ツヤアオカメムシ  

今日の日中は予報通り、とても暖かくなったが、暖かさに惑わされて、本格的な春の訪れを待たずして活動を始めた昆虫もきっと居たに違いない。

そんな昆虫のひとつに、仕事先のコンクリート上でジッとしていた以下のカメムシも居たのではないであろうか。

ネットで調べたところ、ツヤアオカメムシという種に行き着いた。凄く似た種に、アオクサカメムシとミナミアオカメムシが居るらしいが、写真の個体は、ツヤアオカメムシなのではと思う。

ツヤアオカメムシの習性としては、幼虫の時は、スギやヒノキの球果を吸汁し、成虫になる夏頃には、柑橘や桃や柿といった果実を吸汁し始めるらしい。

この個体を見つけた場所の近くでは、少し前に潰れて亡骸となったツヤアオカメムシも目撃していたので、この場所で繁殖してるのかなとは思いたい。

そして、確かに、幼虫が吸汁できる球果と言えば、ヒノキの仲間のサワラの木が、近くに結構生えている。ただ、成虫が吸汁出来そうな果実の木は見当たらない気がする。

因みに、このツヤアオカメムシは、成虫で越冬するみたいなので、この写真の個体も越冬中の個体である。ここ数日の季節外れの気温上昇に活動を再開してみたのであろう。

そうだ、重要な事を書き忘れていた。明らかに越冬中で動きが鈍そうであったので、このツヤアオカメムシを掌に乗せて、落ち着いて写真を撮る事ができたのだが、私は、このカメムシの放つ匂いも確認してみたかったのだった。

冬の寒さの中での弱々しい動きが匂いの弱放出に影響しているのか、掌には微香が移るだけだったが、しかと匂いの確認は出来た。カメムシ特有のあの不思議なまったりした匂いはしてくるが、微香のせいか不快な匂いとは言い切れない。ずっと嗅いでいると、キャラメルのような甘い匂いにも感じて来れる。そして、驚きだったのは、その匂いとは別の、ハッキリと爽やか系の匂いも放出していたことであった。その爽やかな匂いは、柑橘とまではいかないまでの、山椒というか、一番、的を得ているのは、男性化粧品とかの爽やかな匂いである。

とにかく、人間の脳には、かなり良い匂いと認識される匂いであった事は伝えたい。

ヨコエビの仲間 フロリダマミズヨコエビ?

今年のお正月休みに近所の水路で、子供とガサガサして遊んだ時に、この虫(?)も沢山採れる場所があった。

たまに見かける生物であったが、生まれて初めて、この生物の名前を真剣に調べ始めてみた。すると、ヨコエビという種類で、エビやカニの仲間でもあり、ワラジムシやダンゴムシの仲間に近い事が分かった。

現在日本には、淡水ヨコエビの仲間は、9科14属36種が知られていて、正直、捕獲したものをルーペとかを使って慎重に調べてみないと、安易には種の断定は出来ない。ただ、ヨコエビの仲間は、地下水等に生息しているものも多く、眼が退化している種も多いので、そういう意味では、上の写真の個体は、長い触角の根元に、大きな茶色い眼を見てとれる。

生息した場所は、結構な量の湧水が流れる水路であったが、夏期の水温は決して低い状態を維持できるかは疑問の場所である。

そうした事と地理的要因を考慮すると、1989年に千葉県の我孫子市の古利根沼で国内初めて生息確認され、日本各地に広がりつつある北米原産の外来種フロリダマミズヨコエビの可能性を考えたいが、現時点では断定はしないでおく。

ホンドタヌキ

昨日、お昼頃、帰宅時に、ちょうど家の玄関の脇を、見慣れない動物のシルエットが小走りに移動するのが目に留まった。ただ、その動物の正体を見抜くには、目撃場所は玄関から少し遠かった。

疾走するわけでもなく徘徊しているわけでもないその未知なる生き物(灰色で猫より少し大きくバサバサの長毛であった)の正体を突き止めようと、シルエットが消えた壁の向こうに回り、その生き物が進んだ方向を探すと、遠く隣家の裏庭で、こちらを振り返ってるその生き物の姿があった。

遠過ぎたし、スマホも持っていなかったので、写真に撮れなかったが、明らかに狸であった。

さて、昼間に警戒心薄く出歩いている狸に私が一般的に抱く印象といえば、もう超高齢の少し認知症の兆候のある晩年タヌキといったイメージである。これまでの出会いで、こうした狸たちは、大概が毛並みや毛艶がボロボロと言った印象がある。たまに、交通事故で亡くなった丸々太った艶々の毛並みの狸の死体も目にする事が有るので、狸の毛並みや毛艶も、年齢や栄養状態によって様々な気がする。

近所で狸の交通事故による亡骸は、たまに見ていたが、我家の庭での狸との遭遇は、初めてだったので、細やかな感動と共に投稿をしてみた次第である。

暇な時に、近所の林を散策していると、狸が溜糞(同じ場所に糞をする習性)している痕跡によく出会す事がある。

最後に、随分昔の写真であるが、冬場に小貝川の護岸を歩いていた時に、数十メートル置きに狸の溜糞を見つけ、それを写真に撮ったものを投稿して、この投稿を締め括らせてもらう。その写真を撮った場所は、大きな河川の護岸という事で、辺り一面障害物になるようなものは何もない場所だったが、夜行性の狸には危険な場所では無いようである。