アリノスアブ

黒っぽいハナアブを見つけたと、少し観察していたら、運の良いことに近くの壁面に止まってくれた。

背景が奥域もなく動かない壁面であったので、私にしては写真のピントを合わせる事に成功した。

地面の上でホバリングする姿やサイズからハナアブの仲間だろうとの予測はつけて、ネット上で調べ始めたところ、アリノスアブという種に行き着いた。体長は1センチちょっとといったところであったと思う。

ただ、ハナアブ科でありながら、花の蜜を吸うことは無いようである。

アリノスアブを漢字で書くと、蟻の巣虻である。幼虫は、アリの巣の中で蟻達と共生して成長して来るようである。

何種類か存在するアリノスアブの中で、このアリノスアブは、トビイロケアリという蟻の巣に共生することが知られている。

因みに、トビイロケアリというのは、極々普通に見られる赤茶色の蟻である事が分かった。話の方向は変わるが、蟻なんて種類を特定するのは不可能とも思っていたが、このアリノスアブが濃く飛んでいた場所の蟻をチェックすることによって、蟻の種の特定に近づく方法もあるんだなと気がつかされることになった前進した1日となった。

アシナガグモ

越冬から目醒めたのか、身体が細い割に脚は長めの蜘蛛を見つける。

そもそも体長で15ミリぐらい有りそうな上に、この長い脚である。結構大きく見える蜘蛛である。

名前は、アシナガグモ。水田とかの水辺近くに多いとのことだが、見かけた場所は、水田からは程遠い。人工的な池なんかは近くにあるが、それらも決して直ぐ横にあるというわけではなく、数100メートルは離れている。

この蜘蛛は、過去にも同じ地区で自らの張った巣の中にいるのを見た事があるが、必ず水辺にいるというわけでもなさそうである。

ただ、写真で気になったのは、まるで蟹の眼のような二つの出っ張りである。最近知ったのだが、これは顎であり、先端に鎌のようなものが収納されているのである。

似たような形状を持つ蜘蛛は多いが、差し当たって、カバキコマチグモなんかも同じような顎を持っていたのが記憶に新しい。

ナラコハマキ  成虫

最近、日に日に暖かくなってきているせいか、昆虫たちの活動も始まったような気がする。

近隣の雑木林の林縁の枯葉の上を歩くと、この極小の蛾が飛び立つのが目立つ。

名前は、ナラコハマキというらしい。同じ日にほぼ同じ場所で撮られた上の写真は、少し色合いや紋様が違うが、同じナラコハマキなのではと思っている。

サイズは、極小と表現したが、本当に小さく前翅長で7ミリぐらいしかないのではと思う。

ナラコハマキの幼虫は、コナラ等のブナ科の樹木の葉を2枚重ね合わせた中に巣を作るとのことである。

成虫越冬するとのことなので、今見ている個体群は、昨年生まれの個体達である可能性も高い。通常は、5月ぐらいから成虫が現れる蛾のようである。

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2021年4月2日追記

1枚目の写真の方は、プライヤハマキの可能性もあるなと思い始めた。ただ、上のこの2匹が、プライヤハマキより小さかったのは覚えている。