ナツアカネ

最近、とうとうナツアカネの写真を近隣で写すことが出来たので、投稿してみる。

大きさの方は、アキアカネより微妙に小さい。体長4センチ弱のトンボで腹部は2センチぐらいである。捕まえてみると、小さいなという印象が芽生えた。

目下、近隣で見かけるトンボと言えば、ノシメトンボとアキアカネである(シオカラトンボやオオシオカラトンボのシーズンは終わっている)が、ノシメトンボが、巡洋艦なら、アキアカネが軽巡洋艦、ナツアカネが駆逐艦といったところであろうか。サイズ比較の個人的なイメージである。

ところで、アキアカネやノシメトンボに混じって、極たまに、ナツアカネが混じっているのは感じていた。ただ、いつも写真で確認出来るようにと、写真を撮ろうと近付くと、逃げられてばかりであった。

という事で、今回は、いっその事こと、捕まえてしまった。

ナツアカネとアキアカネの違いとしては、両種とも6月から12月の頭ぐらいまで見られるトンボであるが、アキアカネの方は、夏の間、涼しい高地に移動するという習性を持っている。

近隣でアキアカネよりもナツアカネを見かけない気がするが、ナツアカネは止水環境でヤゴが育ち、アキアカネの方は少し緩く流れがある環境を好むようである。

形態的特徴としては、ナツアカネのオスは、アキアカネのオスと違って、顔から胸部から尾の先まで全身赤く染まるトンボである。私は、この胸部まで赤く染まっている特徴を、フィールドで見分けている。そして、胸部を横から見た時の真ん中の黒い筋の形で、決定的にナツアカネと同定出来るのである。

ナツアカネやアキアカネに代表されるアカトンボ……昔の方が沢山いた気がする。なんか寂しさを憶える。

ベニバナボロギク C. crepidioides

数年前から、この植物の事は知っていた。とある場所に小さな群落があり、毎年、夏の終わり頃から、一般的な花とは言えないような赤い筒状花を咲かせるこの植物を目にしてきていた。

ただ、その場所以外で見たことがなく、その場所の群落は人為性を強く感じ、近隣の身近な植物とは、私の中で言い難いため、投稿は控えてきた。

しかし、最近、ポツリポツリと慎ましくではあるが、近隣の別の場所でも2箇所ほど見る機会があったので、身近に生える植物として、投稿してみる。

名前は、ベニバナボロギク。アフリカ原産の外来種で、日本で生息が確認されたのは、1947年から1950年の間に九州においてであった。

ざっと調べたが、生態系被害防止対策種には含まれていないようである。

さて、ボロギクと名前が付く植物で他に思い付くのは、ノボロギク(ヨーロッパ原産で、渡来は明治初期)とダンドボロギク(北アメリカ原産で、1933年に愛知県段戸山で初確認)の2種だが、どちらも近隣では見かける。ノボロギクの方が、来歴が全然長いためなのか、近隣の何処にでも生えてくる感じである。

そして、ダンドボロギクと言えば、偶然、自分は気が付いたのだが、茎を折ると、みずみずしく、なんとも爽やかにスパイシーな好感の持てる匂いを嗅がせてくれる植物である。匂いは似ていて全然違うが、ミョウガみたいな雰囲気である。暇があったら、ダンドボロギクを料理に使ってみたいと思いながら、今のところ実現していない。

という事で、今回、属は違えど似た雰囲気の今回のベニバナボロギクも、匂いの方はどうなのであろうと好奇心を持っていた。茎を折って、匂いを嗅いだところ、確かにダンドボロギクに近いような匂いは持っている。

また、実際のところ、このベニバナボロギクは、野菜としても食べている国があるようである。春菊のような味と食感との事だが、そのうち試す心の余裕と時間が出来る事を願う。