ソトジロコブガ? 成虫

数日前に我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

ヤガ科のコヤガの仲間かなと思い、調べ始めたが、適当な種に行き当たらず、コブガ科を当たったら、それらしき種に行き着いた。

大きさは、前翅長で8ミリぐらい。ソトジロコブガという種である可能性が有力である。似た種に、ウスアオモンコブガ(幼虫の食草:アラカシ)という種がいるが、上の写真の個体は、ソトジロコブガなのではと思う。ソトジロコブガの幼虫の食草は、知られていない。

根拠の一つには、雄の触角の形状も参考になるかと思われる。分かりづらいが、上の写真でも微かに触覚が櫛髭状になっているのが見て取れる。そして、ネット上のソトジロコブガの写真には、櫛髭状の触覚を持った個体の写真も多数上がっている。一方で、ウスアオモンコブガの写真の中に、櫛髭状況の触角を持つ個体の写真は見つけられない。(たまたまかもしれないが…)

ところで、このソトジロコブガもウスアオモンコブガも、南方系の蛾であり、台湾や南西諸島、本州は関東以西が生息域の蛾のはずである。

近年の温暖化で、日本列島を北上中の昆虫のひとつと言えるであろう。

マツカサガイ

前回の祝日に、隣の隣の隣の自治体の川に、ガサガサをしに出かけた。平成の大合併で、自治体は大きくなり、高速道路を使い車で40分ぐらいの距離にある場所である。

その小川では、ドブガイの殻が直ぐに目に入ったので、タナゴも居るに違いないとは感じたが、網には、タイリクバラタナゴが直ぐに入った。

しかし、数回のガサのあと、別のタナゴが入ってきた。知識的に、ヤリタナゴだと、直ぐに分かった。

そして、そのガサの合間に、少し泥を掬ってしまった際に、小さな2枚貝が入っていることに気が付いた。元々、小さめのドブガイを3匹ぐらい持って帰ろうとしていたので、その貝も、バケツに落とし込んだ。

いざ、帰宅後に、捕まえた生物を仕分けしていると、先ほど捕まえた貝のひとつが、ドブガイではない事に気が付いた。そして、イシガイでも無ければ、これが、マツカサガイかと気が付いた。

名前は、マツカサガイ。大きさは、6センチぐらいになる貝らしい。私が捕まえたものは、4センチちょっとぐらいだったかなぁ。

家の近所の水系にも、ドブガイは結構居るし、イシガイも居なくはない。しかし、マツカサガイは、自然下では初めて見た。

最初は、マツカサガイと気が付かずにバケツに放り込んだのだが、改めて手に取るとドブガイやイシガイと間違いようがない貝だと実感した。殻は、分厚く、ドブガイの同サイズとは比べようがない。イシガイの幼体よりも、しっかりした頑丈な殻に思える。また、紋様の方も、マツカサ(松笠?)の謂れと思われる凸凹の紋様がクッキリと現れている。

さて、この場所には、ヤリタナゴがタイリクバラタナゴと同じぐらいの比率でいたが、ヤリタナゴが好む貝が、マツカサガイらしい。ヤリタナゴ自体は、近所の小川でも捕まえる事はあるが、マツカサガイは目にしたことがないので、イシガイや小さめのドブガイといったいった他の貝も、ヤリタナゴが産卵に使っていると考えたいが、ヤリタナゴのマツカサガイの嗜好性がいかほどなのかは知りたい気がする。マツカサガイの方が、多くヤリタナゴの稚魚を産出するなら、近所の小川にもマツカサガイを復活させたい気もする。

今回、捕まえたマツカサガイは、タナゴ釣りの愛好家が、ヤリタナゴが増えろと投げ入れ(たまにやってる思う)た個体群が増えていったものなのか、元々昔からその場所に居たものなのかは、今回一回だけ、そのフィールドに行った経験では、分からない。

ただ、小さめのマツカサガイ……とても可愛い貝だと思った。環境省のレッドデータで、準絶滅危惧種に指定されている貝である。茨城県のレッドデータでは、ワンランク上の絶滅危惧Ⅱ類に指定されている。