アケビ

最近、近所の里山を歩く機会が増えて、野山の林縁にアケビの類が物凄く多い事に気が付いた。大概は、ミツバアケビなのだが、所謂、葉が5枚で葉先が丸いアケビも混じっている事に気がついた。

よく言われているのは、ミツバアケビの方が一般的に見かけられるということと、花の色がミツバアケビは、濃い紫色で、本種アケビの方は、淡い紫色という事である。

因みに、数メートル離れたところに、ミツバアケビも花を咲かせていたので、花色の比較という事で、以下にミツバアケビの写真も投稿してみる。

因みに、このアケビとミツバアケビの交配したものも見られるとのことだが、確かに、「このアケビ、何だ?」という特徴を持ったアケビに出会うことはある。

最後に、野に生えるこのアケビ達、食用にも蔦加工にも、もはや利用されていない。

アケビの蔦で何か作りたいなとか、アケビの実で何か食用になるもの作ってみたいなと、毎年思うが、今年も何も出来ないまま終わるのが目に見えている。

ヤマザクラ

ちょうど少し前まで、近所の里山のヤマザクラが見頃だったので、この旬の今、ヤマザクラの投稿をしてみようと思う。

ちなみに、近所の里山の山桜に愛着を持ち始めたのは、今年からである事を告白しておく。こちらに越してきてからの7年ぐらいの間、この時期には、マイカー通勤の途中で、この桜が咲き誇っているのは目にしてきていたが、どうせ、そこらへんの学校や公共施設や工業団地に植えられたソメイヨシノを代表にした桜の園芸品種の実生が好き勝手に生えてきているんだろうぐらいに考えていた。

しかし、昨年から近所の身近な動植物を意識的に眺めるようになり、近くの里山を歩いているうちに、ある事実に気が付いた。里山に咲き誇っている桜は、どれも(9割……ほぼ100パーセントと言いたい)が、花期に赤っぽい葉も一緒に出すヤマザクラではないかという事に………。

その事実を我が目で垣間見て確証を得てからは、俄然、近所の里山の桜に古から通づるロマンみたいなものを感じるようになってしまった。一体、いつから生えてるのであろうか?誰かが植えたのであろうか?昔は、もっと沢山生えていたのであろうか?昔の人達もこれらの桜を愛でたのであろうか?等………今まで、あまり気にしていなかった里山の山桜を遠目に眺めながら、昔の人達のライフスタイルや気持ちを、目を閉じて想像・推理する時間が格段に増えた。

ただ、昔の人が植えたにしては、生えてる場所が地面から数メートル高いところの斜面だったりする。元々、古来から生えていたものを残したとすると、まだ近所で、苔に覆われたり主幹が折れたりで、傷んだ山桜の古木に出会っていない。大概、樹高20メートルぐらいで、まだまだ元気な山桜に見える。どれも、年齢的に同じぐらいのヤマザクラに見える。

因みに、幼苗のうちから花を咲かせ直ぐに見応えのある大木に育つソメイヨシノが認知され始めたのが、1900年頃と聞く。この頃に、既にアメリカに関山という里桜の品種と共にに贈られている。そして、戦後の高度経済成長の時期に至る所に植えられ、私達が桜と言えば連想するのがソメイヨシノである。

ただ、現在、周りを見渡した時に、街路樹でも学校でも工場の敷地内でも、毎年人々の目を楽しませてくれるそうしたソメイヨシノだが、桜の管理に知識を持った人達の減少と相まって、適当に剪定され、その傷口から痛み、年齢の割には老木の様相を呈したソメイヨシをよく見かける。昨今の台風の後に、ソメイヨシの徒長した大枝は風に折れないのは感心するが、地上部に偏りが有ると、地上部の重さに耐え切れずに根がちぎれ倒れてしまっているソメイヨシノを見かけるようになった。人口減少化社会の中で、各地で管理に手に余るソメイヨシが増えてくるのではと、私はひっそりと思っている。

話は脱線したが、最近の現代人の地主達や近所の人達が数世代遡っても、知識の中で植えるとしたら、派手に咲き誇り花が直ぐに見れるソメイヨシの筈である。ヤマザクラの苗が花を付けるまでには、結構な時間が掛かるはずである。

そうなって来ると、私が思っている以上に、近所の里山のヤマザクラ達は長生きしてるのかもしれない。そうした過去の歴史を知る手掛かりにもなるヤマザクラ達を大切にしていきたいなと思う今日この頃である。

最後に、近所の里山で写したヤマザクラの写真を載せておく。

花と同時に葉も展開するのがヤマザクラの特徴であるが、ヤマザクラ含むあらゆる落葉広葉樹が、この時期に色取り取りの若葉を展開する中で、薄紅の花と赤みがかった葉色は、里山の景色を俯瞰する時に、無くてはならない重要な一員(景色の一部)の気がする。

同時に、古(いにしえ)の遠い先祖の日本人達が愛でてきた桜も、このヤマザクラである。

残していこう……美しい景色。

ウラシマソウ

最近、近所の里山を歩いていると、このちょっと一風変わった植物に出くわす。

名前はウラシマソウだと思う。名前の由来は、紫の花の先が細い釣竿みたいに伸びている姿を、浦島太郎の持ってる釣竿に擬えて、ウラシマソウとなったという説があるらしい。

里芋の仲間らしく、種でも増えるらしいが、地下の親株から子球が増殖する形でも増えて行くようである。上の写真を見ても、小苗が辺りに散在しているのを見て取れるが、きっと地下で繋がっているのではないかなと思う。

この花姿を見て、美しいと思う人達よりは、この変わった姿を奇異に感じる人達の方が断然多いのではないであろうか。かくいう私も、10年ぐらい前に、この植物が庭に生えてきたら、イメージする庭にそぐわないとして、引っこ抜いていた(撲滅していた)と思う。実際、他人の庭の掃除をしていた時に、それを実行した記憶がある。

ただ、それから10年、歳を重ねるごとに、一見、異形と思える者達への愛情というか共存の気持ちが強くなって行ってる気がする。

是非とも、我が家の庭の一員に加わって欲しい植物である。