オビヒトリ 成虫 腹部の色

最近、このヒトリガの仲間と思しき蛾を見つけ、写真を撮りながら観察した事があった。

ちなみに、この日、同じ場所にアカハラゴマダラヒトリもいたが、本個体は、アカハラゴマダラヒトリと思われる蛾よりは一回り大きく、腹部を観察したところ、アカハラゴマダラヒトリとは別種であろうとの結論に至っている。腹部の雰囲気が全然違う気がする。

腹部は以下のような感じであった。

正直、赤が濃くってムラが無いのに驚いた。同時に、腹部の太さというかふっくら感も目立つ。

こうした特徴で調べたところ、本種は、オビヒトリという種に行き着いた。

過去に、オビヒトリの投稿はしているが、そちらが本当にオビヒトリなのかも再検討する余地も浮上してきた。この手の白い翅系のヒトリガ達は、上翅の紋様ではなく、腹部の特徴の方が種の特定には根拠を持たせれるような気がして来ている。

さて、今回の、オビヒトリと同定した蛾の特徴として、他に気が付いた点を上げていくと……。

○ 触角が、櫛歯状には見えず、おまけに先の方が白いという特徴が見てとれた。

○ 脚部の雰囲気がだが、黒い部分が目立っているところも、本種の特徴の気がする。夏の終わりに現れる同サイズで、似た雰囲気のシロヒトリは、反対に脚部の踵節と脛節は白い。

また、今回の個体の翅の表面は、少しクリーム色だが、シロヒトリは、純白のイメージである。

ギンバネヒメシャク 成虫

二日前に、我家の外灯下に来ていた蛾である。

この蛾の最大の特徴としては、シャクガの仲間っぽく見えるが、とにかく小さいなと思った。

一般的に5月6月に現れるギンバネヒメシャクかと思われる。ギンバネヒメシャクの説明で、開張で17ミリ〜と書いてある記事が多かったが、私の印象では、開張でギリギリ10ミリ超えるかなぐらいのとても小さなサイズであったのを覚えている。

幼虫の食草は、タデ科のミゾソバとの事だが、少し離れたところの田んぼ周りには、よく生えている植物である。

この蛾の生息域は、本州から南西諸島までとの事である。

アカハラゴマダラヒトリ?  成虫 Spilosoma punctarium

キハラゴマダラヒトリを見かけるようになってから早いもんで1ヶ月弱が過ぎようとしている最近の事である。

気まぐれで、久しぶりにキハラゴマダラヒトリの腹部でも確認するかと、摘んで腹部を見て、オヤッてなった。キハラゴマダラヒトリの山吹色の腹部を予想していたのだが、この個体は違った。腹部が朱色である。

腹部の色が確認出来る写真も以下に。

こうなって来ると、これがアカハラゴマダラヒトリなのかと思ってしまいたい自分がいる。

自分の仮説では、キハラゴマダラヒトリとアカハラゴマダラヒトリは、明確に棲み分け環境や生息時期が違うに違いない……そうあって欲しいと思いたかったのだが、ここに来て、完全な同所(少し前までキハラゴマダラヒトリを沢山目撃して来ていた同じ場所である)に、生息時期もそれほど変わらず共生もしくは誕生している事実を知ってしまったのである。

また、私はキハラゴマダラヒトリとアカハラゴマダラヒトリは、限りなく同種に近いとも思っているのだが、今回の個体は、小さめのキハラゴマダラヒトリよりも、気持ち小さいように感じた。勿論、これはこの個体の個体差かもしれないが…。

さてさて、キハラゴマダラヒトリとアカハラゴマダラヒトリの成虫の違いが、少しづつ掴めてきた気がするが、両種を通しての一つの疑問が生まれてきた。

それは、サイズに関わらず、どの個体の触角も櫛歯状なのであるが、キハラゴマダラヒトリやアカハラゴマダラヒトリは、雌雄によって触角の形状の差異はないのであろうかという疑問である。ちなみに、通常は、雄が櫛歯状の触角で、雌は糸状の触角のパターンを持つ蛾達が多い気はする。 

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2022年5月1日追記

学名のSpilosoma punctariumで検索したところ、英語で書かれたウキペディアがヒットして来た。読んだところ、極東ロシアに中国全土、朝鮮半島、日本に生息している蛾だと理解した。とても似た雰囲気のキハラゴマダラヒトリの方が、ヨーロッパにも生息している事を考えると、進化の過程に繋げられそうな興味深い情報である。