたまに見かける。大抵は、単独で1匹見つかるだけで、今回もそう。

そして、ドクガと呼ばれてるけど、毒は無いらしい。写真では、下の方が頭になるが、頭の方にある黒いラインは、興奮するともう少し太く押し出されて来るとの事である。カレハガの幼虫とかと同じ形態かな。

また、尾の方から2節目に、極小の粒が見てとれるが、これが、腺状物という器官で、興奮すると膨らみ、何か敵に不快な物質を出すところらしい。確かに、カレハガの幼虫も観察しようと捕まえた直後、尾の方に、オレンジのポチッとしたものが現れたのを覚えている。

このリンゴドクガの幼虫は、広く広葉樹の葉なら、結構何でも餌にできるタイプなのではと思うので、個別に樹木の名前をここであげることは控える。

毒が無いのにドクガと呼ばれ、人間から忌み嫌われる。人間だったら、人権問題だよね。虫達も、正しい名前で分類される日が来ること、もしくは正しい知識で接せられる日が来る事を願って、この投稿を締めくくる。

ニホンヤモリ

私が住む茨城県の南部では、以前、私が住んだことのある九州や、埼玉の都心に近いエリアで当たり前に見かけていたのとは打って変わって、ヤモリはそんなには沢山居ない。

私の中での夏の風物詩に、家の窓から漏れる灯りに集まる虫達を、ヤモリが捕食するのを、家の中から、窓ガラス越しに眺めるというものが有るのだが、そのヤモリの行動は見てて飽きず、ヤモリって可愛らしい生き物だなというのが、私の中でのヤモリの印象である。

しかし、茨城に移り住んで10年近く、中々、ヤモリとは出逢えない日々が続いていた。雨風を凌げそうな倉庫内に舞い込んだ落ち葉等を、職場近くで掃除してる時に、極たまに、眠そうに小さなヤモリが現れるのを見て、ヤモリが生息はしているんだなと実感するぐらいであった。やはり、南方系の生き物のヤモリは、真冬にマイナス10度近くになる地域では、生息できないのかな〜と分析していた。

そして、新築した家の外灯に、ヤモリが寄って来てないか、毎年暖かくなると、期待に胸膨らませてる自分が居たけど、その後も、我家の壁にヤモリの姿を見つける事は無かった。

そんな折、真冬の寒い時期に、近くの妻の実家の古い物置の中の物を整理する機会が有った。要らないものは処分しようと色々な箱を開けると、中から丸々太った冬眠中のヤモリが、次から次に現れたのだった。

私は、そのうちの15匹ぐらいを、我家に持ち帰り、隣接する土地の使われていないボロボロの廃屋化した物置の中に、滑り込ませた。もちろん、我家の敷地内で繁殖してくれたら、嬉しいのにとの気持ちを込めて……と同時に、今までと違う環境に、真冬のこんな時期にリリースして、冬の寒さを生き残れるんだろうかとの罪悪感も、有ったことにしておこう。

そして、リリースした事も忘れかけたその年の夏の始め、妻が帰宅の時に玄関の外灯の所から、ヤモリっぽいのが、落ちてきて、植え込みに消えて行ったような気がすると言ってきた。私は、直ぐに、大きさ?等の質問をした。大きさに関する質問をした理由は、リリースした丸々太ったヤモリ達が生き残っているのか、新しく生まれた小さなヤモリを見たのかが知りたかったのだ。

それから、数日後、家の大きな明かり取りの窓に、子供が何か多分ヤモリっぽいのが付いているよと、興奮気味に教えてくれた。確かに、ヤモリだった。しかも、私がリリースしたもの達より、明らかに小さな個体も混ざっている。

今年も、数日前に、大きな明かり取りの窓にへばり付き、灯りに寄って来る虫を狙うヤモリを見ることが出来、ほっと一安心!

ヤモリ、可愛いよね〜


ちなみに、このヤモリという生き物。古来から日本に生息していたというわけでは無いらしい。平安時代辺りに、入ってきたと言ってる人達も居る。熱帯の国の生き物のイメージがあるし、頷ける。

過去に2000年版の茨城県のレッドデータ・リストでは、今後の生息状況を注視する生き物として紹介されていたみたいだが、その後、生息域や生息報告の増加で、レッドリストからは、現在外されている。

茨城県のホームページでは触れられていないが、生息数増加の一因は、明らかに温暖化も関係していると思う。

アズマヒキガエル

ヒキガエルと言えば、比較的都会育ちの私も、小さい頃から馴染みのある生物というかカエルである。

当時は、住宅地の中に、疎らに松林や、空き地が点在していたが、全てが、子供達の放課後の遊び場だった。そんな、空き地で、草野球をするのが日課だったが、ボールが少し茂った草むらの中に消えると、必ず、このヒキガエルが居た。しかも、結構な密度で……

本能的に、ヒキガエルの目つき(表情や)、重い体を引きづるように上下に揺れながら進む歩き方や、体表のデコボコが、ダメで、出会った途端、萎縮してしまう子供の自分が居た。その後、九州に引っ越すと、同時に、このヒキガエルの悪夢からは解放されることになった。

さて、現在、私達家族が暮らしている地域にもヒキガエルは居る。たまに親ガエルを見かける程度であるが、つくば山のガマとかの地方的な言い回しが存在するぐらいで、ある意味、有名だったりもする地域である。

以下の写真は、春に、近所の田んぼ脇の水溜りで見つけたヒキガエルの卵塊である。

こうして、春に、ヒキガエルの卵塊は、よく見かけるのだが、ヒキガエルの成体に出会うことは滅多に無い。こうした卵から孵化したかなりの数の、いや無数と言えるヒキガエルのオタマジャクシが泳いでいるのは、よく見るけど、人家近くでも、林の中でも、成体には、殆ど出会うことは無い。この辺は、子供の時に親の転勤で移り住んだ九州の地と一緒である。

私が、たまに気晴らしにカブトムシやクワガタムシを採りに入る林にも、敷地内にに、大きめな人工の池があり、やはり、時期には、物凄い数のヒキガエルのオタマジャクシで溢れかえっている時がある。

このまま成長して、上陸されると、林の中で出会うことは間違いないであろうし、ちょっとした物音(苦手な生物の気配)にも萎縮して歩かなければならなくなりそうで、嫌だなと思うのだが、どうしてこれが、成体のヒキガエルとニアミスしたことは、殆ど無いのである。

以前住んでいたアパートの、玄関灯の下に暗くなると現れていた一時期が有るのと、昨年、学校の校舎裏でトカゲ(カナヘビではない)を、子供と追いかけていた時、逃げ込んだと思われるトタン板をめくたっら、その下の窪みに、かなり大きく成長したヒキガエルが鎮座していた。あとは、数年に一回、雨の日に道路を横断している姿を目撃する事が有るぐらいで有る。

ヒキガエルからすると、強力な捕食者がいるのかな〜。上陸間際の幼体は、カラスに虱潰しに食べられてるような気もするし、タヌキやハクビシンなんかも、食べたりするのかな〜

蛇もカエルは食べるけど、カエル大好きヤマカガシという蛇を、近隣で見かけたことないし、他のよく出くわすアオダイショウやシマヘビが、大きなカエルを飲み込むのに苦戦してる場面にも出くわした事は無い。

ちょっと、原因を突き止めたいと思う今日この頃。