毎年、草刈りが行われ、除草剤までかけられる一画を歩いていて、ふと、とても小さな黄色い花を咲かせる清楚な植物の存在に気が付いた。一瞬だけ立ち止まりしゃがんで写真に収める。あまりに茎が細く花も小さくピンボケの写真しか撮れないので、一本だけ抜いて地面に置いて撮ってみた。
高さは10センチぐらい。近くに生えていた他の個体達も、皆10センチ程度であった。
‘ペンペングサ(ナズナ)の黄色いやつ‘で検索したところ、イヌナズナという植物である事が分かった。因みに、そのまんまの変換だとタガラシがヒットしてきたので、小さいというワードを付け加えて、イヌナズナに辿り着く事ができた。
このイヌナズナ……北国の方の植物らしく、同じような仲間達は亜高山帯とかを自生地にしている種も多いようである。
地球温暖化の流れで、本来、暖かい地域の生物が北上してる現象を垣間見ることが多いが、こうした、もしかしたら身近で見られなくなる可能性も無きにしも非ずの植物に出会えると、なんか嬉しい気持ちになる。
実際のところ、数県が、都道府県独自のレッドデータで、絶滅危惧種や準絶滅危惧種に指定しているようである。
イヌナズナは、土が富栄養化して、草丈が大きく繁りすぎると枯死していくとの記事を読んだが、もしかしたら、草刈りと草掃きがしっかりと行われて、除草剤もふんだんにかけられる土地が、消えゆく(?)彼らの生育環境とマッチしたのかもしれない。5月から6月には、除草剤が噴霧されると思うから、それまでに熟した種からの誕生のサイクルが出来上がっているのかなと想像する。