オオクロバエ

数日前に近隣の雑木林の林縁で見かけた大型のハエである。

ハエなんて、似た種が多くて種に行き着くのは無理だろうと思っていたが、調べてみたら案外、簡単に候補が絞られた。

この体長13ミリぐらいの大型の黒いハエの候補に挙がったのは、ケブカクロバエとオオクロバエの2種であった。

2種ともとても凄く似ていると書かれていたが、ケブカクロバエの方が、背胸部に白い毛の生えた縦溝が目立つようである。あとは、オオクロバエの方は、腹部に微かに青緑の光沢が見えるようであるが、この写真だと分からないが、同じ個体の他の写真ではうっすらと青色を見て取れる。

2種とも成虫越冬出来るような北方系の寒さに強い蝿であることから、暖かい日などは、冬場でも見ることが出来るとのことである。実際、このハエの写真を撮った日に、この蠅以外に、昆虫の活動に出会った気はしなかった。

幼虫の蛆虫は、動物の死骸や糞をベースに育ってくる習性から、病原菌の媒介種としての一面も持っている。

ただ、こうした幼虫が、そうした有機物を分解してくれている一面も持っていると思うので、人間の方からの一方的な排除にも慎重な分析が必要な時代になってきてるのかなとも思う。

スジエビ

近隣の水辺の超一般種であり、極々普通に見かける事のできるスジエビ。

意外な事に、まだ未投稿であった。最近、近所の小川でタモ網で、大きめの個体を捕まえたので、その個体の写真を使い、投稿してみる。

先ず、このスジエビは、近隣の水系なら、何処でも見かける事ができる気がする。よく比較対象されるヌマエビの方が少し生殖場所は限定される気がする。我家の近辺では、混生している場所も多いが、スジエビの方がヌマエビの仲間達よりは、若干汚れた水系にも生息している気がする。

そして、最近まで、このスジエビや同族のテナガエビは、抱卵後に産み落とされたゾエア幼生達は、海水域(汽水域)まで流れ降り、再び河川を登ってきて初めて、ライフサイクルが出来上がるみたいな説を信じ切っていた。

そして、常々、近所で見かけるスジエビやテナガエビが、本当にゾエア幼生の時に、汽水域と言えるような場所まで降っているのかという本音の疑問と向かい合い続けてきた。

理由は、この考え方なら、近所の水系において汽水域に近付くほど、スジエビやテナガエビの生息密度が高くなりそうな気がしたんだが、随分と汽水域と離れた奥地にも、スジエビもテナガエビも濃くスポット的に棲息している場所がある気がしたからである。また、過去に、湧水(雨水)オンリーで作られる他の水系と繋がりのないひっそりとした人工池で、とても小さいスジエビを釣り上げた事があった。この時にも、この池に遡上して来る水路はないし、誰かが放流した可能性を考えるよりは、この池で繁殖していないかと思いたくなるような小さいサイズだった。

しかし、最近、スジエビの産卵行動や幼生の行動パターンをネット上で調べている際に、汽水域に降らずに完全に淡水域で一生を終えれる型が存在するとの紹介記事を、幾つも目にするようになった。

そして、この一生淡水型のスジエビやテナガエビが存在してくれる方が、彼らと出会う場所の疑問点を少なくクリアーにしてくれる事は間違いないのである。

さて、このスジエビも、場所によって、紋様や色合いに違いがあるような気がする。今の段階では、そこまでは気にしていないが……。

また、ヌマエビとは違って、かなり凶暴な性格である事を知っている。以前、小さな水槽で、近所で獲れる小魚たちと混成させていたら、どんどん小魚を襲い食してしまう現場に頭悩ませた事がある。

あと、書いておきたいことがあるとしたら、夏場とかに、ひと網で、100匹近くのスジエビが獲れることや場所がたまにある。3網ぐらいで、両手一杯にビチビチとなる量である。

川の水質が未知だが、同じ水質で育つお米を平気で食しているなら、このスジエビも、昔の人達みたいに、どんどんと食べるのも有りだと思う。

今度、色々と料理してみようかとも考える今日この頃である。

カマツカ

前回の投稿で、ウツギを取り上げたが、その投稿の中で、ウツギの境木としての使われ方に言及したが、このカマツカという落葉低木も、県下では、同じような境木として使われていた過去がある事を知った。

この事実を知る前から、カマツカの投稿をしたい思いはあったが、近隣でカマツカを見かける場所が局所的で、近隣に古くから生えている身近な樹木として紹介して良いのかの迷いがあった。

しかし、茨城県下で、ウツギ程ではないが、このカマツカも境木として使われていたとの知見を得たので、今回、投稿してみる。

上の写真は、自宅で紅葉している時に撮っていた写真を使ったが、秋に、比較的ムラなくオレンジ色に染まる紅葉が楽しめる低木である。

実際に、近隣の林で、私がカマツカの存在に気が付けたのも、「このオレンジ色に染まっている木は何という木だろう?」との好奇心からであった。そして、種子を持ち帰り、種子から育てたのが上の写真の個体である。

当時の、このカマツカの種の発芽率についての印象だが、まだ水分たっぷりの種でも、赤い皮が干からびた乾燥した種でも、かなりの高確率で発芽したのを覚えている。10中7、8ぐらいであろうか。樹木の種子によっては、一体、どういう刺激を与えたら発芽するんだろうみたいな種類も知っているので、かなりの高確率で発芽する種子だなとの印象は深く残っている。もちろん、湿ったピートモスの中に埋めて、冷蔵庫でワンシーズン冬を越させるという付加作業は加えているにしても。

さて、カマツカがカマツカなる名前の所以は、昔、鍬や鋤や鎌の木の持ち手の部分(柄)に使われる固い材質の特徴を、このカマツカが持ち合わせており、実際に使われてきた過去があるからとのことである。あとは、牛の鼻輪に使われたりで、ウシコロシの地方名があったりするようである。

この木質の固さを表す例になるか分からないが、過去に庭のカマツカも、何かしらのカミキリに表皮を螺旋状に齧られたことがあり、このまま産卵されて幼虫に内部を食われてしまうのかと見ていたことがあったが、その後、このカマツカの幹からカミキリの糞クズが出て来ることは無かった。この状況を、勝手に、カマツカの木質が硬くて、カミキリの幼虫も穿孔する事が出来なかったと結びつけているのだが……

とにかく、近隣でも見付け難い木ではあると思う。ただ、農地の境木に使われている事もあるとの事実を知れたので、今後は、その辺りで、それっぽい木を見つけたら確認してみようと思う。

目印は、微かに毛が生えた少しフワッとした肌触りの葉っぱかなぁ〜。