アオスジアオリンガ 雄 成虫 春型 Pseudoips prasinanus (Linnaeus, 1758)

先ほど、我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

大きさは、前翅長16ミリぐらい。

種名は、アオスジアオリンガ。この個体は、春型の雄である。

雌に関しては、アオスジアオリンガもアカスジアオリンガも、全体的に緑色の蛾である。

このアオスジアオリンガの方が、アカスジアオリンガよりも山地性との事だが、地球温暖化傾向の中、山地性のアオスジアオリンガが、我家の立地のような平地で見ることが出来る機会も、少しづつ減少してゆくのではと思ってしまう。

幼虫の食草は、ブナ科のコナラやクヌギ等である。

生息分布の方は、国内は、北海道から九州まで。海外の生息分布は、極東アジアの日本や朝鮮半島やロシア南東部よりも、ヨーロッパに広く強く分布している蛾である。ヨーロッパからロシアの中央平原を東に東に東進し、極東アジアまでやって来たのが分かるが、なぜ北米大陸にまでは進出していないのかが分からないでいる。幼虫の餌となるブナ科の樹木は、北米大陸にも沢山生えているはずである。

ウスキシャチホコ 成虫 Mimopydna pallida (Butler, 1877)

二日前に、我家の外灯下に来ていた蛾の一つである。

大きさは、前翅長20ミリちょっとぐらいだったと思う。

翅端からはみ出した尾部や、肩毛の下に潜り込んだ頭部の形状から、直ぐにシャチホコガの仲間だとは分かるぐらいには成長している自分がいる。そして、いつも迷うのは、キシャチホコだろうかウスキシャチホコだろうか……どっちなのかという事だが、正直、これまでは、色合いだったり、紋様だったり、微妙な形状の差異だったりから、なんとか両種を見極めようとして来ていた。ただ、色も紋様も形状(形状に関しては、雌雄で少し差があるため、両種を違う性別で比べてしまうと、分かり難くなってしまう気がする)も、これでもかというぐらいバラツキがあり、なかなか自信を持って同定出来ない2種である。

しかし、ここに来て、前から情報としては知っていたが、ここを押さえれば、絶対に見分けられるというポイントを自分なりに掴んでしまった。それは、真上から写した写真を見た時の肩部の雰囲気(毛の流れ方)である。以下に、真上から写した写真を貼ってみる。

肩部の左右に後方の尾の方に流れる毛束が見て取れる。そして、真ん中に色が違う部位があるが、ここは逆に、頭部の方に毛は流れているのである。

これが、キシャチホコの場合は、肩の毛が全部、後方に流れているのである。この部位は、両種ともほぼ例外がない特徴と言いたいのだが……。

それでは、このウスキシャチホコの幼虫の食草は、イネ科のススキやササとの事である。

生息分布の方は、国内は、北海道から九州まで。海外は、朝鮮半島、ロシア沿海州南部、サハリン(樺太)や択捉島との事である。ヒマラヤの南麓にもいるとの情報も見たが、有り得ない話では無い気はする。

ホシボシゴミムシ?  Aniasodactylus punctatipennis (Morawitz, 1862)

最近、近隣で見かけたゴミムシの仲間である。

大きさは、体長13ミリぐらいだった。

一目見た時に、明らかにマルガタゴミムシやゴモクムシとは違い、ナガゴミムシ亜科のゴミムシの雰囲気がした。ただ、実際のところは、ナガゴミムシ亜科に属するゴミムシではなく、ゴモクムシ亜科に属する事を知ったが、その辺りが、このゴミムシの食性の特徴を表しているのかもしれない。

ちなみに、このゴミムシは、私がゴミムシに抱いていた印象を大きく覆してくれる事になった。

私のゴミムシの仲間への印象と言うと、昼間は、石や倒木の下に隠れていて、夜にメインに活動しているイメージがあった。だが、このゴミムシ達は、昼間から、堂々とミドリハコベの花を突いていた(食べていた)のである。

そして、もう一つイメージを覆されたのは、近付いて写真に撮ろうとした時に、飛翔して逃げたのである。しかも、かなりシッカリとした飛翔能力なのである。追いかけると、余裕で10メートルぐらいの高さへと急上昇するのである。ゴミムシの仲間って、地表徘徊性のイメージがあり、こんなに見事に飛びまくれるのかと、驚くことになったのである。勿論、このゴミムシは、危険を感じると、地面にポトっと落下し、土の中に紛れ込むという逃避方法も知っていた。

こうして、明らかに、ハコベの花に集まっていたことから、“ハコベ“と“ゴミムシ“のワードで検索すると、ホシボシゴミムシという種で、植物性の餌を好むゴミムシであるとの情報がヒットしてきたのである。

そして、ここで繋がってきたのは、我家の庭にいるマルガタゴミムシの一種との共通性である。我家の庭のマルガタゴミムシ達が、オランダミミナグサやハコベの地際に沢山生息しているのを、今まで、単に隠れ家として適しているからだと思っていたが、それだけでなく、彼らの餌の供給場所でもあったのかという事と結びついたのである。

ちなみに、今回のホシボシゴミムシと思いたいゴミムシがいた同じエリアには、二回りぐらい小さいマルガタゴミムシの一種ももいる。そして、興味深いのは、この種も、逃げる時に飛ぼうと翅を広げるのである。残念ながら、翅を広げるものの、そんなに上手くは飛べなくて、地表を這って逃げた方が効果的なのではと感じてはしまうが………。

さて、この同所にいるマルガタゴミムシの一種の翅は退化中なのか進化中なのか、私にはどっちなのか分からないが、興味深い。

最後に、このホシボシゴミムシの生息分布は、国内は、北海道から沖縄本島ぐらいまでいるようである。利尻島や礼文島、他には佐渡島といった島嶼にも生息している模様。海外の生息分布は、朝鮮半島とロシア沿海州南部。