昨日、何処かへ釣りに出かけようと準備をしていると、結構良い時間……午後過ぎになってしまった。
遠くに行くのは面倒になったし、冷蔵庫には、餌のアカムシがあった気がするし、家の近所の小川(用水路)で、タナゴ釣りでもしてみるかと出掛けた。
しかし、小さな手頃なサイズの針が無いことに気が付き、(極小のタナゴ鈎は沢山あったが、その川のタナゴはもっと大きめの鉤で大丈夫なのである)、近所のホームセンターに買いに行って現地に着くと、時間は16時半。今から仕掛けを作って釣り始めるのも、夕暮れに追われて忙しないし、いっその事、長靴に履き替えて、車にあるタモ網でガサガサをしてみることにした。
直ぐに、タイリクバラタナゴではない小さなタナゴの稚魚が採れた。釣ろうとしていた魚達は居ると確信し、ガサガサを続けると、婚姻色の薄めになったアカヒレタビラのオスが網に入った。
もう少し、タナゴの顔が見たいなとガサガサを続けると、かなり大きめのタナゴが2匹網に入った。直ぐに、カネヒラというタナゴだろうと思ったが、家に帰って、確実に確認したところ、カネヒラで間違いなかった。
カネヒラというタナゴが、近隣の水系に所々居るのは知っていたが、我家の近所でも繁殖している事を確認した。
そして、本日、同じ場所に子供とタモ網を持って出掛けると、今度は大きなメスに混じり、少し小ぶりなオスも2匹取ることが出来た。
さて、このカネヒラとの自然下での出会いは、何十年ぶりだろう。おそらく30年ちょっと前に、九州の福岡市を流れる河川の中流部の堰堤で、真夏の炎天下の中、ピンクに色付くカネヒラを数匹釣ったのを覚えている。その川では、他の日に他のポイントで結構な流れの中からニホンバラタナゴも釣れてきたのを覚えている。
本来は、このカネヒラというタナゴは、琵琶湖辺りから九州まで日本海側を生息域にしていた魚である。関東の霞ヶ浦水系では、1970年代には定着が確認されている。
我家の近所のカネヒラは、その時代からの生き残りなのか、最近、タナゴ釣りの愛好家が放流したものが短期的に自然繁殖したものなのかは、私には分からない。