ケブカキベリナガカスミカメ Dryophilocoris miyamotoi (Yasunaga, 1999)

最近、近隣で、このカスミカメを見つけて写真に撮っていた。

車中で寛いでいたら、服の上を走っている本種に気が付いた。

取り敢えず、何とか写真に撮ってみた。

大きさは、体長8ミリぐらい。

逃げようと翅を広げてしまったが、服の上を歩いている時は、長い菱形に黒と黄色のコントラストが、とてもクールに私の目には写っていた。

サイズと雰囲気から、カスミカメの仲間であろうとの予測は付いたが、調べたところ、ケブカキベリナガカスミカメと判明。学名の発表年を見ると、比較的新しく見つかった種なのが分かる。

ブナ科のナラやカシワを吸汁するとのことである。

薄々勘付いてはいたが、車中で見つけたこのカスミカメは、どうやって車に入って来たかというと、数分前に、クヌギやコナラの木を竹の棒で叩きまくっていた自身の行動と繋がった。おそらく、ポケットの中に落ちたか、衣服に纏わりついて付いて来たのだと推測する。

最近、また一つ暇な時間の楽しみ方を知ってしまったのだが、コナラやクヌギの木の枝を叩くと、他の樹木とは比べ物にならないくらいに、多様な生物(主に蛾の幼虫)が落ちて来るのである。そして、場所場所によって、生態系が少しづつ違うのが知れて、面白い。

さて、このケブカキベリナガカスミカメの生息分布は、国内は、北海道から九州まで。海外の生息分布の方は、ちょっと辿り着けなかった。

追伸 2年前の4月19日日に、ケブカナガキベリカスミカメというタイトルで投稿済みの種と確認した。

イタドリハムシ Gallerucida bifasciata (Motschulsky, 1861)

2年前の3月の終わりにも投稿しているが、今回の個体は、我家の庭にいたイタドリハムシという事で、投稿してみることにする。撮影は、先週の金曜日の夜である。

ハムシの仲間にしては、大きさは大きく、体長で1センチ弱ぐらいはあるハムシである。

確か、イタドリハムシだったよなとの知識は持っていたが、実際にイタドリハムシである。

イタドリハムシの名の由来は、タデ科のイタドリやギシギシやスイバを好んで食べるところからである。

過去に、我家の庭でも、このイタドリハムシを見かけた時に、そうしたタデ科の植物の生えていない我家の庭(唯一ヤブタデが生えているかな)で、何を食べているのであろうと気になった事があった。

今回、とうとう突き止めることが出来た。彼らは、カタバミ科の大きなオッタチカタバミを貪り食べていた。昼間なら、人影を感じると、直ぐに地面へと落ちて、逃避行動を取るのに、夜は、随分と鈍感というか大胆なんだぁーとも眺めていた。

そして、このイタドリハムシを通して、今回、もう一つ気付きがあった。気付きというのは、このイタドリハムシも、黒とオレンジ色の紋様のパターンを持つ甲虫かということである。このパターンは、甲虫の科を超えて見られるものである。何かしらのメリットを得るための擬態なのか、ちょっと分からないが、甲虫の科を超えて、よく見られる紋様パターンである。

さて、このイタドリハムシの生息分布は、国内は、北海道から九州(対馬含む)まで。海外の生息分布は、興味深くて、東アジアは、朝鮮半島、ロシア沿海州南部、台湾や中国の東部一帯。他にも東南アジアやオーストラリアの幾つかの都市で確認されている。そして、1番興味深かったのは、中央アメリカに濃く拡がっており、その繋がりで、南米大陸の東岸も西岸も赤道辺りまでは確認されているのである。また、北米大陸は、東部から西部へとヨーロッパの移民達が移動したルートと言いたいようなエリアに拡がっているのである。意外なのは、ヨーロッパは、スペインの南部の地中海岸にのみ生息を見てとれる。