ビロウドハマキ  成虫

この蛾は、数日前に近隣で見かけ写真に撮っていたものである。

昔から名前は知っており、昨年仕事中に壁に止まっているのを一回だけ見ていた。その際には、虫など全然興味の無い仕事仲間の方が、この蛾の存在に気が付き、「なんかやばいのがいる」みたいに、はしゃいでいたのを覚えている。仕事がひと段落した際に、写真にでも撮ろうと見上げると、既にその場所からは立ち去っていた。

そして、今回は写真に撮ることができた。

名前は、ビロウドハマキ。大きさは、この写真の個体で、体長4センチ弱ぐらいありそうだった。

幼虫の食草は、カエデ、アセビ、アラカシとか、要は何でも食べれそうな雰囲気である。

この蛾の生態として興味深いのは、本来、南方系の蛾であり、昔は千葉県辺りが北限だったみたいである。

しかし、近年、温暖化の影響も伴い、生息域を北へ北へ伸ばし続けている種である。

2020年の現在、茨城県の県南には確実に生息している。一体、何処まで北上しているのであろうか?

ヒサマツムシヒキ

本日、仕事先の藪にこのムシヒキの仲間と思われるアブがいた。

シオヤアブほどゴツくなく、マガリケムシヒキと同等かそれより少し大きい印象である。

体長は、2センチをちょっと超えるぐらいだったと思う。

胸背部の紋様から、ヒサマツムシヒキとサキグロムシヒキの2種が候補に上がったが、脚の内側の色がオレンジとか明らかに違う色になっているのは、ヒサマツムシヒキの特徴かと思われる。

また、サキグロムシヒキを強そうなムシヒキと表現されている方がいたが、この写真の個体を見た時の私の印象は、ちょっと華奢な雰囲気のムシヒキであった。

最後に、なぜヒサマツと名前に付いているかは、パッと調べただけでは正解に辿り着けなかった。

ヤマグワ

久しぶりに植物の投稿をしてみようと思う。

近所の里山を歩いていて、至る所で、桑の木には出くわすのだが、それがヤマグワなのかマグワなのか他の桑の品種なのか分からないでいた。

なんとなく、実のなるシーズンの記憶を蘇らせる(実の特徴を思いだすと)とマグワの仲間が多いのかなとの印象を抱いていたのだが、先日、ヤマグワの実の特徴を持つ桑の木に、家から徒歩数分の近所で出会った。

一般的に、上の写真のように、雌しべの名残りの花柱が沢山見て取れる実を付けるのはヤマグワであり、マグワの仲間の実は、この花柱がそれほど目立たない実を付けるとのことである。

さてさて、このヤマグワという落葉中低木は、日本に古来より存在する在来種のようである。一方のマグワは、養蚕の発展と相まって、中国から持ち込まれた種のようである。

そして、明治から昭和初期にかけての養蚕が大盛況だった時代には、カイコの餌用にヤマグワもマグワも利用され、おそらく各地の風土にあった品種が選抜され誕生・固定(クローン化)されていったこととも思われる。

今では、養蚕産業も廃れて、近隣の里山に無秩序に生える桑達は、実を食べた鳥の糞から芽生え誕生して育ったものと思われる。

ところで、黒く熟した桑の実って、凄く甘くて美味しいの知ってますか?

桑の実で街おこしが出来そうな美味しさなのに……誰も、注目してない。