クロサンカクモンヒメハマキ 成虫

最近、雑木林の枯葉の上をザクザクと歩いていたら、この蛾が飛び出してきた。

着地した場所で、なんとか写真に撮ってみた。

この日は、枯葉からこの蛾の半分ぐらいのサイズの今のところ種に行き着けていない極小の薄茶色の蛾達が沢山飛び出してきたが、彼等と比べると大きい印象であった。前翅長で15ミリ弱ぐらいありそうな個体であった。

前翅中央辺りの対になった三角の紋様や前翅外縁の縞紋様や、肩(?)の部分の雰囲気等から、クロサンカクモンヒメハマキという種に、比較的簡単に行き着いた。因みに、他の方の言っている事を引用すると、前翅前縁の縞模様は、ヒメハマキガ亜科の特徴とのことである。

さて、このクロサンカクモンヒメハマキの幼虫の食べるものは、コナラやミズナラのどんぐりの実との事である。まさに、この蛾の写真を撮った雑木林は、コナラだらけである。

また、4月から6月といった春に出現する蛾らしい。今は、まだ3月だが、暖かい日であったので羽化したのかなとも考えたい。

コマツヨイグサ

少し前に、地面に気になるロゼットがあったので、写真に撮っいた。

このロゼットを見た時、こんなに切れ込みの目立つ葉のロゼットを持つ植物って何だっけという率直な疑問が、私の頭の中にはよぎった。

しかし、直ぐに調べたところ、コマツヨイグサのロゼットという事が判明した。同時に、あぁーとい納得の念も生まれた。なぜなら、昨年、同じ場所にコマツヨイグサが咲いているのを目にしていたからである。

さて、このコマツヨイグサ……私の家の庭にも生えてきてしまう。茎を立ち上げるわけではなく、地を這う形で成長し、花期にはビビットなレモンイエローの花を咲かせる姿は、正直、私は好きであった。

好きであったという表現を使っているのには理由があって、先程、このコマツヨイグサを調べている時に、過去の特定外来生物法では、要注意外来生物に指定されており、2016年改正の生態系被害防止対策外来種リストの中では、重点対策外来種という緊急対策外来種に次ぐ注意ランクの重い植物に指定されている事を知ったからである。

家の近所で緊急対策外来種として直ぐに名を挙げれる植物は、オオキンケイギクと川沿いに行けばアレチウリがあるが、オオキンケイギクの拡がりや繁殖威力が穏やかに見えたり、アレチウリの生息場所が川の土手沿いに限定されている事を考えると、この何処でも少しづつ増えていくコマツヨイグサの方が、個人的には対策を急いだ方が良い種のような気はする。ゆえに、これからは、このコマツヨイグサへの接し方を注意しようと思い、好きであったという過去形の表現を使ったのである。

このコマツヨイグサは、北アメリカ大陸が原産の外来種で、日本では、アラウンド大正元年頃の1910年台に定着が確認されている。

最後に、昨年の10月の初旬に同じ場所で撮っていたコマツヨイグサが開花している写真を投稿して、この投稿を締め括ることにする。コマツヨイグサの花期は初夏とばかり思っていたが、10月にも咲くんだと興味を惹かれたたのであった。

オオオナモミ

近隣に生えているオナモミは、外来種のオオオナモミが殆どであると思われる。

本来、オナモミという在来固有種が生えていたらしい。近隣のこのオオオナモミと思われる種も、場所によって形態に地域差があるのか、微妙に違う個体群もあるような気はする。(この投稿を書きながら、同じように外来のイガオナモミやトゲオナモミの存在を知ることになった。)

ただ、近隣のオナモミの仲間は、全部、オオオナモミなのではと、今のところ、私は感じている。

以下は、昨年の10月下旬に近隣の小川沿いで写真に撮ったオオオナモミである。

このオオオナモミの個人的印象だが、近隣だと僅かな例外もあるが、河川沿いの土手なんかでしか見かけない。そして、ネット情報で有りがちな爆発的な繁殖はしていないような気がする。

謙虚に小さな群落(4,5株)が、ポツンポツンとあるぐらいで、たまにそれらの群落が固まって、ちょっと集中的に生えているかなという印象を受ける場所があるぐらいである。

生えている場所も川沿い等に限定されているので、人間が気合を入れて引き抜き始めたら、結構直ぐに減らせるような気はする。こういった点では、アメリカオニアザミなんかも、似た状況だが、アメリカオニアザミの方が様々な環境下に順応しているので、自生している場所を全部探し出すのに苦労すると予想できる。

さてさて、このオオオナモミの種子は、所謂、ひっつき虫のタイプで、人間含む動物にくっ付いて移動することで生息範囲を拡げる目論見を持っていると予想出来るが、ただ、落ちた種子はどんな環境下でも発芽出来たり、発芽して、その場所で元気に代を重ねていけるわけでも無さそうである。

とにかく小川や川沿いの直ぐそばの土手なんかに多い。場所によっては、台風による増水などで水没する場所であり、その時に種子も多数下流へと流されている事が予想出来るが、水分が多すぎる土壌には生えていない。反対に乾燥しすぎる場所にも見ないので、好む環境に微妙なラインが存在しているんだと思う。

あとは、このオオオナモミは、人間の着ている洋服とかには簡単にくっ付く(棘の先端がカギ状になっている)けど、風や振動等で茎から容易に種子が外れるタイプではない。この辺も、このオオオナモミが急速に繁殖場所を広げて行けない理由の背後に有るのかなとも思う。そして、冬に枯れた後も、種子の付いた枯れ茎を地上にピンと伸ばしてただ踏んでいる姿を見ると、もっぱら動物にくっ付いて種子を運ばせるのを遺伝子に組み込んでいるのかなと思う。

このオオオナモミは、夏に大きく育った姿や、その群落の小ささから多年草のように思いたくなるが、1年草である。

本来は北アメリカ大陸が原産で、1929年に岡山県で初めて確認された外来帰化種である。2016年時点の特定外来生物による生態系被害防止対策種リストの中では、その他の総合対策外来種に指定されており、緊急や重点対策外来種ではないものの、日本に居なくても良いと考えられている植物である。在来のオナモミの減少との因果関係が気にされているのかと思いたい。また、日本生態学会の日本の侵略的外来種ワースト100にも指定されている植物である。

まぁ、現代人の殆どは、職場と寝ぐらの間を行ったり来たりである。身の回りの環境のことなんか、誰もそんな事を気にしていない。気にしなくても生きていける時代なのかもしれない。大概の人が考えるのは、目先のことだけである。