本日の夕方、我家から2キロほど離れた親戚の家に、仕事帰りにたまたま立ち寄った時に、見つけて、写真に収めた。
短歯型のノコギリクワガタの雄。我家の近隣で出会えるクワガタと言えば、コクワガタとノコギリクワガタの2種。過去に旅行先や引越し先で捕まえた事があるヒラタクワガタやミヤマクワガタやアカアシクワガタは、近隣で一度も見かけた事は無い。
そんなノコギリクワガタ、今年は、それほど当たり年では無かった気がする。年によっては、立派な大顎(大アゴ)を備えた大きなノコギリクワガタのオスと幾度と遭遇出来る年もある。そして、ノコギリクワガタと言うと、カブトムシのオスと同じく、8月いっぱいぐらいまでで寿命を迎え姿を消すイメージを持っている。この9月の半ばを過ぎても健在なノコギリクワガタのオス、未だに繁殖の相手を見つけれずに彷徨っているのかもしれない。
最後に、このノコギリクワガタに関する私の幼少の思い出を書いておく。私が育った街中の環境では、ノコギリクワガタを自然下で見つける事は奇跡でしかなかった。時折、家の網戸に、カブトムシが飛んで来てしがみ付いただけで大興奮の環境であった。(誰かが逃したカブトムシの可能性も多大にある中)
そんな小学生時代にも、夏の旅行先でノコギリクワガタを捕まえ持ち帰り、飼い始めることがあった。そして、同時に、アゴが湾曲せずに小さく真っ直ぐのノコギリクワガタも存在する事を、子供向けの昆虫の本で知っていた。そして、絶対飼ってみたいとの気持ちは、どんどんと強くなっていっていた。
そして、ある時、千葉駅に徒歩圏内の住宅地に住んでいた私は、千葉駅前のSOGOの隣にあったニューナラヤというデパートの屋上で、小さな網を張り巡らせた小屋みたいなところに、ちょっとした自然が再現され、カブトムシや数種類のクワガタが放されていて、自分で捕まえた奴をレジに持って行って購入するという形で販売されている事を知る事になった。
数回の下見の後、短歯型のノコギリクワガタが居ることを突き止めた私は、小遣いを握りしめて、その短歯型のノコギリクワガタを、レジへと持ち込んだのだった。確か、ノコギリクワガタの雄は、800円だった気がする。あとは、会計を済ませて、自転車か小走りで、家に帰り、その戦利品というかニューカマーを繁々と眺めるだけであった。
ところが、レジのお姉さんが、「どうして、こんなに小さなツノの奇形っぽいのを買うの?大きいのは怖くて捕まえられないの?私が、代わりに捕まえてあげようか?」との予定外の問答を吹きかけて来たのであった。私は、ひたすら、これで良いんですと連呼し、なんとかその短歯型のノコギリクワガタを購入し、家に持ち帰る事に成功したのであった。最後まで、そのお姉さんが怪訝そうな顔をしていたのを、今でも思い出せる。
ちなみに、この短歯型のノコギリクワガタは、幼虫時代の栄養不足が影響しているとの認識を持っているが、果たして現代の知識でも、それであっているのであろうか?
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2021年6月7日追記
数日前に、我家の外灯下に中大型のノコギリクワガタの雄が飛来していた。
一瞬、エラが張っているように見えて、ミヤマクワガタと思ったが、中歯型のノコギリクワガタだと思う。
朽木の中から這い出して来たばかりなのか、牙に付いた泥のようなものが新鮮さを感じる。
人間なんかより全然短い寿命だけど、その人生を思い切り謳歌して欲しいと心の中で送り出した。